Country Link Sydney ~ Brisbane
ふつうSydneyからBrisbane(ブリスベン)は飛行機で行くところを、電車で行ってみました。。飛行機だと飛んでる時間は1.5時間、空港までの移動時間がそれぞれ1時間および30分、空港でのチェックイン等滞在時間が2時間とすると、合計すると5時間。なんだかんだで結構かかります。で、電車でBrisbaneまで行くと約15時間かかります。笑 なぜ電車って景色眺めたかっただけです。笑 別に鉄っちゃんではない、と思ってます。 15時間といっても距離を地図で確認する限り、1000kmない位で、もしオーストラリアに新幹線があれば、4-5時間位で着くのではないかと思われ、さらにリニアモーターカーでもあれば2-3時間で着くような気がするのですが、鉄道が普及していないオーストラリアでは当分そのようなことは望めません。普及しない理由は鉄道で結ぶには大地が広すぎるということもありますが、オーストラリア一の航空会社Qantas(カンタス)の存在が普及を妨げている面もあるようです。本当のアウトバック(内陸部の砂漠地帯)なら飛行機の必要性は理解できますが、Sydney, Canberra(キャンベラ), Melbourne(メルボルン), Brisbaneなどの主要都市間であれば、500-1000km程度なわけですから、新幹線なら5時間程度で結べると思われるのですが、そうすると先の計算から、飛行機とそれほど変わらなくなってきます。しかしそうなってしまってはQantasにとってのドル箱路線が崩壊してしまいます。いくら必要とはいってもアウトバックでの飛行機の需要などたかがしれてますので。実際SydneyとCanberra間の鉄道の敷設はQantasのロビー活動によってかなり遅れた経緯があるようです。最も単純計算では飛行機と互角といっても、人口は都市部に集中していて、その間の1000kmは人がほとんどおらずメンテナンス費だけがかかって採算がとれないという側面もあります。日本のように各地域に特色があり1000年以上に渡って人・物の交流が活発に行われてきた歴史があるわけではなく、オーストラリアの各都市、町に200年を超える歴史はほとんどなく、産業といってもほぼ画一的な畜産、農業しかないわけで人口密度が今度特に増える気配もない。新幹線のような高速鉄道を通して人の移動がより容易になったとしても、それによって沿線地域にとって経済的刺激となるかは不透明です。個人的にはオーストラリアは地震もほとんどなく平らな場所が多いので、主要都市以外人がいないならいっその事リニアモーターカーをズドーンと一発通してしまったらどうだろうとふと妄想したりするのですが・・。 ところで、Sydney市内の電車、バス、フェリーはCity Railと呼ばれる機関が管理していますが、遠く離れた都市や町の間を結ぶ電車にはCounry Linkという別の機関が存在します。SydneyのあるNSW(ニュー・サウス・ウェールズ)州には列車の車体はCity Rail用とCountry Link用の2種類しか存在せず、さらに外観は両者大して変わらず、武骨な「金属の塊」。日本の素晴らしく多様性に富んだ各地域の列車たちに比べると、まったく思い入れが希薄なのですが、まあ相互乗り入れやメンテナンスの容易さを考えると、余計な思い入れがなく合理的といえるのかもしれませんが。日本を訪れて初めて鉄っちゃんに目覚める外国人もいるとか・・。 さて、ひとたびSydneyを出ると、もうなーんにもありません。乗るまでは乗客いるのか、と危惧していたのですが、思ったより混んでました。最もBrisbaneまで乗る人は、僕の見渡せる限りでは、若い西洋人(たぶんオーストラリア人)男性2人組だけでした・・。おそらく彼らの動機というかノリは僕と同じだったのではないかと思ってます・・。Country Linkを利用する人の大部分は、空港が近くにない、または飛行機を使うには微妙な距離にある遠方地を訪れる、またはそこに帰る人々でした。車でももちろん行けますが相当の時間がかかるわけで、それを反映してか高齢者や子供連れの家族が多かったです。 ここはまだSydneyから100kmちょっと。実はここは以前Newcastleを旅行したときにも来ています。 Dungog. 小さな町です。Sydneyから150km位。 Kempsey. Sydneyから400-450km。Brisbaneとのほぼ中間。 とはいっても、BrisbaneはQueensland(クイーンズランド)州の最南端に近いので、道中のほとんどはNSW州です。Kempseyを過ぎるころには、初めからいた乗客はほとんどいなくなり、かわりにBrisbane方面に行くために乗ってきた乗客で、相変わらず車内は混んでいます。 他の乗客との雑談していて、Sydneyで今まで勉強していてPort Macquarieで新たな仕事のためにやってきた27才の女性(何の仕事か聞き取れなかった・・)はWauchopeという駅で降りていき、その隣にいた老婦人はKempseyで家族に会うためにまた、降りていきました。今度会うことはまずないのでSee youといった軽い挨拶だけでなく、Good luck for your workとかNice to meet youとお互いに声をかけます。 そして再会した家族や恋人(?)たちはその喜びをさまざまにプラットホームの上で現していました。 Grafton (Brisbaneまであと200km) 陽が沈みます。 一応車内には売店があり、昼食・夕食も購入することができます。値段はすべて10ドル以下で思ったよりも安かったので夕食を申し込みました。Beef Terriyaki!感想を述べますと、Qantasの機内食を2段位落とした感じでしょうか。苦笑 さて、実はこの日の電車はBrisbaneまでの直通ではなく、あと少しというところで、Casinoという町で(カジノがあるのか?)バスに乗り換え(町を抜けるまでの10分、カジノどころかほとんど明かりを見なかった・・)、そこから3時間かけてようやくBrisbaneに到着しました。この日は満月。街灯一つない、果てしない漆黒の平原の上に昇ったばかりの紅く大きな月が完璧な円を描いて唯1つ浮かび上がっているさまはとても美しく、明るい列車の車内からは見えなかったでしょうから、最後のバス旅もあって良かったです。