2007/11/11(日)20:25
細川貂々・著 「ツレがうつになりまして」
「こころの風邪」とよばれるうつ病。
CMなどのおかげもあって、最近では認知度も増してきた病気ですが、
一方で誤解されている面も沢山ある病気です。
「ツレがうつになりまして」はうつ病がかなり判る1冊。
漫画家の細川貂々さんのご主人がうつ病になってから治癒状態に至るまでの
日々が本音で語られ、かつ温かみのある本に仕上がっています。
ツレがうつになりまして。
うつは治る病気なのですが、
治療初期に見られる治療薬による吐き気や、
治療過程で見られる揺り戻しの辛さ、
治ってきたときに、ついつい自己流に治療薬を減量したくなる心理など、
患者サイドからの生の視点は一読の価値があります。
軽く読めるコミック仕立てになっていますが、
この本は全ての台詞と、特にご主人のコメントをキチンと読むべき1冊です。
「ツレにとってうつ病は避けて通れないものだった」と
闘病経験を前向きに評価している細川貂々夫妻なのですが、
悲しいのは、うつ病を発症したきっかけは
リストラによって、もたらされた超ハードワークだっということ。
残業や遠距離通勤のために平日は深夜まで帰宅できない夫族は
ワタシたちの親世代に比べると爆発的に増加中ですが、
人間的に働き、生活するということが出来ない環境のなかで
うつ病を発症し、勤務先からは冷たく切り捨てられるサラリーマン達
なかには過労死してしまうサラリーマンもいます。
少子化問題ばかりがクローズアップされがちですが、
今現在うつ病やひきこもりで苦しんでいる成年たちの
社会参加、勤務復帰にも予算を割り当てて欲しいと感じています。
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