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破水~陣痛誘発剤にて出産

立会いはしなかった。
というより夫がしたがらなかった。
怖いとかいうレベルではなく(怖いのは怖いだろうが)
恐ろしく感動するタイプだったからだと思う。
もし立ち会ってたら号泣間違いなしだっただろう。
だから結婚式も互いの両親を呼ぶこともなく
海外でひっそりと二人だけで挙げた。

出産時は両親が付き添ってくれていたが
後から「あんまり痛そうじゃなかった」などと言われ仰天する。

死ぬかと思うほど痛かったのに~~~
何も言わず暴れたりもせずずっと耐えてたせいだろうか?
人間、本当につらいときや痛いときは言葉にはならないものだ。と思う。
やっぱり立ちあわせなくてよかったとも思う。
もしその場にいたら、出産なんてたいしたことないじゃん、
なんて思われていたに違いないから・・・。

その日は突然やってきた。
予定日を目前にした真夜中、日付が変わった頃にプチ・・・と
音はしなかったものの何かが漏れた感触。
もしや?
と思うがしばらく考え込む・・・違ってたら恥ずかしいしなぁ・・
お○っこは漏れた事がなかったので違うだろう、
オリモノが少し多く出たって感じだったし・・・
と考えている間にも止まらない・・・

電話しなきゃ、と産院にかける。
症状(?)をひととおり話すと入院になると思います、
と言われ家族をたたき起こし家を出る。

真夜中だったので実妹が家にいてよかった。
いなかったらタクシーだ。

20分ほどで病院に着く。
それまでも私は痛くもかゆくもなかったので余裕かまして会話してた。
かえって親たちのほうが緊張していたのか言葉数は少なかった。

病院で父と妹と別れる。
母が一晩付き添ってくれた。
診察を受け、やはり破水と判明、すぐ感染防止の点滴が始まる。
この点滴がクセモノで私は血管が細いのかなかなか針が入らず悪戦苦闘。
初めて入る分娩室、分娩台(の上で処置されたので)・・・なかなか入らない針、刺しなおしされる。
痛みと恐怖と不安とで意識が遠のいていきかけた。
しばらく休憩後、再開。
なんとか点滴の血管確保が成功。
大抵破水があると24時間以内だったか、陣痛が起こるのが普通だそう。
で、陣痛待ちに突入。

部屋でただ寝転がってるだけなんだけどそれが不安で不安でしょうがない。
2時間おきくらいに看護婦さんがやってきて心音を聞きにくる。
そのたびに母まで飛び起きる。
私が寝返りするたびに母も起きてる様子。
二人ともこの夜は一睡も出来ず。

そして長い夜が明けた。
変化はなし。
陣痛が早くはじまってほしいが動くと破水が進むためベッドから動けず。
あれよあれよという間に日が暮れてしまった。
翌朝になってもはじまらなければ誘発をすすめます、と言われ承諾証?を書かされる。
誘発は怖いイメージがあった。
子宮破裂や胎児死亡など・・・でもこのまま待つほうが危険だと判断、翌朝、10時に点滴開始。
最初は通常では考えられないくらいの速度ではじめる。
10か20ml/1Hだったか・・・1時間に一度くらいペースをあげていく。
30、40・・・昼食前に一度それらしき張りがあるがまだ食事ができる程度。

2時を過ぎた頃だったか冗談じゃないくらい痛みはじめてくる。
3時のおやつの時間には会話もできなくなってきた。
それでも予定通りに運ばれてくる・・・これどうするの?と母。
そんなもん食べてられっか~!勝手に食べて~!と言いたいがそれさえもいえない。
助産婦さんや両親が交代で腰をさすってくれる、いくらか楽になる。
こんなに痛いのにまだ4~5cmといわれる。
1階の診察室まで階段で行かされ、(病室は2階)階段の途中でも容赦なく襲い掛かる痛み、そのたびに立ち止まる・・どころかうずくまってしまう。

陣痛イスとやらに座らされた時が痛みのピークだった。
足の先がやたら冷たく全身が震えてとまらない。
吐き気さえ襲ってくる。
陣痛というものは波がある、のが定番だろうが休憩する暇すらなかったように思う。

最終的には仰向けに寝る姿勢が一番楽と気付く。
陣痛の進行は遅くなるかもしれないがとりあえず少しでも楽になりたい。
でも誘発の点滴は早めてほしい、とどこか矛盾した要求をする私。
最後は80くらいまであげた、が分娩台に行く直前か直後は70におとすよう先生に言われる。
後で、120でも効かない人は効かないといわれる。
点滴は500mlだったけどこれが1本終わるまでには出産を終えてた。

いよいよ、9cm超になり、分娩台へ。
やったー、これで産める!と思うと嬉しくて仕方なかった。

自力でよっこらしょっと分娩台にあがり何分くらい経っただろう。
いきみストップの合図がありいよいよだと思ったらつるん!と出てきた。

すぐに元気な産声が聞こえる。
生まれたという感動よりこの痛みがうそのようになくなった嬉しさが勝っていたかも。
それでもやはり感動して泣けてくる。。が、今、自分の置かれている状況を冷静に思い出すと一気に冷めてしまう。

女の子ですよ、とヘソの緒を切る前に胸のあたりに乗せてくれる。

やっと会えた、というよりうわ、緑!エイリアンとはこのことか~というのが第一印象だった。

赤ん坊はまだ粘膜が残っていて独特の匂いがした。
・・・会陰はやはり切られた。

縫合の時間がやたら長かった(麻酔したけど痛かったし)

出産直後からBGMが流れる。
この産院では出産から退院までをビデオに収めてくれて、それをもらえる。

知ってたら化粧くらいしてたのに・・・って化粧は禁止か。

直前までいた両親はちょうど不在で(もっと時間がかかると思い夕食に帰宅したあとだった)最初に駆けつけたのは仕事を終えた実妹だったように思う。

いまやその娘は隣でたまごっちに没頭している6歳児。

思い出しながらの記述なので事実と相違していることも多々あるだろうけどとりあえず記録として残しておきたかった。


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