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2012/06/16(土)09:55

祈りの人:癒し人 4

【物語】祈りの人:癒し人(12)

 祈りの人:癒し人 4  ~癒し~ 朝食が終わってから、作業着に着替えると、 リィは信の待っている薬草園へと走っていきました。 「ごめんなさい、遅くなってしまって」 慌てて走ってきたリィに、帽子を渡してから、ついてくるように 伝えます。 「今日は、暑いから疲れたら、すぐ言ってください」 その言葉に、こっくりうなづいて、帽子をかぶりました。 薬草園の広がる小道へと進み、木の柵を押して中に 入ると、薬草独特の香りが、リィの鼻をくすぐりました。 「これ…」 「苦手な香りですか?」 香りが合わず、その場にいられない者も多いので、 無理だったら、すぐに申し出てくれるよう頼みます。 「無理して、倒れた者もいるんですよ」 しばらくの間、体を起こすことができず、大変な想いを したようです。 「毒なの?」 薬草の中には、毒をもっているものも少なからずあります。 葉は良薬になっても、根は人体に影響をもたらすと いったように、扱いの難しいものがあることをリィは聞いた ことがありました。 「好転反応が起こるんですよ」 「好転…?」 植物に触れ、大地に触れていると、その自然のもつエネルギーに 癒されて、今まで自分が意識していなかった痛みを意識するのだそうです。 「意識されることで、さらに癒しが進みます」 ここで、痛みを無視して無理に動くと、さらに痛みを重ねることになり、 回復が遅れることになると言います。 「私もそうかしら?」 不安そうな顔をするリィに、無理をしなければいいんです、 と朗らかに笑います。 「あそこを見てください。」 信が、薬草園のそばにある大木のそばで横になっている 女性を、視線で示しました。 「具合悪いの?」 「癒しです」 まあ、次第に楽になるものなので、あまり気にしないでほしいと 作業作業内容の説明にうつりました。 つづく

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