【番外編】幸福のひと:王様とマリー 27
【番外編】幸福のひと:王様とマリー27 ~未来~ 「クリス、私はクローディアの子供に会いに行ってみようと思う」 手の平にあるロケットペンダントをじっとみつめます。 月の光にあたって、きらりと光り、この国のシンボルである 白い鳥がはばたく様子が浮かび上がります。 マリーにひっぱたかれ、王妃様の遺言を聞き、王様は少し 気持ちが楽になりました。 双子の姉弟は、現在海に出て商売を営んでいるそうです。 どの国をまわっているかは、船の名前で見当がつきます。 「それよりも、まずは島に行ってみようと思う」 娘とその婿が行き着き、暮らした島です。 そして、双子の姉弟もそこで育ちました。 どんな島なのか、とても興味がありました。 それからー 「できれば婿殿にも」 森に囲まれた屋敷で一人住んでいるのだと聞きました。 「行ってくるよ」 王妃様の墓石をじっと眺めます。 涼しげな夜風がふきぬけて、木の枝を強く揺らします。 さわやかに野の草がゆれて、ピンクの花がふわりと夜闇に 浮かび上がりました。 いってらっしゃい さわさわと野の花が揺れ、やわらかな風が優しく王様の頬をなでていきます。 王様は気持ちよさそうに目を細めて、ロケットペンダントを懐にいれました。 それから、そのまま背中を向けて、部屋の中へと入っていきました。 おわり***********************************ご愛読ありがとうございました(^^)