不思議現象 『万年筆』
仕事に行く途中で、不思議映像みました(笑) 不思議現象『万年筆』 どこかの暗い森の奥深くに、家がありました。 その家は、なんとも不思議な家でして、窓や煙突、時には壁を通って、あらゆる色の光が溢れ出していました。 光は、大きな鳥になったかと思うと、強くはばたいて黒雲の中へと消えていきます。 他にも、犬のような姿になった光が暗い森の中を駆けていきます。 色とりどりのあらゆる光が、たった一軒の家の中から、あとからあとから溢れてくるのです。 なんとも不思議な家なので、こっそり窓から覗いてみようと、桟に手をかけた途端、あら不思議。 するりと体が通りぬけてしまったのです。 勢い余って、転んでしまいました。 転がり込んだ先は、不思議な不思議な家の中。 膝をつき、両手をついていると、声が降ってきました。 『覗き見なんて、趣味が悪いんじゃないかい?』 声のする方へ、するりと顔をあげてみると、金髪に碧眼。穏やかそうな顔ではあるもののいたずらっ子のような顔つきをした男性でした。 『あなたは誰?ここで何をしているの?』 私の問いに、にんまりと笑って、木製の机の方へ向かって歩いて行きました。 机の上のそこかしこに、大きな古びた本や羊皮紙が山のように積まれていました。 驚いたことに、色とりどりの光は、その羊皮紙やら古びた本やらから、飛び出してくるのです。 男性が、万年筆を片手に持ち、さらさらと羊皮紙に文字を書きます。 私には、全く読めない古い古い字なのですが、男性が、 万年筆をすべらした先から、文字が宙に浮かんで、あらゆる色に、 光り輝くのです。 輝いた文字は、光をまとう、何がしかのかたちをとって、 家の外へと飛び出していきました。 ぼんやりと男性のことを見ていると、唐突に話し始めました。 『僕は、クラム・クレイン。文字から光を生み出す錬金術師さ。』 こちらを向いて、にこりと笑いました。 『錬金術師?私の過去世?』 『僕は暗闇が好きだ。』 私の問いには、答えずに、言葉を紡ぎます。 なんて、奇妙な人かと思ってみている私には、まったくのおかまいなしです。 『明りを灯す楽しみがあるだろう?』 それから、くるりとこちらに向いて、自分の持っていた万年筆を 私の方へと放り投げました。 『君にあげよう』 万年筆を受け取って、しげしげと眺めていると、男は笑います。 『書くのを楽しめ!』 目を見開いて、言葉もなく男をみる私に、さらに言葉を続けます。 『なぜ、楽しまない?』 『なぜ、物語が書けないんだ?』 『なぜ、書くことをためらう?』 『そもそも、君が書きたい。物語を創るのが好きだと思った原点はなんだい?』 最近、ずっと忘れていたことを聞かれて、ふと思い出した。 それは、もっともっと昔の話。スピだとか、職業にするだとか、 そんなことを知ることもない、そんなことを考えたこともない 遥か昔の幼い記憶。 それと同時に、最近書くことをためらい始めた、私に対しての 誰かさんの仕業かと思って、一つの名前を言ってみました。 目の前の男性は、困ったように笑いました。 『確かに、そうかもしれない。けれど、君の中に僕はいる。』 この風景も全部あると力強く言い切りました。 『だから、文字を光にして、力に変える力が君にはある。』 なぜ、それを信じないのかと笑う男性をみていて、 泣き出しそうになりました。 泣きそうになって、ここが電車の中だということに気づき、 降りる駅に着いたことに気がつきました。 ああ、降りなきゃ。 そう思った瞬間に、まるで、幻のように、ふわりと映像が 消えました。 タイミング、ばっちり(笑) 補足説明しますと、最近、急激に色々ありすぎて、心が追いつかなくなったんですね(苦笑)書くのもためらって、書けないぐらい、日常の日記すら書くのをためらうぐらい、落ち込んでたいうか…^^;そんな時に、みせられた場面です。少し元気がでました。元気がでたというより、原点思い出して、ホッとしたというか、自分の立ち位置を見つけた気分ですv