祠:ティータイム 16
祠:ティータイム 16 ~歓迎~ マリーは、病院の院長である橘明寛に紹介してもらい、 バラ園の美しいお屋敷でお手伝い兼、お屋敷の専任看護師として 働き始めました。 『マリー、よろしくね』 きらきらとした薄いブルーの瞳に、薄い金髪の女性は、 年を感じさせない溌剌とした笑顔を浮かべます。 この屋敷の主人は物静かな人ではありますが、 何かとマリーのことを気遣ってくれる親切な男性でした。 『奥様…』 歓迎してくれたことが嬉しくて、思わず胸の前で両手を 握り合わせます。 『あら、嫌だわ。奥様なんて』 クローディアって呼んでちょうだいと、自分よりずいぶん 年下のマリーににっこり微笑みました。 『私も、織で構わないよ』 『そ、そんなわけには…』 からかうような主人の口調に慌てるマリーの様子を、 同じように屋敷に勤めてる従業員が、にこやかに眺めていました。 そのなかには、庭師の真柴光一もいました。 新しく雇われたマリーの歓迎パーティーと称して、 広間に集まっていたのです。 クローディアと織と握手をし、従業員一人一人と挨拶を交わしている 内に、光一の前にやってきました。 『よろしくね』 『こちらこそ、よろしくお願いします』 光一の差し出された手をとって、マリーは頭を下げます。 それから二人は、とても幸せそうにみつめあったのでした。 おわり***********************************ご愛読ありがとうございました(^^)にほんブログ村 ↑応援ありがとうございます♪今日も良い一日を!Happy&Lovev