祠:檜 7
祠:檜 7 ~心友~ 「え?康人君、仏像彫ってるの?」 「声が、大きい!」 学校の裏庭の人気のない場所で、康人は健人に、 つい最近あった出来事を話していました。 二人は中学あがってから、クラスも別れ、ほとんど 話す機会がなかったのです。 それでなくても、康人は家具を造る手伝いを始め、 健人も両親と住み始めたことでお互いの生活のサイクルが変わりました。 学校にも慣れ、お互いに余裕ができたことで、 ゆっくり話すことができるようになったのです。 「そんなことなら僕も行けばよかったな~」 「お前、橘の家に招待されてたじゃん」 そうだけどーと、つまらなそうに口を尖らせる健人に思わず吹き出しました。 健人の家は橘病院と縁が深く、橘の本家でもあります。 今回、家族がそろったことで三人は橘の家から招待を受けていました。 そして、渚が鈴鹿の家に嫁入りしたことで、両親はそれぞれの家に 挨拶にまわっていたのです。 「ま、いいや」 にぱっと笑って、健人は康人の顔をのぞきこみます。 「もちろん、みせてくれるよね?」 「来る気があるならな」 健人の肩を軽く叩いて笑うと、二人で大きな声をあげて笑いました。 それから、健人も橘病院でのことや近況を報告し、 授業開始のベルが鳴るのも気付かずに話し込んでいたのでした。 おわり ************************************ご愛読ありがとうございました!ここで、お知らせがあります。こちらで、毎日物語を更新していますが、もうひとつ物語を始めることにしました。別の場所でのアップになります。URLは、明日のおひろめとなりますv気が向きましたら、そちらも楽しんでくれると嬉しいです♪にほんブログ村 ↑いつも応援ありがとうございますv今日も良い一日を!Happy&Love