祠:命 15
祠:命 15 ~デジャヴ~島の教会で式を挙げ、しばらく家族や身内とのんびり過ごした後、 ルエラとリクは豪華客船に乗って、新婚旅行に行きます。 「新婚旅行って言っても、仕事だけど」 船のロッジでルエラはすまなそうな顔をします。 リクはルエラの腰に手をまわし、抱き寄せて笑います。 「おかげで、こんな良い船に乗せてもらえた」 仕事先から結婚祝を兼ねて、豪華な船旅を用意してもらえたのです。 結局、ルエラはソロで仕事を続けることになりました。 「リクが賛成するとは思わなかった」 「なんで?」 ルエラの活動は海外にまで及びます。 普段から歌のレッスンは欠かせませんし、 普通の結婚生活が難しいからでした。 「仕事が恋人だと思ってたの」 とうの昔に、諦めていたのだと微笑むルエラに リクは笑います。 「君が歌に一筋でよかった」 「リク?」 「でなかったら、もっと早く君は…」 大きな風が吹いて、ルエラは顔を伏せました。 その瞬間、ルエラの中で閃く光のようなものがみえました。 くすりと笑うと、ルエラは瞳を煌かせてリクの顔を見上げます。 「もしそうだとしても、私とリクは必ずここにいたわ」 絶対よ、と笑うルエラの額に、リクはたまらずキスをしました。 潮風にあおられてルエラの薄い金髪がなびきます。 太陽の光が金髪にあたって輝くと、一面の金の野原が広がっているようだと、 リクは心の内で呟きました。 おわり *************************************ご愛読ありがとうございました(^^)どこにいても、いつの時代であっても、彼らは必ず出会うでしょう。そんな物語が書けてよかった。にほんブログ村 ↑いつも応援ありがとうございます♪今日も良い一日をvHappy&Love