OLD THINGS
I love everything that's old:old friends,old times,old manners,old books,old wine.--Oliver Goldsmith, English poet(1730-1774)いつのまにか、古いものに心惹かれるようになりました。もっとずっと若い頃には、新しいということに、魅力を感じていたはずなのに…。それぞれの「古いもの」にまつわる、たくさんのエピソード。数え切れない出会いや別れが、あったことでしょう。その名残が、ひっそりと息づき、独特の香りを放つ時、まぎれもなくそこに「ひと」が存在することを意識します。悠然と存在する「もの」を介し、出会ったこともない人々が、脈々と連なり、今、私という人間に至っているのだと思うと、クラッと気が遠くなりそうで…それでいて、歴史の中でほんの点にすぎない、ちっぽけな私というものが、かえって心地よくも感じるのです。朽ち果てることなく受け継がれてきたものを、支えてきたのは、やはり何らかの形の「愛」であったと思います。ものであれ、人であれ、作法であれ、大切に守り、愛する人があってこそ、確かな形で、受け継がれていくのではないでしょうか。古いものでありながら、よく手入れされ、光をまとったようにさえ見えるものもあります。守り続けた人たち(人とは限らないかもしれません)の、心の美しさを見るようで、気持が安らぎます。そんなことをしみじみ考えながら、ふと思うのは、私は本当に「ひと」が好きなんだなぁ…ということ。嘘をつかれているのかもしれない、本心じゃないかもしれない、利用されてるのかもしれない、そんなふうに考えてしまうこともあります。それでもやっぱり「ひとが好き」って言ってる自分が、なんだかアホでお人好しみたくて、少し嫌なんだけど…(苦笑)まっ、それもいいか… と今日は思えました。イエス・キリスト誕生に捧げられた、いにしえの香り、フランキンセンスなど薫らせながら、今夜は古いワインでも飲みたいものです(^^)