博多座『二月花形歌舞伎』
市川亀治郎という人は、なんて芸達者な人だろうと思ったのは、2007年の博多座『NINAGAWA十二夜』を見た時。でもその頃って、山口ファンになって数年目で、観劇の仕方なんかがわかって、ミュージカルを見るために一番飛び回ってた頃なので、歌舞伎どころではなかったのです。で、歌舞伎っていうと、やっぱり、勘三郎さんとこが何かと華々しいアピールが多いので、そっちに気を取られていた。 で、今回、母が「あの時(十二夜)、すっごくよかったから、今回行きたい。」とゴリ押しするので、つられてチケットを手配したという感じでした。『天竺徳兵衛新噺』 博多座 2月18日昼猿之助さんのスーパー歌舞伎を覚えていないほどの前に見ました。だから、あの系列だろうぐらいの心持で行ったのですが、この演目、亀治郎さん、出ずっぱり。で、もって、空を飛ぶ、何回だっけというぐらい早変わりをする。あまりの速さに、今、ここにいる役者さんはいったい誰?状態になってしまうのでした。だから、この演目一つで、徳兵衛役はもちろん、座頭になったり、幽霊になったり、女形になったりと、彼の芸を幾通りも見ることができるわけです。な~んてお得・・・なんて見てる時にはあまりのスピードに、考える暇もないのですが、こうして落ち着いてみると、よかった、と実感してしまいます。歌舞伎は、観客を飽きさせないために、見得を切ったり、大きな音を立てたりするといいますが、ほんとに、息つく暇がない。 女形と言って、私のごひいきさんは七之助君なのですが、かれは、素顔を見ていても、ちょっと華奢で、女性を彷彿ところがあると思う。でも、テレビで亀治郎さんの素顔はよく知っているのですが、その様子からは、到底、イメージはわかないんです、女性の感じは。(私の中では。)しかし!!この女形はすっごく色気がある。女の私が惚れてしまうよないい感じです。迫力と細かい芸にすっかり虜になってしまった私でした。