テーマ:稽古(629)
カテゴリ:武道・スポーツ・健康
1980年代。 既に引退して数年経っていた、キックの藤原敏男氏が、サウナスーツを着て縄跳びに 汗を流す写真が、格闘技専門誌に載っていた。 気合いの入った表情に惹かれ記事を読むと、彼が現役自体に「幻の一戦」となってしまった ベニー・ユキーデ選手との対戦が実現するかも知れず、現役復帰を決意した。との事だった。 結局、この一戦は流れてしまい、藤原敏男氏のカムバックも幻となってしまった。 現役当時、60kgあたりで闘っていた藤原氏が引退後、80kg台になってしまったことも記事に あり、20代の私には信じられず、驚いたものだ。 今となっては20kgの増量は筋肉量の多いスポーツ選手には当たり前のことと、自分の身体で 理解したが(笑) 藤原選手は、数ヵ月の準備期間で、 「とにかく体重を現役時代に戻す」 「体重さえ戻れば、動きは自然についてくる」 と記事では語っていたが、これも藤原選手ほどの技術・キャリアを持つ選手ならば当然の ことだったろう。 対戦相手のベニー・ユキーデ選手は、結局40代半ばまで現役で闘い続け、42歳頃、正道会館 からキックに参戦していた実力派の選手と米国で闘っており、この試合は幸運にもビデオで 観ることが出来たが、なかなか凄い試合で判定でユキーデが勝利している。 藤原サイド(特に師匠の黒崎健時)はユキーデを今でも酷評しているが、実際に多くの試合 を比較観戦した私からすると、この幻の一戦の結果は、現役でいた分、ユキーデに分があった ように思う。 藤原選手のファンでもあった私の記憶では、藤原選手にはムエタイ王者との闘いなど、素晴ら しい試合も多いが、逆に簡単にダウンを喫したりというポカもあったように思う。 その点、ユキーデの場合、ダウンは喫してもすぐ立ち上がる打たれ強さもあり、ライト~ ウェルターという体重以上の「攻撃の重さ」もあった。 流れるには惜しい一戦だったと、今でも思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/12/08 06:56:31 AM
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