海外旅行紀行・戯言日記

2005/02/10(木)14:20

製造業での競争力低下-物作り日本の危機

Technology(199)

バブル崩壊による経済低迷で、日本の基幹産業とされた製造業は更新投資を怠った結果、競争力が低下し、いよいよ物作り日本の危機が迫ってきたようですが、 若い次世代の力を活用することで回復して貰いたいものです。 本日の朝日新聞に“物作り、揺らぐ足元”という記事がありました。 新日鐵とブリジストンと言う大手企業で事故や火災が相次いだことをきっかけに、日本経済の屋台骨である製造業で、生産現場を見つめ直す動きが広がり始めた。大企業が競争に生き残るため必死に進めて来たリストラは、要員面では人減らし、設備面では更新を遅れさせ老朽化を招いた。 この結果、競争力の低下や生産効率の下落の呼び水になるだけで無く、安全管理が脆弱になってはいないか-。物作りの原点が問われている。 内閣府の調べでは、米国製造業の設備平均年齢が7.9年なのに対し、日本は11.6年。1990年代以降、好況の米国がほぼ横ばいだったのに較べ、日本ではじりじりと老朽化が進んだ。鉄鋼やタイヤ業界を含む素材型では13.1年、比較的好況とされる自動車などの加工型でも10.4年。新規投資が競争力を左右する半導体業界でも、米韓メーカと較べると設備年齢は高い。 古くから海外技術の導入を図り、最新鋭の設備・独自の工夫で、1960年代の自動車輸入自由化を乗り切り、1970年代から海外の市場展開で攻め続けて来た日本企業は、1980年代には“米国に学ぶものは無い”と豪語し反映し顰蹙を買う海外投資を続けたのですが、僅か20年で頓挫することになりました。 結果として、ここ数年、高卒新規採用数は極端に押さえられ、求職22万人に対し求人11万人と半分しか無くなってしまいました。大きな基幹産業の無い青森県では僅か10%しか求人が無いと報じられています。 近年、若者のフリータ生活への否定論議がされていますが、就職しようにも出来ない事情は忘れられている様です。「さあ、社会人として活躍するぞ!」とする若者に「君たちは必要ない!」と冷水をかけているのですから、その社会に対して希望も持てないと思うのです。何とか、この様な情勢を脱却して、暖かく新卒者に対する就職希望に沿う様にしなければ、今の大人世代で日本沈没です。 評論家の1人が「攻め続けて来た日本経済がバブル崩壊後、守りに転じて歪みが出てきた。しかし、日本の物作りが全て駄目になった訳では無い。今回の事故を教訓に、あらゆる企業が自らを見直す機会にして欲しい」と言っていますが、それだけでは明るい未来が全く感じられないのは残念な評論です。 「構造改革無くして成長無し」と言っている自民党総裁が近日中に再選されそうですが、不良債権処理ばかりが注目され、労働集約の基幹産業の復権に日が当たらないのはどうした事でしょう? 中小企業は貸し剥がしで存続が危ぶまれていますが、大企業でもホワイト化が激しく、職人技術の伝承が難しくなり、企業の根幹が揺らいできています。 米国流の「製造業から情報産業、マネーゲーム産業への転換」のサクセスストーリは、二番煎じで日本では上手く行かないと思っているのですが・・

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