2005/03/18(金)20:22
日本のカルロビバリ-大分県長湯温泉
日本一の炭酸泉が湧くと言われている長湯温泉、こぢんまりした湯の町は、湯布院温泉から山間を抜けて約40分で行ける大分県直入郡直入町大字長湯にあります。
重炭酸塩イオンとミネラルが豊富な長湯の湯は、慢性胃腸病や貧血等に飲泉効果があるそうで、町内5個所に飲泉所を設け大々的にその宣伝をしています。
飲泉と言えば、ドイツ・東欧によく見られる温泉の風景で、長湯温泉町はずれの一角にはドイツ風飲泉所もあります。
左に見える円柱のある踊り場には飲泉口があり、右にあるアーチの上からは温泉が常時流されています。
踊り場の天蓋には「1990Kolonado(1990年建設飲泉所)」と書かれていますので、大分県の一村一品運動でドイツ温泉各地との提携を模索した様で、レンガ壁にはチェコのカルロビバリ(ドイツ名ではカールスバード“皇帝の温泉”、ベートーベンが療養したことでも知られています)、ドイツのバーデンバーデン等各温泉地から寄せられた挨拶状がエッチング銅板パネルとして貼り付けられていました。
オフシーズンなのか地元の人がペットボトルを持って汲みに来る位で閑散としていましたのは残念です。
町中ではドイツ風飲泉カップも各種売られています。この小さなカップでも1500円もしますので一寸高いのですが(中カップで1800円、こちらは後で洒落た一輪挿になるかも知れません)、これを手に持ち右上の吸い口から温泉を飲みながら散策すれば、まるでドイツ温泉街の雰囲気となるのですが其処までする温泉客はいない様でした。
日本では湯治など入浴治療は古くからあるのでしょうが、飲泉治療は一般的では無いのです。
しかし、療養温泉地のバートクロツィンゲ ン、バートナウハイムとの提携を強め、町の一角には小さいながらドイツ温泉村も設置され、ドイツ食物物産館、簡易宿泊所もあって海外との提携は着実に進められている様でした。
平成10年には町営の御前湯がドイツ風木造建造物にリニューアルして設備整備も充実して来ていますし、飲泉治療に拘らない日本のカルロビバリとして、土産物屋等を少なくして、発展すれば良い保養地になるだろうと思われる良い温泉郷でした。