テーマ:気になる技術動向(1280)
カテゴリ:Technology
工業製品を系列的に品揃えする場合によく使われる数列で、日本工業規格(JIS Z 8601)、国際規格(ISO 3:1973)で定められています。それは英語で「Preferred Numbers」、日本語で「標準数」となっていますが、「優先数」「標準優先数列」とでも訳すれば良かったのかも知れません。
鉄板(鋼板)、電動機(モータ)等はこれに基づいて製品がストックされ、販売されていますが、例えば1mmから10mm迄の厚さの鉄板を10種類作ろうとする時、1mm間隔で作ることも一案ですが、どうも、薄い方は間隔を小さく、厚い方は間隔を広く取ったほうが便利なのです。過去の経験からこの間隔は等比数列が使いやすいことが分かっているのですが、この数列を自分勝手に作らないようにも規格で定めたものが標準数(Preferred Numbers)です。 このピッチは荒いものから細かいものまで決められており、R5というのは10までを5段階にし隣り合う数の比率が1.58となっているもので、同様にR10、R20、R40、R80が決められています。広く使われるのはR20(隣り合う数の比率=1.12)の様です。 R20標準数は下記の様になっていますので、DIYの店等の汎用製品で確かめてみて下さい。 1.00 1.12 1.25 1.40 1.60 1.80 2.00 2.24 2.50 2.80 3.15 3.55 4.00 4.50 5.00 5.60 6.30 7.10 8.00 9.00 1mmから1000mm迄の製品をストックする場合、1mm毎に製造しますと1000通りにもなってしまいますが、R20標準数を使いますと、1mmから10mm迄20、10mmから100mm迄20、100mmから1000mm迄20通りの僅か合計60通りの製品ストックで客の要望対応をほぼ満足させることが出来、大幅に棚卸資産が減少することが出来る様になります。 インターネットでは具体的な例が次の様に紹介されています。 まだ標準化がピンとこない方のために具体的事例をあげましょう。 プラモの飛行機の縮尺は国際的に決まっていて1/32、1/48、1/72、1/144、1/200です。 これはISOが決めたのでなく自然淘汰的に決まってきたデファクトスタンダードです。 縮尺率が数種類あるのは飛行機に大小があるのでやむをえません。世界で一番長いボーイング777を32分の1で作れば2m以上となってしまいますし、ゼロ戦を200分の1で作れば4.5cmになってしまいます。そこで実機のサイズに合わせて縮尺を選んでいるわけです。 同じ縮尺で作ったもの同士を並べればいろいろな風景(ジオラマ)を作れます。 ところで前に述べた縮尺率ですが一部が欠けていますが比率が1.4~1.5の等比数列が採用されていることに気がつきます。 標準数の意義がお分かりですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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