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カテゴリ:Opinion
自由資本主義では労働者は受難が進行して、経営者の熾烈な要求がまかり通っているのが現状で、社会保険加入させない非正規社員を増やして、利益追求をするばかりです。
これで、CSR(企業の社会責任:Corporate Social Responsibility)は果たせると思って、企業活動している節があります。 1960~1970年代の修正資本主義は、総評と言う労働者団体が経営者連合である経団連や日経連と団体交渉をして、賃金獲得だけではなく、労働条件改善を獲得していましたが、現在の連合はその力も無く、労働者への改善活動は見る影もありません。 それに加えて、欧米よりも労働条件が悪化してしまっている様で、運輸業界での運転手の過労防止策が後退の危機に瀕しているとの報道がありました。 勤務終了から翌朝の勤務開始迄の休息時間について、11時間の国際基準(EU規制やILO勧告)に会社側が抵抗したことから、厚労省が9時間に縮める案を提示、運転手の過労に依る事故が増える中、識者は同省の対応を疑問視している。 現在の休憩時間は1989年の告示で「最低8時間」と定められているが、ルールが甘過ぎるとの声があったのです。 厚労省は6時間睡眠が必要と判断、通勤や食事を考慮し、「最低11時間」との案を昨年10月に纏め、厚労省審議会専門委員会で経営団体や労働団体にて論議中ですが、経営者代表が「運行計画が組めない」と難色を示したことが要因だった様で、バス労組代表も受け入れる考えを示したことから、このまま決まる公算が大きいのですが、修正案では往復通勤を2時間、食事・入浴に3時間使うと、睡眠は4時間しか取れず、委員会に参加していない労組からも「睡眠不足が解消出来ない」と主張している。 運転手の過労が原因とされる事故件数は5年間で50%増えていることから、国際基準の11時間休憩とすることを、厚労省は経営団体を説得させる必要があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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その記事は新聞でも読みました。
運輸業界ばかりでない、外食などのブラックが問題視されがちな業界でも11時間という国際水準も守られていないことはもっと知られても良いですね。これは交通安全以前に労働者の健康のために必要なルールでしょう。 かつてのように工場などに大勢の労働者が継続して勤務するという形態よりも、非正規雇用やギガワーカーが増えてくると、労働者が団結して地位向上を図るというのが難しくなってきているように思います。労働組合が大企業の正規職の利益擁護団体になるのもむべなるかなです。 それだけに政策的に労働者の権利擁護を行う必要がありますし、そのためにはそうした方向の政策を唱える政党が伸びていくしかないのですけど。 (2022.02.18 01:22:29) |
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