2024/02/19(月)09:25
H3ロケットの打ち上げ成功
H2ロケットの打ち上げペイロード衛星重量の少なさと高価格によって、国際競争力が低下しましたので、打ち上げ費用の削減、静止軌道打ち上げ能力の増強、打ち上げ時の安全性の向上、年間打ち上げ可能回数の増加を同時に達成して、宇宙開発における日本の自立性確保と同時に、商業受注で国際競争力のあるロケットを実現させるべくH3ロケットを開発していましたが、H3初号機は残念ながら不成功に終わりました。
品質改良を図って1年、漸くH3の2号機が打ち上げ成功となりましたので、何とか国際競争力を保つことが出来る様になりそうです。
その成功に導いた主要因は新たなLE-9エンジン開発にあったのです。
LE-9エンジンは、これまでの日本のエンジン技術を集結すると共に、新たな技術に挑戦し、H3ロケットが目指している柔軟性・高信頼性・低価格を高いレベルで実現することを目指し、これまで日本が開発してきた液体ロケットエンジンに比べて、より大推力(H2の主エンジンLE-7の約1.4倍)を発生させるエンジンで、大推力エンジンを安価かつ信頼性高く実現するために、これまでLE-5エンジンシリーズの開発・運用で知見を得てきた「エキスパンダブリードサイクル」方式のエンジンシステムを採用しました。
エキスパンダブリードサイクルでは、推進薬である液体水素を燃焼室やノズルの冷却に使うと同時にガス化させて温度を上げ、そのガスでエンジンの駆動源となるターボポンプを動かします。 この方式は、エンジン全体のパーツ数を減らすことができ、異常な燃焼状態になりにくいなどの特長があり、高信頼性と低価格を高いレベルで両立させるエンジンサイクルです。