『親友との喧嘩』

あなたには『親友』と呼べる存在がいますか?

親友と呼んでいいのはひとりだけだろう、という
意見をよく耳にしますが、ぼくは別に何人・何十人いようが
問題ないとおもいます。あなたがその親友と呼ぶ存在に
自分をさらけだせるのならば、それだけで十分親友と呼ぶべき
存在なのだとおもうからです。

こんなぼくでも親友と呼ぶべきひとは多くいます。
実家を離れてからも何人も親友ができました。
自分はつくづく運がいい人間だとおもいます。

こんなにも素晴らしい友人に恵まれるなんて
恵まれすぎて怖いほどです。

そういったぼくに親友のHくんが言ってくれた一言が
わすれられません。

「類は友を呼ぶとはいうけど、きっと
りゅうがそれほど素晴らしい人間だから
そんな素晴らしい人たちがまわりにあつまってくるんじゃないか?」

とてもうれしい一言です。ありがとう。
ただその親友の中にそのHくんも含まれているので
自分で自分のことを素晴らしい人と自然と形容しているのに
ちょっと爆笑してしまったのはこの際内緒です。<笑

わたくし、基本的に友人に対して
「むかつく」ということが一切ありません。
断言できます。そういう考え方がないんです。
ま、本気でむかつくと友人をやめますけどね・・・<苦笑

とにかくそんなぼくですから基本的に友人と
喧嘩することなんて皆無です。
そんな雰囲気になりません。

でもそんなぼくでもかつて大きな喧嘩をしたことがあります。
しかも僕の一番の親友テルとの喧嘩です。

お互い一切触れないでいる過去なんですが
ここでだけはその思い出を書き残しておこうと想います。

ーーーーーーー

あれはぼくらが中学3年の中盤のころだっただろうか。
部活もなくなりよく友人6人ほどで騒ぎながら帰っていったのですが
そのときよくかばん持ちの遊びをしながら帰ってたんです。
じゃんけんをしてまけたやつが全員のかばんをもって
決められた位置(大体4,50メートル先)までもっていく
というやつです。

毎日そんなことしながら騒いでかえっていたのですが
ある日騒ぎになりました。

実はあまり原因が思い出せないのですが
ぼくでもテルでもないある友人が負けた際に
ちっちゃいことでぼくとテルがもめたんです。
ほんとにいまとなってはどっちが悪いのかまったくわからない
ぐらいのことなのですがそのときはお互いかなり意地になってました。

そこで口論になり、手はお互いださなかったのですが
そのままふたりちりじりになってわかれました。

関係は翌日になり直るどころか悪化しました。
顔もあわせない、目も当然あわせない。
お互いガキだったんですね。譲ることをしりません。

しかもしんどいことにお互い小学校のころから一緒にいっている
塾で一緒だったんです。みんなで仲良かったので
今思い出すとみんなしんどかったんじゃないかな?とも想います。
だれもぼくとテルの喧嘩のことには触れませんでした。
僕とテルの間にだけ空間が漂うそんなかんじでした。
時間が経つにつれお互い本来あったわだかまりもなくなってきました。
ただ時間がたったことできっかけがつかめなくなってしまったのです。

今ならぼくからきっかけをつくるんですけどね。
当時はできなかったです。
そんなこんなで受験シーズン到来。
テルは本来の受験より前にある国立高専の受験に望みました。
ぼくらの地域では2番目にレベルの高い高校よりも高い位置に
おかれておりかなり苦しい予想があったのですが
なんとテルがその予想を覆し見事合格したのです。

ぼくもかなりよろこびました、顔にはだしませんでしたが。
これはいいきっかけでした。
ここで一言
「よかったな、テル。合格おめでとう」
この一言ですべてがうまくいくのです。

しかし結局ぼくの口はその想った言葉を伝えることは
できませんでした。

そのうちに今度はぼくら他の一般学生の受験シーズンが訪れ
きっかけなどをつかむ余裕がなくなりました。

ぼくも見事志望校に受かり卒業の季節になりました。
学校でも塾でも結局彼とは会話も出来ぬまま卒業になりました。

悲しい。

これしかのこりませんでした。

卒業し、皆それぞれの道に進み始めると自然と違う高校にすすんだやつとは
会うこと自体なくなってきました。

そして当然テルとも連絡もなにもないまま
1年以上過ぎました。

そしてぼくが2年生になったある週末、
友人のMくんが電話してきました。
「おう、りゅう、あそぼーぜぇ」
「おう、いいよ、あそぼーぜ、おれも暇だしよ」
「あ、そうそうここにテルもいるんだけどよ、いっしょに行っても
いいかぁ?」
「え!?おう、もちろんだよ、あたりまえじゃん。」


Mくんはもともとテルの友人で、そのつながりでぼくとも
仲良くなったんです。しかも喧嘩のときもそこにいました。
すべてを知っている友人です。
きっかけをつくってくれたのでしょう。
今でも彼には感謝しています。

10分後、Mくんがテルをつれてやってきました。
ぼくも当然ながらテルもかなり恥ずかしがっている様子でした。

テルはめちゃめちゃぼくのうちに遊びに来ていたので
ややなつかしんでいる風でした。
ぼくもうれしくてうれしくてしょうがなかったです。
その日は結局ぎこちないながらもお互いちょこちょこしゃべりました。

それからはだんだんとお互い一緒にあそぶようになり
今では普通に遊んでいます。

しかし、お互いあの喧嘩の話をすることは一回もまだありません。
お互いきっと恥じているのでしょう。
わざわざぶりかえすような過去ではないのかもしれないですしね。

ぼくはこのテルと一切関係を絶っていた約2年の間に
友達の大切さをひしひしと感じました。
ぼくきっと「ひとりでも生きていける」といえるような
強い人間ではありません。
一人ではきっと出来ないことが多いです。
でもぼくにはこんな素敵な友人・親友がたくさんいます。
支えてくれる親友がたくさんいます。
それと同時にぼくも親友がつらいときは
自分のすべてを投げ出しても救いたいとおもっています。
ヒロイズムと笑うのならどんとわらってくれ、
それでもおれはこの道を進む。そう心でおもっています。

親友が苦しんでいるのをだまってやりすごすような
そんなオトコにだけは死んでもなりたくはないです。

あなたにはそんな風に思える親友がひとりでもいますか?

いると思えるあなたは間違いなく「幸せな人」なんだと
ぼくはそう想いますよ。;)


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