その壱

あれは僕がまだういういしい高校2年生のとき。


それはどこの学校にもかならずある
文化祭の時の出来事です。


最終日には毎年恒例のファイアーストームを行い
その周りでダンスをやって大騒ぎをするのが
我が高校の伝統なのですが
一年の時に踊り狂って騒ぎまわったので
今回は違うことをしよう、と思い友人数人と
ファイアーストームの行われている校庭を外れた
正面玄関で行われていたカキ氷売り(製造込み)をしていました。
ちゃんとしたカキ氷専用の氷とカキ氷削り機を使う本格的なものです。

校庭ではもう皆が狂ったようにおどっています。
そして休憩の時間になるとほぼ全員がのどの癒しを求めて
カキ氷を買いにやってきます。

その当時から結構なんでもかんでも無茶をやっていた
ぼくらはテンションも高いせいか
なんと女子生徒だけ半額で勝手に売っていました
まぁ、進学校のくせに自由主義な校風でしたんで誰も文句いいません。
しかもその売り方が
「あ、あなたかわいいから半額でいいよ~♪」と買いに来た女子生徒
全員に言って勝手に半額にして売却。
男子生徒は何も文句言わないのでいいやーってなもんです。
まぁ、全員に言うんで女の子のほうも「あ、べつにナンパじゃないのね」と
理解してくれるんで皆さん「ありがとうございます~」と
素敵な笑顔をなげかけてくれたので楽しく売りまくってました。
まぁそこで勘違いしてくれてぼくにFALL IN LOVEしてくれる人がいてくれても一向にかまわなかったんだけどね

ところがそのとき、わたくし重大なミスをしてしまったのです。

なんと数ある女生徒のなかで唯一ひとりの子だけ定価価格でうってしまったのです。
しかも「かわいいから~」のせりふも言わずに!
別にかわいくないから、というわけではないんです。ほんとにきづかなかったんです!
しかし、当の本人にとっては
これ以上の屈辱があるでしょうか??
今でもぼくはあのときの彼女の代金を払う瞬間の
ぼくをにらむ視線がわすれられません(涙
そのときはすでに時遅しでした。。。

懺悔

ごめんなさい。すいませんでした。
あなたはだれよりも素敵でしたよ。(たぶんね)


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