平成2年10月例会
今月の兼題は「律の調べ」だった兼題を出されたのは寂如さんであるどんな意味だ? 季語か?と大変な騒ぎであった歳時記ではりちのしらべ三秋 律の風律は呂(りょ)とともに琴などの調子。秋らしい趣きのこと。「律の風」は秋らしい感じの風。とある浅田家の家族のあかし秋日和 沙夢父、母、兄、自分の4人家族を被写体に、“家族がなりたかったもの”“家族でやってみたいこと"をテーマに様々なシチュエーションでコスプレして撮影、ユニークな《家族写真》を世に送り出した写真家・浅田政志。普通の家族が、消防士、バンドマン、 レーサー、極道、ラーメン屋……等々、全力でなりきった姿を収めた写真集「浅田家」は、思わず笑みがこぼれる仲睦まじい家族の光景として好評を博し、写真界の芥川賞ともいわれる第34回木村伊兵衛写真賞 (2008年度)を受賞しました。本作は、この「浅田家」と、東日本大震災の津波で泥だらけになった写真を洗浄し元の持ち主に返すポランティア活動に参加した浅田政志が、作業に励む人々を約2年間にわたって撮影した「アルバムのチカラ」の2冊の写真集を原案に、『湯を沸かすほどの熱い愛』 (16) で、第41回報知映画賞作品賞、第40回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞ほか、その年の映画賞を総なめにした中野量太監督が、実話に基づき独自の目線で紡いだオリジナルストーリー作品です。写真家・浅田政志を主人公に、彼の人生と彼を支えた家族をユーモアたっぷりに温力‘く描き、なぜ彼が“家族"というあまりにも身近な存在を被写体として選んだのか、そして撮り続けるのか。一人の写真家の人生を通して《家族の絆》《写真が持つチカラ》を色濃く映し出します。という映画で三重県津市が舞台ですこの写真家はかつて沙夢さんの近所に住んでいて沙夢さん一家とも顔なじみだそうです顔の広い沙夢さんならではの俳句です御柱律の調べの中にたつ 碧雲間去留さんが瑞牆山に登られたという情報がラインとフェスブックから得られたので今回提出する5句は間去留さんになり切った そのうちの一句である 諏訪神社の御柱祭は有名であるがこの御柱が各神社(上社本宮・前宮・下社秋宮・春宮)に4本ずつ建てられている それを詠んだものであるひぐれ待つ律の調べか路地の風 寂如自分で出された兼題だけあっていい出来であるやはり秋といえば風か夕方であるこの句は日暮れを待っているのであるが私が出そうとした句は「ゆふぐれの律の調べの中にをり」という句である。私の句は中にいるのであるが寂如さんの句は日暮れを待っているのである。この句を特選にもらった秋日傘背負いてあやす夢を見る 久庵お孫さんが多い女性である秋日傘をさしながらお孫さんあやしている姿を夢に見たのかそのようになりたいという夢をお持ちなのかどちらにしても微笑ましい句である三味の糸律の調べに絞りけり 酔桜酔桜さんはかつて三味線も習われたのであろうか趣味の広い人である今は古文書の解読に力を入れて見える武士の先祖を持つ人らしい趣味であるこちらは口三味線ばかりであるので糸の絞り方は知らないがその絞り方の一場面をよく詠みまれているそつと放すサイドミラーの蝗かな 間去留瑞牆山の登山も諏訪神社の吟行句も提出がなかった自分の句だとわかるからだろうかわたしはそれを防ぐために5句とも間去留さんになりすましたのだが吟行句の場合わたしは現地では作れない写真に撮ってきて後で作るか断片的に単語を句帳に書いてくるだけだ掲句は即物的な句だからその場で出てきたものだろうそつと放すの措辞がいい