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2025年12月15日
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カテゴリ:学校・教育


みなさん、みなさんは本当の幸せって何だと思いますか。実は、幸せが私たちの一番身近にある事を病気になったおかげで知ることができました。それは、地位でも、名誉でも、お金でもなく「今、生きている」という事なんです。

 私は小学6年生の時に骨肉腫という骨のガンが発見され約一年半に及ぶ闘病生活を送りました。この時医者に、病気に負ければ命がないと言われ、右足も太ももから切断しなければならないと厳しい宣告を受けました。初めは、とてもショックでしたが、必ず勝ってみせると決意し希望だけを胸に真っ向から病気と闘って来ました。その結果、病気に打ち勝ち右足も手術はしましたが残す事ができたのです。

 しかし、この闘病生活の間に一緒に病気と闘ってきた15人の大切な仲間が次から次に亡くなっていきました。小さな赤ちゃんから、おじちゃんおばちゃんまで年齢も病気も様々です。厳しい治療とあらゆる検査の連続で心も体もボロボロになりながら、私達は生き続ける為に必死に闘ってきました。しかし、あまりにも現実は厳しくみんな一瞬にして亡くなっていかれ生き続ける事がこれほど困難で、これ程偉大なものかという事を思い知らされました。みんないつの日か、元気になっている自分を思い描きながらどんなに苦しくても目標に向かって明るく元気にがんばっていました。それなのに生き続ける事が出来なくて、どれ程悔しかった事でしょう。私がはっきり感じたのは、病気と闘っている人たちが誰よりも一番輝いていたという事です。そして健康な体で学校に通ったり、家族や友達とあたり前の様に毎日を過ごせるという事が、どれほど幸せな事かという事です。例え、どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり、苦しんだりしたとしても命さえあれば必ず前に進んで行けるんです。生きたくても生きられなかったたくさんの仲間が命をかけて教えてくれた大切なメッセージを、世界中の人々に伝えて行く事が私の使命だと思っています。

 今の世の中、人と人が殺し合う戦争や、平気で人の命を奪う事件、そしていじめを苦にした自殺等、悲しいニュースを見る度に怒りの気持ちでいっぱいになります。一体どれだけの人がそれらのニュースに対して真剣に向き合っているのでしょうか。私の大好きな詩人の言葉の中に『今の社会のほとんどの問題で悪に対して「自分には関係ない」と言う人が多くなっている。自分の身にふりかからない限り見て見ぬふりをする。それが実は、悪を応援する事になる。私には関係ないというのは楽かもしれないが、一番人間をダメにさせていく。自分の人間らしさが削られどんどん消えていってしまう。それを自覚しないと悪を平気で許す無気力な人間になってしまう。』と書いてありました。本当にその通りだと思います。どんなに小さな悪に対しても、決して許してはいけないのです。そこから悪がエスカレートしていくのです。今の現実がそれです。を軽く考えている人達に、病気と闘っている人達の姿を見てもらいたいです。そしてどれだけ命が尊いかという事を知ってもらいたいです。

 みなさん、私達人間はいつどうなるかなんて誰にも分からないんです。だからこそ、一日一日がとても大切なんです。病気になったおかげで生きていく上で一番大切な事を知る事が出来ました。今では心から病気に感謝しています。私は自分の使命を果たす為、亡くなったみんなの分まで精一杯生きていきます。みなさんも、今生きている事に感謝して悔いのない人生を送って下さい。(原文のまま)



この作文は、2004年に大牟田市(福岡県)で行われた弁論大会での、当時中学2年生だった猿渡瞳(さるわたりひとみ)さんが発表したものです。猿渡さんは、小学校6年生で骨肉腫というガンに侵され、余命半年と宣言されながら驚異的な精神力と前向きな治療によって13歳まで命をつなぎましたが、この弁論大会ののちに亡くなったそうです。実はこの作文は、道徳の教科書にも載り、全国の学校で教材として使われているのです。そしてつい先日、我が大学院の学院生がこれを資料に道徳の授業を行ったのでした。残念ながら私は、その授業を見ていません。
どのような展開だったのか・・・気になるところですが・・・。









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最終更新日  2025年12月15日 05時00分05秒
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