私設黒ネコ同盟横浜・港北支部

神奈川においては強いんだがなかなか甲子園に出られない学校がいくつか
あります。公立校の桜丘、百合丘、厚木西、厚木北などといった学校は
他の地区だったら甲子園に出られるだけの実力を持った学校です。
そして、神奈川にも今まで比較的安定強さを見せてはいるのだけれども
なかなか夏を勝ちきれない、そんな学校があります。
鎌倉学園。鎌倉の宗学林を母体に設立された中高一貫の男子校で、偏差値は
６０台の進学校です。
勉強のみならず野球も優秀、春は過去２回出場しています。６２年初出場、
初戦の豊浦（大分）を延長１１回の末破ると続く県岐阜商業にも勝ち、
準々決勝で日大三に敗れたもののベスト８という成績を残しました。
この時の主力がのちに西鉄（現西武）や阪神で活躍し、「死球王」の異名を
とった竹之内雅史です。
６９年に２度目の出場、しかし初戦で淡口憲治（現巨人打撃コーチ）のいた
三田学園に敗れています。
夏は過去５回決勝戦に駒を進めています、しかしその５回に全て負けて
いるのです。そのスコアを書いてみると

５５年　鎌倉学園０－１法政二
６２年　鎌倉学園３－８慶応
６４年　鎌倉学園３－５武相
６８年　鎌倉学園０－６武相
８８年　鎌倉学園１－９法政二

こんな形です。この学校が不運なのは５５年は法政二、６４年は武相の初出場
を見送り、６２年の慶応、６８年の武相、８８年の法政二は各校の最後の出場
となっているということです（慶応は今年の選抜には出てますが）。
鎌倉学園にしてみれば「何もこんなときに当たらなくても」という気持ちで
しょう。
この学校の実力を示すデータがもう一つありまして、それは神奈川大会が
独立した（かつては千葉などと２～３県で一つの代表枠しかなかった）４８年
以降、夏の県大会のベスト８進出回数は実に２３回。これは東海大相模と
並んで５番目の数字です（１位は横浜の３７回、以下横浜商業、法政二、武相
の順となっている）。
５０数年で２３回というのは結構な数字だと思います。
さらにプロで活躍している選手として、若田部（ダイエー→横浜）や
長田（西武）といった選手もいます。また去年もベスト８に進出しています。
これだけの力がありながら、夏の頂点に立ったことは一度もないのです。
こんな風に神奈川には全国的には未知の強豪がいる、ということなのです。

さてこの鎌倉学園は男子校とあって「硬派」な応援団が県内では有名です。
（学校自体が硬派な感じだそうです）確かにスキンヘッドやポマードで固めた
髪形の応援団はそれだけで気合いを感じることが出来ます。
その応援団には「根性汁」という伝統の飲み物があって、水に酢とレモンの
絞り汁を大量に入れて氷で冷やしたものをバケツ一杯に作って、それを１年生
の団員が試合前に一気に飲み干すそうです。
何か文章書いてるだけで口の中が酸っぱくなってきます。まさに「根性」です。
最後にユニフォームを紹介しておきましょう。早い話、横浜商の青いユニを
白くして、胸の「Y」の文字を「K」にしたという感じです。今年こそはこの
ユニフォームが甲子園で勇躍する姿が見られるのでしょうか？
今年は第二シード、初戦の相手は新羽と菅の勝者です。