最適脳 6つの脳内物質で人生を変える(感想)
すぐ落ち込んだりストレスだらけだったり、人前が苦手だったり空回りしたり人は少なくありません。 ”最適脳 6つの脳内物質で人生を変える”(2024年4月 新潮社刊 デヴィッド・JP・フィリップス著/久山葉子訳)を読みました。 人間の気分や幸福感を左右するのは、ホルモンや脳内伝達物質です。 薬に頼ることなく自分で物質を増やしたり減らしたりすれば、自分を最適化できるといいます。 自己肯定感が低めだと、自己啓発書を読んでもあれこれ試してもあと一歩なりたい自分になれません。 いつもネガティブで自分はダメと思っている人は、本当になりたかった自分になるためにどうしたらよいのでしょうか。 それは、脳内化学物質のバランスが崩れているからかもしれないのです。 人間の気分や幸福感を左右するのは、ホルモンや脳内伝達物質です。 脳内化学物質で重要のは、ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、コルチゾール、テストステロンとエンドルフィンです。 この6つの組み合わせを自分で決められたら、大きな改善につなげられるといいます。 著者のデヴィッド・JP・フィリップスさんは1976年スウェーデン生まれ、父親は英国人で母親はスウェーデン人です。 18歳のときマイクロソフトのサポート技術者になり、20歳のときにIT企業を立ち上げました。 しかし、ある日突然パートナーが会社の全財産を持ち逃げし、創業の夢は終わりを告げたそうです。 これがきっかけでヘッドハンティングされ、自分の技術スキルをグループに教えることになりました。 26歳のときこの仕事を終え、ロンドンでeラーニングのディレクターになり、数年間その部門を率いました。 その後スウェーデンに戻り、今度は自分のトレーニング会社を立ち上げました。 そこで、観察し、分析し、応用し、文書化した内容に基づいた4ステップ・メソッドを開発しました。 この原則に基づき、プレゼンター・マスタリーコースを構築して普及に努めました。 このコースは進化を遂げて、グーグル、マイクロソフト、オラクルなどの一流企業で採用されました。 しかし39歳の頃、自分が大人になってからずっとうつ病だったことに気づいたということです。 この問題に4ステップ・メソッドを適用し、12ヶ月以内に自分のうつ病を効率的に解決できたそうです。 その過程で、自分自身の心と内的コミュニケーションをマスターする鍵を見つけることができました。 そこで、”WOW Life Mastery"という新しいトレーニング・プログラムを作りました。きました。 2、3年の間に何千人もの人々が受講し、その後このテーマでハイ・オン・ライフという本を書きました。 この本はたちまちヒットし、現在30カ国語に翻訳されているそうです。 動画再生回数は1億を超え、受講者数千人のコミュニケーションの世界的専門家となっています。 久山葉子さんは1975年兵庫県生まれ、神戸女学院大学文学部を卒業しました。 高校時代に1年間、交換留学プログラム(AFS)でスウェーデンに留学したことがあるといいます。 東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住しました。 現地の高校で、日本語を12年間教えました。 翻訳家・エッセイイストとして、多数の著書があります。 「自己啓発書を何冊読んでもあれこれ試しても、あと一歩なりたい自分になれていない感じがする。いつもネガティブな気分で、自分はダメだと思っている。」 本書は、このような人達が本当になりたかった自分になるための本です。 人間の気分や幸福感を左右するのは、ホルモンや脳内伝達物質なのです。 いわば、自分の脳を最適化するために必要な化学工場を自分の中につくってしまえばいいのです。 いつどのように物質を利用するかを学べば、自分で物質を増やしたり減らしたりできるのです。 あなたの人生を変える6つの物質とは、ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、コルチゾール、エンドルフィン、テストステロンです。 これらは、天使のカクテルや悪魔のカクテルをつくる原料です。 ドーパミン(dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体です。 運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わっています。 オキシトシン(Oxytocin)は、視床下部の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンです。 末梢組織で働くホルモンとしての作用と、中枢神経での神経伝達物質としての作用があります。 セロトニン(serotonin)は、必須アミノ酸トリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質の一つです。 ドーパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させ、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与します。 コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種です。 炭水化物、脂肪、タンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンです。 エンドルフィン(endorphin)は、脳内で機能する神経伝達物質のひとつです。 脳内の報酬系に多く分布し内在性鎮痛系にかかわり、多幸感をもたらすと考えられています。 テストステロン(Testosterone)は、ステロイドホルモンであり男性における主要な性ホルモンです。 男性生殖組織の発達に重要な役割を果たし、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進します。 脳内物質自体は何百種類も存在するのに、なぜ6種類に限定したのでしょうか。 それは、効果をすぐに感じられる、望んだ時に自分でつくれる、簡単で実際的な方法によってつくれることによります。 その他の脳内物質を採用しなかったのは、望んだ時にはっきりした精神的効果を得られないからだといいます。 ドーパミンとノルアドレナリンをみなぎらせて、やる気を最高潮に出したい? オキシトシンに満たされて、誰かとじっくり時間を過ごしたい? セロトニンのおかげで、心穏やかでいたい? エンドルフィンで幸福感を感じ、テストステロンが与えてくれる自信を持ちたい? 天使のカクテルとは、自分が必要な時に必要な気分をつくれるようにできる組み合わせです。 これに対して、悪魔のカクテルとは慢性的なうつにつながる組み合わせです。 強いストレスを長いこと受けて、心配と落胆と愚痴ばかりです。 ポジティブな感情が乏しく、人生が灰色に見えます。 来る日も来る日も同じことの繰り返しで、閉じ込められたように現実味がありません。 大きな喜びを感じることなく、人生が進んでいきます。 悪魔のカクテルを飲んでしまうことはこれまで習ってきませんでした。 社会では成功をお金で測るから、つい周りの人の真似をしてしまうからです。 うつから脱するには、自分の感情がどこから生まれ、生理学的、神経学的にどうなっているかという知識を得ることが大切です。 自らの感情をコントロールして、暮らしやすい日々を手に入れましょう。 天使のカクテルの効果は一時的ですので、ここぞというときに活用すべきです。 なお、この文章は科学的にあるいは学問的に深く追究したい人のためのものではないといいます。 専門的な内容を簡略化した、ポピュラーサイエンスの文章であることに留意が必要です。第1部 “天使のカクテル”のつくり方(“天使のカクテル”と“悪魔のカクテル”;ドーパミン―生きる原動力を得、人生を満喫するには;オキシトシン―人との連帯感と人間らしさを感じるには;セロトニン―自分の社会的地位に安心し、満足感を得るには;コルチゾール―集中力を保ち、緊張やパニックから脱出するには;エンドルフィン―高揚感を得て笑顔で過ごすには;テストステロン―自信をゲット、勝利を手にするには;“天使のカクテル”のベース素材;24時間営業、“天使のカクテル”のバー;“悪魔のカクテル”のつくり方)第2部 自分の未来をつくる(一生“天使のカクテル”をつくり続けるために) [http://lifestyle.blogmura.com/comfortlife/ranking.html" target="_blank にほんブログ村 心地よい暮らし]最適脳 6つの脳内物質で人生を変える (新潮新書) [ デヴィッド・ジェイピー・フィリップス ]医者が教える疲れない人の脳 3つの脳内物質を増やせばいい (知的生きかた文庫) [ 有田 秀穂 ]