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キタさんのつれづれ日記

キタさんのつれづれ日記

2004/8/23 第5号

こんにちわ、かなりご無沙汰しました、木村賢二です。
13ヶ月目、1年と1ヶ月でやっとこさパラグアイ通信第5号を発行します。

8月でとても暑いさなかだと思います。
連日35度を越えるときもあったとか。
最近の日本の夏の暑さはかなりのものなので、皆様休めれるときは休んで体調維持にお勤め下さい。
ちょっと前のパラグアイの首都アスンシオンでのスーパーの火事をニュースなどでご覧になった方も多いでしょうが、
不幸中の幸いといいますか、協力隊員やJICA関係者には被害者はいませんでした。
ひょっとすると心配されていた方もいるかもしれませんので、
ここでお伝えしておきます。

しかしまさか世界的なニュースになっていたとは思わなかった。
確か死傷者800人以上?でしたか、とてもスーパーの火事とは思えない被害者数です。
皆さんすでにその原因をご存知でしょうが、
火事が起こったときにスーパー側がお客を退避させずに盗難防止のためドアを締め切ってしまったとか。
また、煙突などの日常点検が行われておらず、
可燃性の汚れやゴミがたまってそれに引火したとか。

いずれもパラグアイの現状をよく表しているように思えます。
まず安全と言うか危機管理の意識が低いこと、
非常事態時のマニュアルが無いこと、
掃除などの日常管理の不徹底、
お客よりも商品を重要と考える商売上の意識の低さ、
などなどいくらでも書けてしまいますが、見た目は現代的でも中身がまだまだ、
というのがパラグアイ社会であり経済なのだと思います。

月日が流れるのは早い物で、いつのまにやら一年経過。
協力隊員は一年経過時に中間報告会というものが催されます。
一年間経過した時点で、各自の活動を振り返ること、
各自の配属先にボランティアの活動を再確認してもらうこと、
任国での関係機関にボランティアの活動と存在意義を知ってもらう、などなど色々と理由はありますが、
要するに任国の公用語で各自の活動を発表するという報告会を行いました。

この公用語での発表と言うのがくせもの。
ていうかまだまだスペイン語がうまく話せない私にとってかなり辛かった。
発表するのは別にしんどくない、だって書いた文章読むだけでいいから。
問題は質疑応答。
あがり性なものだから、8月6日の当日やっぱりあがってしまい、
質問された内容がさっぱり理解できませんでした。
この中間報告会には配属先の上司やカウンターパートを呼ぶように薦められていて、
質疑応答に関して期待せずに呼んだ配属先の市長と市会議員(ていうかホームステイ先のママ)がここで大活躍。
何の打ち合わせもしていないのに、私の代わりに質問にすらすらと答えてくれました。
私のスペイン語力のなさと、パラグアイ人の本番の強さに驚いた一日でした。

話は変わりまして、前に第4号を書いたのが3月。
そのころは秋の始まりで、少しずつ涼しくなっていく時期でしたから、今は冬。
とはいえ最高気温が30度いく日が大抵の、日本の夏の始まりのような気候が大半です。
その大半じゃない日がかなり寒くてつらい。つらいというかただ寒い。
パラグアイは家が夏用に作られているので、暑いときは結構すごし易いけど、
本当に寒いときは芯から冷える感じがします。
気温的にはそんなに寒くない。
日本のように夜零下になることは無く、3~5度まで下がるときもあるけど、これは多分1年に10日も無いでしょう。
10度前後は結構続く。日本の冬より暖かいけど、なぜか寒さが身にしみる。
おそらく体の気温に反応するセンサーが、暑いほうに傾いているのでしょう。
だから寒さに敏感になり、暑さに強くなったと思います。

今年の6月には念願のバイクをJICA事務所から借りることが出来て、活動範囲がうんと広がりました。
しかし道が悪いので、結構危険な目にあうこともしばしば。
ヘルメットは本当に大事です。日本でも当然大事です。
協力隊員でバイク貸与の可能性アリな人は小型バイクの免許を取るように命令されます。
で大抵の人は中型バイクの免許をとるんですが、私はお金の問題や日本帰ってから乗らないだろうという考えで、小型のみ取得しました。
そしたら他のバイク隊員に、もったいない、とか言われてしまいました。
普通は中型免許を取ってくるそうです。

 まあそれは別にいいのですが、ここの免許の取り方は本当に適当。
お金さえ払えば免許取得できる。
どこかの認可がいるとか、何かの証明が要るということなどなく、お金のみ。
これじゃあ交通マナーがどうとか通じないだろうなあ。
でもある意味、日本の自動車学校へ高いお金払って講習受けるのもばかばかしく思えました。
だってたとえばこっちパラグアイで免許とって日本で書き換えればそれで日本で普通に乗れるらしいんですね。
でもまあ安全のためには講習受けるほうがいいでしょうけど。

仕事以外の生活に関しては、引きこもりと、家族と話す、ときどき外に出てみて町を歩いたり、仕事仲間の家にときどき行く、くらいでかなり非活動的です。
もともとの私の性質がこんな感じだから、「あらら、元に戻ったな」と感じつつ、「まあ、これはこれでいいだろう」とも思い直してます。

外国人として外国に住むっていうのは孤独との付き合いでしょう。
家族は私によくしてくれますし、仕事仲間も気の良い人たちです。
でもそうじゃないところで孤独を感じる。
きっとこれは否定すべきものでもなく、また悪いことでもなく、ただ普通に受け入れないといけないものなのでしょう。
人によってその孤独の感じ方は違うでしょうが、私は「私は日本人なんだ」と言う事実を理屈じゃなく、異国でその孤独を通して感じました。
以前鳥取にて外国の方と付き合いがありましたが、彼らも同じ物を感じていたのかもしれません。

とかいいつつ、最近になって、日本の情報が全然はいってこないこととパラグアイでの生活が1年過ぎて、自分の中の常識がかなりパラグアイに傾いていることに気がつきました。
だから「これがおかしい、あれはおかしい」と思うことがあまりなくなり、他人から言われて気がつくこともしばしばあります。
これこそ浦島太郎状態なんでしょう。
この浦島太郎が日本に戻るときには、日本はどうなっているんだろうか、という不安が時々頭をよぎります。
赴任一年が過ぎ中間報告も終わると、結構な数のパラグアイ協力隊員が帰国モードに入ります。

これは帰国に向けての準備をしたり、旅行してみたりする状態のことを表しているのですが、
当然私も帰国モードに入りました。
私の場合はスペイン語をもう一度初歩から勉強することから始めています。
目標をスペイン語検定3級に定めて、まずは単語を覚えることから始めました。
今更何をといわれそうですが、語学のセンスの無い私はもう一度基礎からやらなきゃいけないようです。
3級無理なら4級に変更しますけどね。

帰国後プー太郎確実な私がちょっとでも就職を有利にしようと考えると、確実に取れそうな資格を取ることが近道ではないかと思い、そうしてみました。
しかしここまで初歩的な単語を知らなかったのか!!と思い知らされることがしばしば。
新たに単語を覚えられて嬉しいときもあれば、知らない単語の多さに悲しくなるときもあります。
ていうか悲しくなるときのほうが多い。

仕事はうまくいっていないけど、家族や生活は割合好きなのでこのまま過ごせれそうだし、できたら5ヶ月くらい任期延長してみたいなあ、とも考えている今日この頃です。
以前はつらいと思っていたパラグアイの生活も、今は別に嫌じゃない、普通になってきて、特別幸せとも思わないけど、不幸せでもないからこれはこれで良いと思ってます。

さて今回、ある友人からパラグアイの物価を知りたい、という要望がありました。
パラグアイ全土の経済情報を知っているわけではなく、自分の任地と首都、あとは人から聞いただけの情報でパラグアイの物価について以下に記しますので、絶対に正しいとは思わないし、間違っている点も多々あると思いますので、正確な情報を知りたい人とはパラグアイに関するホームページや旅行本などでご自身で情報を確かめてください。

パラグアイの通貨はグアラニー(Gsと表記される)で、8月では1ドル=5,850グアラニーくらいでした。
だいたい6,000グアラニーと考えると、1円=50~53グアラニーくらいになります。

食べ物は格段に安い。ていうか日本が高すぎるのでしょう。
パラグアイ人が軽食でよく食べるエンパナーダ(大きい揚げ餃子)1個 500~1,000Gsつまり10~20円。
その他の軽食も似たような値段。高くても2,000Gs、40円。油たっぷりなので3つも食べたらお腹一杯。
つまり60円くらいで満腹になれます。コロッケ一個より安いかも。

飲み物も安い。1?ャの炭酸飲料が3,000~4,000Gs、60~80円で買えちゃう。
ビール1?ャ 5,000~6,000Gs=100~200円。日本じゃ350ml缶で250円ですからね。
結構有名なパラグアイ料理店の一品の料金は20000Gs、400円が平均くらいかな。
もうちょっと高いかも知れませんが。
それに比べると日本料理や中華料理はちょっと高く、協力隊の仲間と飲んで食べて払うのは50,000~60,000Gs、それでも1,000~1,200円くらいか。
日本だったら食堂のちょっとした定食(当然ビール無し)より安いかも。

安宿の宿泊料は25,000Gs、こぎれいなホテルだと40,000~60,000Gsくらいですね。
でもホテル料金はいくらでも上はありますので、ここで述べるのは日本でいう安い民宿レベルと考えてください。

日本だと食べ物が高く電気製品が安いという状況ですが、こっちは逆。というかそれが普通のように思う。
電気製品に関しては日本と値段はそう変わりません。
例えばデジタルカメラ、日本で20万円くらいするものが1,000ドルで買えたりしますが、12万円くらいと考えると、安いけどそこまで安い物じゃないでしょう。
ちょっと安いとは思いますが、やっぱり高いことは高い。
パソコンも大体3,000,000Gs前後=65,000円前後だと思います。日本とそう変わりません。
ちなみにパソコンの大半はデスクトップです。ノートパソコンはまだあまり流行っていません。
携帯は都市部で大流行。みんな持っています。
でも田舎は持っている人が少ないです。
ていうかアンテナが幹線道路沿いしか通ってなく、ちょっと奥に入るとアンテナが必要だったりまったく使えなかったりするからです。
その携帯の値段は100,000~500,000Gs=2,000~10,000円。そんなに変わらない。
車もトヨタのそこそこの物が5,000~10,000ドル=60~120万円、あんまり額が大きくなるとドル表記になります。

服は安いです。そこそこのジーパンが50,000~80,000Gs=1,000~1,600円。Tシャツは20,000~40,000Gs。ジャンバーはジーパンとそう変わらず。
でもなんでも当然上には上があり、革ジャンは350,000Gs以上、7000円くらい。あ、結構安いかも...。

物価はなんとなくわかってもらえたことと思いますが、一日の賃金が15,000Gsくらいではっきり言ってかなり安いです。
これだと、普通の人たちは車なんてかなり遠い話でしょう。
パラグアイも他の途上国と同じで、
富める者はますます富み、貧しき物はますます貧しくなるという悪循環に陥っています。

まとまりの無い話になってしまいましたが、
日本じゃ全然知名度の無い南米パラグアイのことを、皆さんが知って身近に感じてくれれば私はうれしいです。
何か訂正箇所などがあればいつでもご連絡ください。
長々と私の話にお付き合いくださいまして有難う御座いました。
皆様も健康にお気をつけてお過ごしください。
それでは失礼しました。


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