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日常・・・

日常・・・

見捨てられた者 (第2/3/4節)

第2節「それがレッドだ」

コルサントにたどり着いたコールドとスコット。
船を郊外の発着所に停める。
「夜か・・・」
「どうする。今日は船で泊まるか?」
スコットが提案するがコールドは断る。
「いや。目的のレッドの隠れ家の近くに行こう。えっと・・・あっちのほう・・・。都心部から離れるが、そこへいこう」
コールドの提案で二人はレッド・サムの隠れ家の近くに行くことにした。
――――タトゥイーン――――
「プハー。マスター、いい酒だね~。なんて酒だ?」
「ナブー産の芋が原料だ」
「芋が原料って珍しいな。気に入ったぞ」
ロブの隠れ家、バーのカウンターでマスターと常連の、賞金稼ぎのケビン・カブレラが会話をしている。
他には奥のボックス席に賞金稼ぎが一人で飲んでいる。それしか居ない。大抵はこんなものだ。
「それよりマスター。コールドの奴がレッド・サムを相手にするって本当か?」
「さぁ、わしにも詳しいことは分からん。何しろ今日はロブが出てこないのだからな」
「いつもは夕暮れ前には出て来るのにな。俺の任務も後回しさ」
ケビンが愚痴をこぼす。
「あぁ、話題を戻すがレッドの奴、かなりやばいんだろ?」
「そうだ。前にもレッド・サムを殺りにいくといって出かけた奴がいたが、戻ってきたものは二人。しかも二人とも重傷だった」
マスターが体験談を話す。
「情報によると隠れ家を転々としているが、必ず十数名のガードはつれて歩くそうだからな」
ケビンはそれを聴くなり不信の目を向ける。
「何でそんな奴がポリスに逮捕されたりしないんだ?コルサントも人が多いのに」
ケビンが問うが、マスターはあっさりと返す。
「もちろん何度かは警察に通報されたらしい。だが、ガードに邪魔されたり、逃げられたり・・・。コルサントは人が多いから、その対策としてコルサントにいったんだろうな」
マスターは語る。だてに40年、ロブの隠れ家のマスターをしているわけではない。
「俺、帰るわ。明日来るから。マスター。酒、仕入れておいてくれ」
ケビンはそう言うとバーから出て行った。
そして地上に出る際の梯子を上りながら考えていた。
―ったく、ロブの考えることは、よく分からないぜ―

第3節「あれがレッドだ」

コールドたちはコルサントの郊外へとたどり着いた。
情報が正しければ、レッドの住処はこの周辺のはずである。
周辺のホテルで部屋を借りて、住む事にした。
「少し汚いな」
「仕方ないさ。それにここには長居しない」
スコットは返答しながら、窓の外へ目を走らせる。
「ここは人通りが少ない。情報通りのガードの数だと目立つ。恐らく、一人、もしくは数人で行動をとっているはずだ」
人は路地に数人歩いているだけで他には見当たらない。
ここは見捨てられた都市なんだろう。
その時、近くのホテルから数人の男が出てきた。
「怪しいぜ、コールド」
スコットはすぐコールドを呼ぶ。
「本当だな。ここにある写真と顔を照らしあわす・・・」
コールドはホログラム投影式の写真と遠くに見える数人の男を頑張って照らし合わせる。
すると合った人物がいた。
「スコット。一番奥の奴。あの、目立つローブを着て周りをきょろきょろしている奴。情報の顔とピッタリ」
スコットも顔を確認する。
「そのようだ。真ん中の地味な奴をレッドと見立てて罠を仕掛けている。本人はガードのふりって事か」
「そういうことだ」
コールドとスコットは颯爽と屋上に向かった。
屋上へは一般客は立ち入れない仕組みだが、賞金稼ぎの技をここで使う。
まず、人通りの少ない通路でエレベータに乗る。
乗るといっても内部ではなく上だ。適切な階から飛び移る。
エレベータの辿り着く所は屋上より一つ下の階。
しかしシャフト内は、その上に点検通路や機器がある。
そこに移る。
そして屋上に直結している通路が大抵存在する。このホテルもそうだ。
その通路から屋上へ出る。これで、屋上への移動は完了だ。
その通路から屋上へ二人は出た。
「ふぃ~、毎回これはきついぜ。コールド、ここはサービス機能万歳か?」
「ただのビジネスホテルだ。サービスなんて無いさ」
コールドが答える。
「なら、いちいち部屋への移動はやめようぜ。ここでやろう」
「しかし、毎朝7時に電話が来る。それにここは関係者が利用するだろう・・・。大きな事は部屋でやろう。偵察を兼ねて屋上に来る」
コールドが提案する。
「了解だ。たしかに見通しは3階の部屋のほうがいいからな」
二人はしばし、屋上で空を眺めている。そして部屋へ戻った。

二人がエレベータ伝いで部屋へ戻っている頃、レッドはちょうど住処に戻っていた。
「レッド様。緊急報告です。また殺し屋が二人、レッド様の命を狙っているようで」
レッドの部屋で背の高い男が話している。話の殺し屋二人とはコールドとスコットだろう。
「警察ではないんだな。ならいい。こちらから奇襲をかけて殺せ。ここを動く気はない」
「分かりました。では部下5名を、その殺し屋のところへ向かわせ、殺します」
背の高い男は一礼して去っていった。
気の強く話していた男はもちろんレッド・サム。
自分の部屋を一部屋もち、隣接して部下の部屋。主に情報を仕入れている。
殺しなどを働くガードは別の部屋にいる。
レッドの作戦は奇襲してきたものを返り討ちにするものではなく、
事前に情報を仕入れ、奇襲者を先に奇襲するというものだったのだ。


第4節「予想外の奇襲」
コールド、スコットは武器の調整を行っていた。
作戦を立てた。
明日、出てきたところをスコットがスナイパーライフルで狙い撃つ。
もちろん撃ち合いの想定を考え、屋上でコールドが小型ミサイルランチャーを構え待機。
ミサイルを発射して、相手が驚いている好きにスコットが下に降り、銃撃戦を展開。コールドも続く。
普段なら最初の一発で撤退するが、今回は人通りも無いのでやるなら派手にやろうということだ。
「こんなに、派手にやれるのは久しぶりだ。最後に派手にやったのはいつだっけか?」
コールドがスコットに聞く。
「たしか去年だ。マイギートだったな」
銃器の手入れは一段落した。
「ふぅ、疲れたぜ。そうだ、俺近くの店でなんか買ってくる。何か希望は?」
コールドが提案する。
「店?近くにあったっけかな?とりあえず飲み物。酒だ」
スコットはコールドに念を押し、出かけさせた。
外に出たコールドはレッドの住処の建物を見た。
それをレッドは見過ごさなかった。一人減れば十分戦力は落ちる。今がチャンスだ。
「おい、いまだ。奇襲をかけて、殺せ。一人出て行ったが、そいつは後だ。いけ!」
レッドは奇襲部隊を行かせた。
精鋭部隊だ。しくじるはずは無いだろう。

スコットはそんなことが起こっているとは知る由も無い。
スコットはふと、窓の外に眼をやる。
すると、いきなり赤い光弾が飛び込んできた。
ガラスがわれ、光弾は部屋の壁に当たった。
「なんだ、なんだ?」
スコットはパニックになるも整備したばかりのブラスターライフルを構える。
ライフルの仕様は、ストームトルーパーのものとほぼ同じ。
撃ち易いからスコットは愛用している。
そのライフルを手に身を低く構えた。正面のホテルの4階から銃を構える人影が見える。
あそこから撃っている様だ。
スコットは匍匐前進で部屋の扉を開け、そっと退室する。
ホテルの構造は学校を思わせる。
廊下の一方に部屋が並んでいる。薄暗いのは仕方ない。
エレベータまで来たが動いていないのが分かった。
恐らく襲撃と同時にホテルに侵入し、エレベータを止めたのだろう。
階段しかねぇ、スコットはそう思うと階段へ直行した。
しかし、階段まであと数メートルのところで銃を持っている男達と遭遇した。
「あいつだ。殺せ」
ガードの面々だと直感した。
撃ちまくってくるが何とか部屋に入り込んで交わす。
「ったくよ」
スコットは愚痴をこぼし、銃をリロードした。
そして発射させた。
銃口から青い光弾が飛び出す。
青いエネルギーは少なくなっているため、ロブに仕えているものと区別するためしたもの。
ロブに仕えている者の銃は、すべて青い光弾が飛び出すようになっている。決まりの一つだ。
その青い光弾が壁の絵に直激する。
「やべぇぞ」
スコットは、数で圧倒されていた。




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