北閑人コーの読書日和

2007/03/24(土)16:40

春、誇りっぽい散歩

探しても見当たらないチャンドラー、清水俊二訳「長いお別れ」を探しに車を出す。 ブックオフにて無事見つけ出し、つらつらと棚を眺めながらレジの前に立つと「長いお別れ」の他に、松本大陽「メザス ヒカリノ サキニ アルモノ 若しくは パラダイス」、寺山修司「月蝕機関説」、ノヴァーリス「青い花」、ベルトラン・タベルニエ監督ビデオ「ラウンド・ミッドナイト」が籠に収まっているのに気づく、だって「長いお別れ」以外は105円だったもので。 土曜日の昼api-apiさんらが集う「さっぽろ珈琲工房」に向かうと、知った顔はマスターだけ、本日は誰も顔を見せていない、妻と二人美味しい珈琲を啜ってお暇する。 本日の朝日新聞朝刊の附録ページの記事にて山之口獏の妻の話を読む、「鮪と鰯」しか読んだことが無い、コーチャンフォーにて講談社文芸文庫の「山之口獏詩集」を探すが彌生書房、世界の詩、金子光晴編しか見当たらず、講談社文芸文庫はいずれ機会を見て取り合えずこのシリーズを購入しようと持って歩いていると、何かの文庫が私に向かってウィンクした気がした、棚を眺めるとそこにはビュトール「時間割」があるではないか。 三十年近く前読んだのは確か中公文庫であったと思うのだが、現在は河出文庫から出ているもの、「よぉ、久しぶり」と本は語りかけてくるものだから、「元気だったかい」と手にとってしまった私の負けだった。 埃っぽい道を走り始めると妻が「味を忘れてしまった純漣のラーメンを食べたい」というものだから、車を向けたのだが、店内に人が並ぶ姿を見てやめる、私には旨かった記憶が無い、平岸の王大人にて中華を食し、ここ数日の食材を購入して帰宅。 「山之口獏詩集」を開くと彼の揮毫による 「畳の上にあるのが   座布団で  その上にあるのが楽といふ  楽の上には なんにも  ないのであろうか」 という有名なくだりの写真があり、何故かほっとする。

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