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カテゴリ:漫画
萩尾望都のSFやFTが子供の頃から好きなんですが、ここ十年ほどは「残酷な神・・・」での心理ドラマしか読めなかったので、SFはホント久しぶり・・・って、最終巻の設定バラシが、ものすごい勢いなんですが! でも、このテンポは80年代のマンガだったら、そう早い訳じゃないんだよね。まるまる一巻分費やしているんだし。70年代だったらゆっくりなほうだ。最近のマンガの展開って、音楽のテンポが段々と早まっているのに比べて、なんだか長回しが当たり前になってない?テンポ悪いっていうか、冗長って言うか。 設定バラシにかかると、さすがにすごい情報量で、展開を理解するのになかなか頭がついていかず、papaが何か言ってても、聞こえもしませんでしたよ。きっと、あっちの世界にいっちゃってるんだろうな~、そういう時って。脳が総力をあげて情報処理をしているんでしょう。 バルバラにはスピ系のネタが入っているのが、さすがに現役の漫画家だなぁと感心。この世代の漫画家さんで、毎月きちんと連載もって頑張っている人はけっこう少なくなっているし、自分の趣味の世界だけになっちゃう作家も多いのに、最新ネタがはいるなんてさすがだなぁと思ったり。 でも、神楽とか火星とか集合意識とか、昔から繰り返し出てくるモチーフも使われていて、懐かしい気持ちがわいたりもしました。 ちょうど手元に88年に書かれた超弦理論の本があるんだけど、この中で書かれているネタが出てきていて、まるで参考書のような具合に。 世界は原初・10次元だったのが分裂して6次元と4次元(ここが現世)に別れたって言うところが、この理論のキモらしいのですが。 もともとシンクロニシティの多い生まれなので、それほど驚いたり衝撃を受けたり啓示にしたりはしませんが、やっぱりちょっとびっくしかな。 バルバラに出てくる成人たちが、身体が古くなっても中身はたいして変っていない、という感じの人が多くて。やっぱり自分がそうだと気づいたからかしら~とも思ったり。無限に近い想像力でも、やはり体験してみないと気づかない事がたくさんあるし、誰もが知っているからといって、それが伝えられている訳でもないからね。 マニュアル通りに描いてしまう事なんて、いくらでもあるのだから。恋愛した時に人がどうなるのか、やっぱり体験しないとわからない事だらけで・・・。 そういう事だと、歳を取れば取るほど、書きたい事伝えたい事が増える一方なんですな。これだけ情報が発達しているのに、どうしてなかなか伝わってこないんだろ。 まぁ、それは伝える方に、格別の才能が必要だからなんだろうね・・・。 絵の巧い作家、魅力的な絵の作家、そういう漫画家はずいぶん増えたけど、マンガの巧い漫画家が増えたかというと、そうでもない。「面白い」マンガではなくて「上手な」マンガ。 だって、マンガはマンガであるというだけで、面白いでしょう?本という形をしているば、すべからく本は面白いのだと、京極堂が言うように。 マンガはパッと見が大事だし、芸能だから奇麗だったり可愛いかったりする方が確かに良いのだけどね。物語(ストーリー)が面白いから、そのマンガが面白い訳じゃないのよ。 PLUTOとか読んでみれば、それがわかる。手塚のPLUTOは良く覚えているから、物語の展開は最初から判ってるんです。でも、あの留め・引き・テンポやらそのほか全ての演出が、最初のマンガよりも世界を濃くしていると。 最近は企画ものやタイアップで、映画やアニメと同時にマンガ連載など始める事も多いのだけど・・・。画力は十分でも、漫画力が足りなかったりしているように思えて、もったいなくって仕方がないです。せっかくなのに~。 編集も、もうちょっと考えて検討して、そういう企画は進めて欲しいものです。なんか、すごく口惜しい・・・タイアップした片方が良かったり好きだったりすると、より強く思うですよ。 虫師がアニメになるらしいけど・・・大丈夫かなぁ・・・。ちょっと心配。とりあえず見るけど。あとはクラスターと、ガンパレ(ちょっとだけね)ってトコかな、秋の新番組は。何か手応えのある、面白いのがあるといいなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月01日 01時00分16秒
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