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カテゴリ:経済問題
Myanmar訪問

10月7日から1週間ほど、ミャンマーのインレー湖(Inle lake)というところを訪れた。
今回の訪問は、学生が行っている研究調査のお手伝いを兼ねて、地元の人達の実際の暮らしぶりを見てくることが目的であった。
InleLake1

俺達の世代では、ミャンマーという国は、むしろビルマとして知られている。
ビルマの竪琴」は、映画ではなく竹山道雄の童話で読んでいた人がいただろうし、映画も中井貴一のほうのリメイク版(1985年版)ではなく、白黒映画のほう(1956年版)で見た者も多かったのではないか。
俺も白黒版を見たのだが、既にその悲しい物語の内容は覚えていない^^;。

現在のミャンマーは、人口5,141万人で、国土面積が日本の約1.8倍という広大な土地を持った国だ。
主な産業は農業(米)で、宗教も約90%が仏教なので、日本人にも馴染みやすい気がする。
歴史的には、1988年に軍政が敷かれ国名をビルマからミャンマーに変更した。当時の国民民主連盟(NLD)の党首アウン・サン・スー・チー女史などを長い間自宅軟禁するなど、政治的に非民主的な状況が続いたが、2010年以降、ス-・チー氏の軟禁解除、総選挙も行われ、現在はテイン・セイン大統領のもとで共和制をとっている。
また、南北に長い国土からは、ルビーやサファイアなどの宝石が産出され、また石油、チーク材などの天然資源も豊富である。
そのためもあり、日本をはじめ、中国、韓国などからも直接投資が急増しており、経済成長率も7%以上と高い。但し、その一人当たりGDPは約900ドルに過ぎず、貧困国に指定されている水準である。
民族的には、ビルマ族が7割近くを占めるが、シャン族やカチン族などの少数民族が多い多民族国家である。

今回訪れたインレー湖という場所は、ミャンマーの中央部の首都ネピドーから北東約100km程に位置する琵琶湖より小さ目の湖で、ミャンマーの中でも重要な観光地となっている所だ。地元民は漁業及び水耕栽培のトマトで収入を得ながら、他方で湖と湖畔にたたずむパゴダを訪れる国内外の観光客を相手に商売を営んでいるという様相だった。
この辺は、民族的にはインダー族の人々が多く暮らしているが、首長族として知られるパダウン族も、機織り風景などを見せる観光名所となっていた。
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今回の調査の目的は、このインレー湖の水質調査に関するものだった。
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湖を観光資源として利用するようになってからなのか、この湖の水質は着実に悪化しているらしい。南北に長い湖の特に南側の水質汚染が激しいという。
このことは、我々が訪れた地元シャン州(Shan State)ニヤンシェ区(Nyaung Shwe Township)にある環境保護・森林省及び自然野性保護部の役人達も問題視していた。彼等は、1998年以来、地元のタウンジー(Taunggyi)大学とも組んで、12から15ほどの定点で3ヶ月毎の水の流出入調査をしているようだった。彼等のミッションとしては、インレー湖を野性保護区(ASEAN遺産公園)として保全しながら、エコツーリズムにも活かしていくことである。また、インレー湖の水は水力発電用の資源としても利用されているらしく、その意味でも湖水は重要な水資源だ。

彼等の説明では、インレー湖の周りには大きく5つの地域にインダー族をはじめ8つの民族が暮らしているらしく、その95%以上が仏教徒だ。インレー湖の水は、昔はそのまま飲み水としても利用できたようだが、比較的水質がきれいだとされる湖北のエリアでさえ今は水質は悪化しているとのことで、そのため、湖水ではなく地下水をタンクに一旦貯めてから浄化装置でそれを飲み水や料理に利用している。
近年は、日本のNPOも含めて5つほどのグループが浄化水の供給に関する投資を行なっていたり、ヤンゴン大学が湖の総合的な分析を計画しているらしい。
そういうわけで、インレー湖の水質をきれいに保つことは、彼等にとっても極めて重要な問題だ。

今回我々が訪れた場所は中東部だったためもあってか、ボートで移動する途中の湖中央部の水は確かに綺麗に見えたが、パゴダのある観光地付近の水は赤土が溶けているように赤茶色だった。

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さて、我々は湖水に浮かぶこの地域の各家庭を訪れて、「インレー湖の水質を改善できるとしたら、あなた(あなたの家庭)は幾らぐらいまで支払えますか?」というヒアリングを行なってきた。
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しかも、その支払いが、政府の税金として支払う場合と、パゴダ等の寺院(monastery)に寄付で払う場合とで、どの程度の違いが出るのかということも見ようという狙いがあった。
本格的なデータ収集と分析はこれからなので、今はまだ何とも言えないが、幾つかの家庭を回ってみての感覚は、支払額に各家庭で大きな差があるという感じだ。これは、この地区の人々に既に大きな所得格差が生じているためであると思われる。

それにしても驚いたのは、彼等は非常によくパゴダや寺院を訪れて寄付行為を行なっており、その金額はなんと年間所得の2割ほどにもなるという。
日本ではおよそ考えられないほど、僧侶や寺院に対しての信頼は厚い。その一つの理由は、寺院が集まった寄付金を低所得者層に再分配しているかららしい。
本来、そのような所得再分配の仕事は政府及び公的機関の役回りのはずなのだが、ミャンマーでは(多くの途上国でも)寺院が公的機関の役割を担っているということなのだろう。

環境保全を行ないながら経済発展を進めようとするインレー湖の人々。
なんとか貧困から脱却することと、美しい自然景観を持続していくことと、彼等にとってはどちらも極めて焦眉の課題なのだと改めて実感した。
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Last updated  2014.10.27 21:51:02
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