2003/11/15(土)09:59
『三丁目が戦争です』
やられた。昨日は悔しかったー。マンションの前に車を止め、買い物の荷物とを降ろして子供たちを連れていったん中へ。そこですぐに車に戻って駐車場に置きにいけばよかったんだけど、家に帰るとちびたちが「おなかちゅいた」「おしっこー」「パズルやる~」といろんなことを言い出し、相手をしているうちに、小一時間。ハッとして玄関へ。やられてました、右のミラーに例の黄色い輪っか。駐禁は罰金1万5000円だよ、イタイ!!!!私のマンションはとても静かな川沿いに建っていて、交通も少ない。前方は行き止まり。隅の方に少々車を止めていたって、道をさえぎることもない。そんなところで、なぜ、たった1時間で輪っかがはめられてしまうか? 簡単です。マンションから少し奥に入ったところにある住宅街の人たちが通報するから。わがマンションの住人は何人もやられている。目ざとく見つけて、速攻で通報するんだそうだ。そんなんでいちいち駆けつけてくる八王子署もご苦労さんですという感じだけど。その話を聞いていたので、いつもはちょっと歩いたところにある駐車場に車をとめてから家に帰っていたのだけど、昨日は寒くて、風邪気味の子供をすぐに温かな家に入れてやりたかった。それがいけなかった。いや、そもそも駐禁はいけないことなんだけども。すぐに通報しちゃうほどの、マンションと住宅街の敵対感情……。根が深いんだろうな。建てるときに日照権でトラブったりとかしたんだろうか。この話を考えていて、小学生のころに読んで衝撃を受けた物語、『三丁目が戦争です』を思い出した。子供たちの小さな争いがどんどん発展して、団地の住民と住宅地の住民との戦争になる。やがてそれが日本中に広がって……。ラストも衝撃、挿絵も不気味で、子供心にグサッとくる物語だったのだ。会社に入ってから、各地を取材するようになり、全国いたるところで、新住民と在来の人との争いが展開されていることを知った。ニュータウンがあるところは、たいていその近くの古くからいる住民と仲が悪い。互いに首長候補を立てて、怪文書が飛び交う、嫌がらせが相次ぐ、すさまじい選挙戦を繰り広げていたところもあった。そのたび私は子供のころに読んだ『三丁目が戦争です』を思い出したものだ。隣り合って暮らしている住民同士が、地域間抗争になりやすいのはなぜだろう。その集合体に属しているだけで憎い……というような。もうとっくに廃刊になっているだろうと思いつつ、ふと、『三丁目が……』をアマゾンで検索してみると、あった! 著者、筒井康隆だったのか。妙に納得する。私がこどものころ、1970年代、児童文学は全盛期だった。才能ある新人が次々に力強い作品を発表する。ワクワクするような魅力的な作品がどっさりあった。風刺や時代ものなど、異色の作品も多く、楽しかった。高度経済成長とベビーブームで、親たちが子供に本を買い与えられるほど豊かになったり、子供関連がマーケットになるとか、そういった時代背景もあったのだろう。本屋さんへ行くと、当時夢中で読んだ名作の数々が今でも書棚に並んでいる。当時と変らない装丁のものも。70年代以降、目立った作家が続いていないということなのかもしれないけれど、大人の本では考えられない息の長さ。と、いうわけで、『三丁目が……』を注文(最後の一冊だった~)。それから、戦争もの?で大好きだった『チョコレート戦争』も、注文。あのときの気持ちに戻ってみようっと。