2015/03/03(火)21:14
土に還り、樹木の養分となる。遺体をカプセルに入れ木の下に埋める。人間埋葬の新しい形、「追憶の森カプセル」の提案/イタリア/
土に還り、樹木の養分となる。遺体をカプセルに入れ木の下に埋める。人間埋葬の新しい形、「追憶の森カプセル」の提案/イタリア/2015年03月 ι(47) ι 知る ι 歴史・文化 ι
昔は日本でも遺体は土葬として土に埋められ、その遺体は自然へと還って行った。今日では遺体を埋める土地の問題もあり、火葬が一般的であるが、できれば土に戻りたいという人もいるだろう。
イタリアのカプスラ・ムンディという企業は、人間の遺体を木の養分として効率的に循環させるべく、遺体をカプセルの中に入れて、木の下に安置し、”追憶の森” を作るというプロジェクトを発表した。カプセルの素材にはジャガイモやトウモロコシなど、季節に応じた再生可能なものが利用される。
以下はその手順を説明したものである。
卵状のカプセルに遺体を安置する。カプセルの素材にはでんぷんプラスチックが採用され、100%生分解性である。
カプセルを種のように土に埋める。
上に1本の木を植える。なお、植樹する木の種類は選択可能である。
埋葬と植樹の数が増えるにつれて”追憶の森”が形成されて行く。
家族や友人たちは記念樹を手入れし、亡くなった方の思い出を偲ぶ。
全体のサイクル。
好みの問題があるとは言え、愛する人…そして地球に敬意を払う古くて新しい埋葬方法なのかもしれない。
ちなみにイタリア政府はまだこの埋葬方法を認可していない。カプセル・ムンディの社員は法制度を改正し、人々に埋葬の選択肢を与えようと奮闘中だそうだ。