ミニバラ写真館

2016/10/02(日)17:22

興味を惹いた初期の暮しの手帖の記事 有効な図書館利用

 昨日、10月1日で、NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が終了しました。この物語の中で描かれている「あなたの暮らし」と言う雑誌が、「暮しの手帖」として実在することを知り、その当初の号をやっと図書館から借りることができました。  第1号は昭和23年9月20日に発行され、第2号は24年1月1日に発行されています。第5号のあとがきによりますと、1号2号とも赤字だったそうです。それでもがんばって広告なしで発行を続けたそうです。(ドラマでは1回だけ広告を載せていましたがその実際がどういうものだったか確認するのを忘れました。)  2号の表紙には、素敵なケーキ屋さんや花屋さんが描かれています。昭和23年という時代を考えると、遠い国の憧れの風景だったろうと思われます。  この2号の中に当初からの編集長だった花森氏(ドラマでは花山)が執筆したある記事が掲載されていました。この内容には驚きました。  それは、フランスの19世紀の華やかなファッションの歴史なのです。このファッションが描かれているイラスト絵画の存在を私が知ったのはごく最近のことで、クレイ細工で人形をつくるようになってからのことです。  それが、戦後まもなく、まだ物資も乏しかったであろう頃に、すでに掲載していたのです。その後の花森氏の記事は戦後のあるべき女性の装いや洋装にふさわしいしぐさ、エチケットなどに関する記事が毎号記載されていました。ドラマでも登場していた着物から洋服を仕立て直す「直線裁ち」の記事と一緒にです。  昭和24年ころがどういう時代だったのか、それをはっきりと物語る写真が第4号にありました。  そう、洗濯の様子です。今では洗濯機が当たり前で、洗濯たらいなどは探しても見つからないでしょう。それがこの当時は家庭の必需品で、日々活躍していたのです。この記事は「たらい」を床において洗濯するのを台を作って立ったまま洗濯出来る様にし、「たらい」に栓をつけて水を抜きやすくする工夫が紹介されていました。  こんな実生活の時代に、こういうファッション記事が掲載されていたのです。  暮しの手帖の編集者が依頼して執筆されている記事の中には、欧米と日本の女中さんの働き方の違いなども掲載されていました。誰しもが窮乏生活をしていると思われる時代でも、こうした恵まれた生活をしていた人もいたのかと驚かされました。  NHKのこの放送がなければ、見ることも無かっただろう雑誌に、これほど興味を持てて、面白く感じられたのは幸運でした。また、これが機会で身近な図書館の新しい利用の仕方(ネットで本を検索し、貸し出しを予約注文できるのです)が見つけられたこともラッキーでした。これからもこれを一層活用させていただこうと思っています。

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