クラス発表会
先日チェロ教室の発表会が行われた。去年はなかったので中2年での開催である。小生の挑戦した曲目はEcclesのト短調のチェロソナタである。Ecclesは1670年から1742年まで生きた作曲家で、バロック時代に属するとのこと。この楽譜は数年前にお師匠さんから教わって購入してあったのだが、テノール記号多発警報?のために敬遠していたものだ。しかしこれにもだいぶ慣れてきたのである時試しに弾いてみたところ、1楽章のLargoからなかなかの美しい旋律。すっかり気に入ってしまい、さっそくレッスンで取り上げていただいて、発表会の曲目にもなったというわけである。Largo, Allegro con spirito, Adagio, Vivace の順で並んでおり、緩急緩急の繰り返しである。この曲、You Tubeで検索してみると結構たくさんアップされていることがわかり、知る人ぞ知る名曲のようである。伴奏は家内にやってもらうことにした。発表会に夫婦で参加するというのは、小生の同級生のK君が何年も前からやってきており、いつもうらやましく思っていた。今回ようやく我が家でも実現させることができてうれしい。家内も昔は結構ピアノを弾いていたのだが、スイミングやダンスに熱をあげたり、子育てで忙しかったりでずっと離れてしまっていた。この曲はピアノ伴奏もあまりむずかしくなくリハビリにはもってこい、というわけで発表会に駆り出したのである。共通の目標をもったことで、週末に二人で練習しあうこと幾たび。レッスンにも2度同伴してお師匠さんの前で弾くこともできた。ささやかでも舞台は舞台、本番は本番である。それなりの緊張感をともなう。さて舞台でのリハーサルで困ったことが起きた。というのはピアノが舞台の奥のほうにあり、チェロは最前列に近いところで弾くので、家内に私の弾くチェロの音が届かないというのである。普通の室内では壁に跳ね返ってきた音をお互いに聴くことができるのだが、前方に客席というひろい空間があるために、舞台上の人には却って聴きとりにくくなるようなのだ。さて本番。ピアノの音量を極力落としてもらって、はなんとか聴きあうことができた。もっとも家内は譜面から目を離したあとしばらく「落っこちて」しまい、小生には妙な伴奏がしばらく聞こえてきたのだが。しかし間もなく「復帰」し、約10分間の演奏はまずまずのできで終了。司会者からは素晴らしいとのおほめの言葉をいただくことができた。細かいところを言えば不満な点も多々あるのだが、一応流れは崩さずに最後までたどり着けたし音程のはずれもまあ普段の練習並みでおさまった。自分で撮影したビデオをあとで見直してみると、きれいにだしているつもりの音が結構ベチャっとした音で聞こえており、右手の力が抜けていないことがわかる。強弱の効果も乏しい。発表会にはこのソナタのほか、アンサンブルで3曲、全体合奏1曲と出番があり、くたびれたが楽しかった。終了後は打ち上げに参加したのは言うまでもない。この日はもう一つうれしいことがあった。オーケストラに入門していたときにお世話になったチェロのトップが、小生の勤め先のある町でチェロを週に1回教えるようになったとアナウンスされたのである。彼女のレッスンならきっとたくさん生徒さんがつくだろうと、前途を祝福したい気持ちになった。