訴訟ゲーム
ネットニュースでこんなのがありました。 「欠陥ヒーター放置で死亡」 3月25日19時1分配信 時事通信 遺族がメーカーを提訴-アパート7人死亡・札幌地裁 北海道苫小牧市のアパートで2006年12月、7人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故で、遺族の母親2人が25日、「事故が起きたのは危険性の周知や製品の回収を怠ったメーカーの責任だ」として、製造元の「トヨトミ」(名古屋市)を相手に、総額約8000万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。 提訴したのは、長女=当時(5つ)=を亡くした同市の20代女性と、3女=同(25)=を亡くした日高地方の50代女性。 事故では、トヨトミ製の石油ファンヒーターの不完全燃焼が原因とみられるCO中毒で成人女性2人と子供5人が死亡した。 ヒーターは正規に購入したものではなく、死亡女性の親せきが拾ってきた廃棄物だった。 「欠陥ヒータ放置で死亡」 を普通に読めば、欠陥は製造側に付く言葉ですから、またまた設計・製造不備で死亡事故がおきたのかと思いました。 記事の内容を読めば、廃棄された石油ファンヒーターを拾ってきて、メーカーでのメンテナンスもせずに使かい事故が起きたということです。 当然、廃棄物ですから不完全燃焼もするでしょう。石油がもれて火災もあるかもしれません。爆発しなかっただけでも良かったのかもしれません。 当然です。 「事故が起きたのは危険性の周知や製品の回収を怠ったメーカーの責任だ」 なるほど・・・・なるほど。。。。 90年代に、アメリカの訴訟事情が笑い話でよく紹介されていました。 私はメーカーで設計をしていましたので、ビックリするようなクレームリポートが回ってきて、その対策をしばしばしました。 例えば、20年ぐらい前に製造した工作機械でしたが、頑丈な造りですからアメリカの中古市場で転売されて、ついに事故が起こりました。もちろんメーカーはノータッチです。 事故は、安全扉の動作不良が原因でした。機械を調べてみると、安全装置が外されていて安全扉の枠だけ残り、それは単なる鉄製のオブジェになっていたそうです。 転売されるたびに、作業環境にあった改造をされます。 でも、メーカーに責任があると言うそうです。言うのはタダですからね。。 「簡単に外せる安全装置ではダメ」 「注意促す表示が、読み方では危なくないように読める」 という内容のレポートが設計部に回ってくるのです。 でもですね、爆弾でも、処理班によって無力化されるぐらいですから。。。意志を持って改造されることを防御しようがありません。 ですから、ベタベタと警告表示を貼り付けます。 簡単に外されないようにシールではありません。ねじ止めでも外されます。 ですから、リベット打ちです。美しくはないですが、そこまでしました。それでも外されるそうです。 笑っていたアメリカ流の訴訟ゲームが、ついに身近に来ましたか。。。 メーカー責任ですか。。。。 訴訟は権利ですが、権利には責任がセットになっていますけど。。。。 今回の事故での使用者の過失責任はどうなんでしょうか? 弁護士は訴訟ゲームをしているか、もしかしたら、メーカーのイメージを悪くして海外に売り飛ばそうとしているのかもしれません。これはあくまでも私の妄想ですけどね。 でも、こんな訴訟をしている弁護士を見てみたい気がします。これは私の好奇心からです。