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2021.07.21
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テーマ:NBA(1426)
​​​​​​​​​​​​​​サンズの指揮官モンティ・ウィリアムズが見せた『美しき敗者』の姿、ショックは大きくても対戦相手のリスペクトは忘れず

日本時間2021年7月21日
PHOENIX SUNS 98-105 MILWAUKEE BUCKS(Fiserv Forum)
PHX 16 31 30 21   98
MIL  29 13 35 28 105

NBAファイナル第6戦。

2勝3敗で王手をかけられているフェニックス・サンズは、敵地に乗り込んでのミルウォーキー・バックスとの第6戦に臨み、第1Qの大差を一度は跳ね返しながらも再び主導権を握られ、98-105で敗れ優勝の夢は散ってしまいました。

今日はとにかく、バックスのエース、ヤニス・アデトクンポ選手が神がかっていましたね。

第5戦でやられてしまったクリス・ミドルトン選手ドリュー・ホリデー選手は比較的抑えることができたと思いましたし、アデトクンポ選手にあるやられるのは仕方がないとして、他の二人を抑えられればと思ってもいたのですが、今日は、やられるにしてもその限度を大きく超えてしまいましたね。

2試合続けて40得点以上を記録した時も凄まじかったですが、今日はフリースローまでもがほとんど全部入ってしまうという。

最終的には50得点を許してしまいましたが、常に楽なシュートばかり打たせていたわけではなく、かなりのタフショットもありましたが、それでも決め切るアデトクンポ選手。

主にマッチアップしていたディアンドレ・エイトン選手も、ファウルにはかなり気をつけてるようには見えたものの、それでもファウルを誘われてしまい、エイトン選手は肝心な場面でプレーできない時間帯が出来てしまいました。

モンティ・ウィリアムズヘッドコーチは、エイトン選手以外では唯一のビッグマンであるフランク・カミンスキー選手をワンポイント的に起用していましたが、後のない一戦で、他のメンバー同様にエイトン選手を40分以上起用するプランも持っていたと思いますが、そこまでの時間起用することができませんでした。

ただ、そのカミンスキー選手が攻守に期待以上の働きをして、エイトン選手不在の時間帯を繋いでくれました。

おそらくダリオ・シャリッチ選手が故障した第1戦以降は、カミンスキー選手を起用することも視野に入れた練習もして来たことと思いますが、カンファレンスセミファイナル以降ずっとローテに入っていなかった中で、少しずつ他の主力選手とも合って来たのかもしれませんね。

今日ぐらいできるという確信があれば、やはりサイズは貴重ですしオフェンスでは悪くないので、例えば第5戦でも使えたら、また少し良い方向に行ったのかなと。

よく繋いでくれたと思いますね。

ただ、肝心のエイトン選手が今日はオフェンスで冴えず、ここまで驚異的な成功率を誇って来た近距離のシュートもなかなか決め切ることができませんでした。

初のプレイオフ、ファイナルで、負けたら終わりのこのゲーム。

プレッシャーもあったのだとは思いますが、エイトン選手としては、ちょっと悔いの残る試合になってしまったかなぁという気もしますね。

リバウンドでは37-53とバックスに大差をつけられてしまいましたが、エイトン選手がリ6個しか取らせてもらえなかったのは厳しかったですね。

それをカバーしてくれたのはジェイ・クラウダー選手

普段はあまり見ることのない、クラウダー選手の1on1も二回ほど見られ、一度はフリースローをもらう奮闘を見せましたが、チームハイの13リバウンドをマークし、終盤にはルーズボールに果敢に挑み、首の皮一枚のサンズを引き続き繋ぎ止める大きな役割を果たしてくれました。

やはり経験豊富なベテランは、ここぞの場面で頼れるなと。

しかしクラウダー選手の1on1というのは普段のバスケができていないことの裏返しでもあり、奇策的に狙ってのことならともかく、仕方なくやっているようにしか見えなかったところにサンズの苦しさが出ていたかなと。

逆にバックスは、アデトクンポ選手ばかりが目立っていたように見えて、要所ではブルック・ロペス選手ボビー・ポーティス選手といったロールプレイヤーたちが、自然にうまく点に絡んでくるんですよね。

そのクラウダー選手の奮闘は見事でしたが、チームとしては、第2Qに一気に差を詰めて逆転した時間帯以外で、サンズペースになる時間帯は作れませんでした。

この時は、キャメロン・ペイン選手が短い時間で10得点を荒稼ぎして停滞していたスコアが一気に伸びましたが、この日の調子を見ると、本当はもう少し使いたかったところでした。

ただ、ガード陣もパワフルなバックス相手に、ポール選手、ブッカー選手、そしてペイン選手を並べるのは、攻撃では良くても守備ではかなりやられるのを覚悟しなければなりません。

第5戦大当たりしたホリデー選手には、ミカル・ブリッジス選手が張り付いて調子づかせないようにしたのが功を奏し、ホリデー選手のFG%を落とすことに成功しましたが、ブリッジス選手も外しにくいとなるとやはりペイン選手のプレータイムをもっと伸ばすのは難しかったでしょう。

独力で得点を取って来られる選手が同じポジションに固まっているという弱みが、バックス相手にはキツくのしかかってきたように思います。

バックスは、さほど乗っていなかったミドルトン選手が、サンズにとっては致命傷となるタフショットを終盤に決め、優勝チームのNo.2に相応しい活躍をしました。

この時のサンズのディフェンスは悪くありませんでした。

これは、決めたミドルトン選手を褒めるしかありません。

ホリデー選手は、シュートこそ不調ながら肝心なところでスリーを沈め、ブッカー選手から1on1でスティールを奪うなど、リーグ有数のディフェンダーであることを、第5戦に続いて証明しました。

アデトクンポ選手は異次元の働きでしたが、サンズとしては、ポール選手とブッカー選手がせめて彼らを上回るプレーをできていれば結果はまた違ったかなと。

第5戦、ビッグ3がバランス良くスコアを重ねたバックスに対し、ブッカー選手の孤軍奮闘でついていったサンズでしたが、今日はそのブッカー選手がブレーキに。

ポール選手はチームハイの26得点とスコア面で奮闘しましたが、19得点に終わったブッカー選手には、最低でもこれ以上のスコアを上げてもらいたかったところですね。

そんな展開でも僅差でずっとついていけたのは逆にすごいことだと思うのですが、第5戦同様にサンズはバックスに比べるとオフェンスがスムーズではなく、やっと点を取っているといった感じがしました。

第4Q、ほとんどの時間帯で4〜6点差ぐらいだったにも関わらず、追いつけそうな気があまりしなかったのはそのあたりですね。

大差にならず終盤まで勝負できたのは、ここまで作り上げてきたチームの総合力あってこそですが、その限界が来てしまったかのような。

点差以上に、ゲーム内容には差があったかなぁと思ってしまいましたね。

アデトクンポ選手は、文句なしのMVPでした。

最後の最後での50得点は、歴史に残るパフォーマンスでしたね。

サンズもやるべきことはやり尽くした印象でしたが、アデトクンポ選手だけはどうにもなりませんでした。

また、どこからともなく現れてのブロックも、サンズに無言のプレッシャーを与えていたと思います。

試合開始早々にブリッジス選手が遥か後方からブロックを食らい、エイトン選手もテンディングにこそなったもののはたかれてしましました。

サンズにはイージーなダンクミス、アリウープミスもありましたが、アデトクンポ選手が脳裏をよぎった可能性もあるだろうなと思います。

スタッツだけでなく、試合で残した数字に現れない部分においても、完全にゲームを支配していましたね。

敵ながら、アデトクンポ選手には心からおめでとうと言いたいですね。

本当にすごいプレーでした。

サンズは、多くの主力がプレイオフ初体験という中でここまで勝ち進んでこられましたが、最後の最後でプレイオフの怖さを味わうことになったかなと思いますが、それは必ず未来につながるはずです。

今日大きな宿題ができたブッカー選手が、来シーズンどのような姿で戻ってくるのか。

終わってすぐのオリンピック参加で大変ですが、プレイオフ、そしてオリンピックでの経験を、来シーズンに活かしてほしいです。

1シーズン、おつかれさまでした。

こんなに楽しいシーズンは本当に久しぶりでした。

来シーズンも、よろしくお願いします。

ありがとうございました。

この試合のハイライト


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Last updated  2021.07.21 23:13:36
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