ひっそりとした時間

2004/08/26(木)01:24

本日の驚き

仕事の関係上、通夜の席に参列することになった。 が、仕事がどうしても押してしまい、会場についたのは午後8時近く。 葬儀場での仏教式行事としては、僧侶の読経、そのあとの焼香も済み、 参列者は皆、退席したあとだった。 すぐに受付に行こうとしたとき、 同僚が何か合図をしたが理解できず。 するとどうも受付の仕方に順序があるらしい。 今までなら手にした通夜見舞いか香典を受付の係りの人に渡して、 名簿に記帳する、という順序だった。 しかしこの葬儀場では、まるで自動支払機のような機械が受付横に設置してあり、 ここにまず、自宅の電話番号を打ち込み、 喪主、または家族のどういう知り合いかという選択肢があり、 わたしは「会社関係」というキーを押した。 すると電話番号と「会社関係」と記したカードが印字されて出力された。 これを持参した通夜見舞い、あるいは香典と一緒に受付の係りに渡す、 そうするとカードのまだ空きのある欄に 住所と名前を記入するように要求される、という手順になったいたのだ。 家族の一員の葬儀というのはあわただしいばかり。 悲しみにばかり浸っていられないが、参列者が誰かをつきとめるため 葬儀のあと、大変な作業が繰り返されたという経験がある。 葬儀を取り仕切る会社は様々な需要にこたえるために、 まるで銀行か郵便局でとる番号札と似た形式のものを考え付いたようだ。 これはなかなかよいアイデアだと思う。 が、知らずにいると、たぶんパスしてしまう手順でもあるのではないか。 別れの悲しみと、所属する団体の義理などが交錯する葬儀場でのできごと、 機械化もこういう場所に進出したのか、と 驚いたようでもあり、やっぱりか、とつくづく納得した夜だった。 効き過ぎているかも知れないエアコンの効いた、哀しみの満ちた、 義理と人情の満ちた不思議な会場を後に外に出たら、 もう秋がそこまで来ていた。

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