不機嫌な風邪引きさんはノー残業デーの帰りに病院に行ってインフルエンザと診断されました。予防接種したおかげで軽く済んでいたとは本人の弁。昨日は当然欠勤です。
実は今日、以前から決まっていたある会議がありました。
偉い役職の方が2名と、あとは課長クラスの十数人がやってくるとあって、タクシーの手配からヘルメットの準備、会議室の設定から昼の弁当の手配まで万全の準備は総務・経理が仕切ります。
その大事な準備のための1日は医者から止められて休まざるを得ませんでした。
その当日、彼は医者から「2日間は行ってはいけない」といわれた言葉を無視して出社。会議の準備よりも支払いの経理業務の最終チェックと仕分けが残っていたからです。本来なら経理はふたり。ところが昨年あの上司が辞めたために、まだ一人前ではない新人を教育中なのです。
出社した彼に対して、本当に大丈夫なのか?と疑うのと同時にわたしはほっとしていました。もしも休んでいて、本日のイベントがうまくいくのかどうか不安だったし(昨日も再三電話で指示を受けていましたが)、何より経理業務は全く他の人間では勤まりません。
締め切りまでに支店に支払い関係書類が届いていなかったら支店長からお叱りの電話だけではすまされないのは目に見えていました。所長は責任問題を問われるだろうし、指揮管理系統を確実に問題視されます。
でも本来であれば、インフルエンザを発症した人が大勢の人間の集まるところに出ることは許されないでしょう。
給湯室で派遣社員のY子さんが
「だいたい、インフルエンザだったら来るなっていうんだ」
を皮切りに次々と不満爆発。
人は誰もが自分を守りたいから、要は自分が危険にさらされていることが我慢できなかったんでしょう。もちろん社会のルールとしては許されないことだと思います。
それよりも彼女の言葉がわたしに向けられていることで、そっちにむっときました。言いたいことがあったら本人に言えば?と言いました。すると本人には言ったとのこと。わたしには同意して欲しかったんでしょう。だったら言葉を選びなよ。。。
わたしはその意見には同意できないと言いました。
仕事上どんなに忙しくても絶対に出社してはいけないなら、何度も電話していた中で所長らが「来るな」と止めていたはず。それを止めなかったのは彼の代わりがいなかったから仕方なく許したのでしょう。
会社が止めなければ派遣社員や出向社員が「うつるのが嫌だから帰って」とはいえないでしょう。そもそも会社の決定にわたしたちに口が出せるはずもありません。
そう言うと
「だいたい、この会社はおかしい」
…この子、いつもこういうこと言うのね。
完璧なルールを守っている会社もあるでしょうけど、大なり小なりよそと違うルールで動かなければいけないこともあるでしょう。
「それで平気なの?」
他の人が平気かどうか知りませんが、わたしは平気。
あの上司の言いたい放題を許してきた会社だし、あの上司の降格処分もなかった。今回はもちろん感染の危険がないとは言えないけど、むしろ出社してくれて感謝したい思いです。
そう言うと彼女は自分の意見が通らず怒ってひとことも話さなくなりました。
おかしいですか?
ちなみに彼女の席は経理グループ席からずーっと離れています。
風邪か?と疑ったときに即座に本人はマスクをしたので誰も今のところ感染していません。もうひとり風邪をひいてひとり休みましたが、彼女は検査結果が陰性だったそうです。
もちろん席が近いとか離れているとかが問題だとは思いません。
わたしが言いたいのは、誰も好き好んで病気を押して出社してないということです。それは通常の会社にある規定からは外れているかも知れません。それでも仕方がないということもあると思うのです。
「もしもうつったら」
目の前に本当の保菌者がいたら、できれば避けたいもの。
帰宅後、地元の広報にも感染の危険から自分を遠ざけるためのいくつかの条件が書かれていて、その全てが今日の会社でのできごとと正反対のことでした。
幸い、体調は良い方なのでわたしは大丈夫。
ところが不満爆発の彼女は夕方、定時より前にそそくさと帰っていきました。
気分が悪くなったとか。
「会社でうつされた」などと今回のことをあちこちで吹聴されるのは困るな。