サイトK

2007/01/29(月)07:52

サウスポー

サウスポーキラー 水原秀策 このミステリがすごい という言葉を店頭でよく見る 以前読んだアイルランドの薔薇もたしかそう、 あれは久しぶりに読んだ本格推理小説という感じがした。 たまにはミステリもいいかとタイトルに魅かれてこれを手に取る。 これはちょっと異色のミステリ。でもすごい。 作家自身が答えて言ったらしいが、死体が出てこない。 ミステリに必ずあるトリックもない。 あるのは野球、特にピッチャーの緻密な描写。 そして特異な人物描写。 架空の球団、人物だが、どう読んでも親会社読売とジャイアンツのこと。 主人公は謂わばジャイアンツの若き左のエース。 ある日、見ず知らずの男から 約束は守らないと、と突然暴行される。 そのビデオが流れ八百長疑惑へと、、、 そして最後は、自分で何とかしようとするが・・・ 数年間に何人ものサウスポーがトラブルを起こし、トレードに出される。 その背後には必ず、暴行した男 高木がいる。 後になって分かるが、この男は警察官。しかし脅しのプロ。 ジャンルに貴賎なし、しかしジャンル内には貴賎有り。 若き左のエースと脅しのプロ。 この二人のプロフェッショナルとしての構図がおもしろい。 また最後は、結局 犯人は? まあいるにはいるがどうでもいい って感じがして、残るのは何やらすがすがしい感覚。 不思議な読後感。 それにしてもピッチングの描写、この高木の描写。みごとだ。

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