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カテゴリ:書評
「電子書籍の衝撃」 佐々木俊尚著 電子書籍の衝撃 アマゾンのキンドル(日本語版は2010年末に発売されるという噂)に続き、アップルのiPad(日本では5月発売予定)の登場。 アメリカではキンドルは売れまくっており、2009年冬には、ついにアマゾンでの紙の本の販売部数よりも、キンドルストアでの電子ブックの販売部数の方が上回った、とか。 間違いなく「本」の世界にもペーパレスの潮流がやってきているのは確かなようですが、正直、「電子ブック」なるものには少なからぬ抵抗がありました。 しかし、この著書を読み進めていくうちに、その流れは間違いなくやってくるだろうという確信を持たざるを得ませんでした。 著者の言葉を借りると、 私は年に数百冊も本を購入し、たぶん百冊以上はちゃんと読んでいる活字中毒者です。 そして同時に、年に四~五冊も本を出している書き手のひとりでもあります。 その意味で、キンドルやiPadのような電子ブックリーダーが出てくることによって、 本の世界がどう変わっていくのかは自分にとっても切実な問題としてとらえています。 本文中で何度も書いていますが、間違えてはならないのは、「電子ブックの出現は、出版文化の破壊ではない」ということです。 何千年も同じような活字形式で人々に愛されてきた本は、そう簡単には崩壊はしません。 そこがたかだか数百年の歴史しかない新聞や、あるいは登場してから数十年しか経っていないテレビとは違うところです。 でも活版印刷が十五世紀に発明されて本の流通と読まれ方が劇的に変わったように、電子ブックも本の流通と読まれ方を大きく変えるでしょう。 近い将来、自身の読書スタイルを変えざえるをえない時がきっと来ると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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