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仙波山のたぬきばやし

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ひろめ市場のひみつ(意見聴取)

地域再生に関する意見聴取について
―高知市中心商店街活性化―

 高知市中心商店街も、また、全国の地方都市における例と同じように郊外型大規模店舗の発達により、シャッター商店街の様相が現出してきています。

 従来の中心商店街は、多くの小売店舗と飲食店、百貨店、スーパー、映画館、遊技場などが集中して形成されていましたが、郊外型大規模店舗群はシネコンを始めスーパーや小売店舗、飲食店が多く出店し、1店舗又は1カ所でその役割の大部分を担うようになり、中心商店街地域一帯は空洞化が進み、人口の減少により小中学校の閉鎖や、通勤通学時の混雑、雇用機会減少による若年層の県外流失、警備上の問題や資産減少などが進みました。

 一方、郊外でも週末には大規模店舗周辺で交通混雑が発生し、都市廃熱・排気ガスの拡散や緑地減少が拡大して、ゴミ処理の問題や都市整備費用が新たに発生することになりました。

 高知市周辺でもスーパーセンターやイオンを始めとする郊外型大規模店舗の建設が進み、中心商店街では、西武百貨店閉店や客入り低下により小売り店舗の閉鎖が続いています。中心商店街の活性が一度失われると、その回復には多額の投資と時間を要します。これは、西武百貨店の例を見るまでもなく明らかでしょう。また、高知市ではシネコン建設により、今後、更にこの傾向が加速されることが予想されています。

 これらの現象は、長引く不況や一小売店舗の経営責任ばかりではありません。例えば、工場誘致には固定資産税の減免や設備整備の公共負担など積極的投資が為されてきましたが、商業は、特に中心商店街は、薄い社会政策に止まったこともその要因といえるのではないでしょうか。

 全国の地価形成が、都市の中心商店街を基準としていて、郊外型店舗の地価に比べ高水準にあり、それが固定資産税などの維持費や家賃に反映しており、一方、商品の価格破壊が進行して商店の利益率が大きく減少し、また、輸入緩和や問屋の系列関係が壊れ、通信ネットワークの発達により同一性能の商品がどの商店でも即時に仕入れることができるようになって、商品の差別化も難しくなってきています。

 商店街の理想的な姿は、「楽市楽座」にあるのかもしれません。今後の商業の発展には、中心商店街の固定資産税を重点的政策的な補助金としてその振興に当て、あるいは、規制緩和をして活性を取り戻し、また若年層の起業家を養成していく必要が欠かせないのではないでしょうか。

 こうした問題点に対し、次に上げるような対策と要望をとりまとめましたのでご検討いただきたく、宜しくお願い申し上げます。
1 中心商店街の東端と西端の整備
(1) 西武跡地の積極的活用
・ 出店料低減交渉または一括借上げによる出店料軽減(半減以下)      処置
・ たたき工房、木工広場など体験型商店等の出店、誘致
・ 小学生や中学生を対象とした遊びの学校開設
・ IT起業の拠点施設
・ 夢工房(青年層の映画作成・発表の場)や音楽工房
(2)ひろめ市場周辺部の整備
 ・ひろめ市場の土地確保
 ・リニューアルの補助金支出(公衆トイレ、防火施設、駐輪場など)
 ・アーケードの延長(西側の交差点まで)
 ・一方通行路の南進許可(日曜日)
 ・島本病院前の道路直進化整備
2 追手前小学校の校庭開放
 ・同校校庭を土曜・日曜日における駐輪場、イベント広場として開放
3 県庁駐車場の観光バス駐車
4 中心商店街空き店舗の借上げによるチャレンジショップ化(若年層の起業  促進)
 ・出店一時金公的負担や家賃の軽減(半額程度)
5 中心商店街通路における土・日曜日の模擬店及び椅子テーブルの設置
・商店街滞留時間を長くし、自転車の走行を排除する。

 これらの中で、当社として最も関心があるのが「ひろめ市場」の土地確保についてです。   

 既にご存じのとおり「ひろめ市場」は、平成10年10月に高知市帯屋町二丁目商店街振興組合など地元商店街の事業要請を受ける形で設立されました。
さらに、建設大臣(当時)による「街づくり表彰」を受賞し、人口80万人余の高知県でオープン2ヶ月目には入場者が100万人を越えたと報道され、以来、県内はもとより多数の観光客の皆様にも親しまれ日曜市と併せ、観光高知のシンボル的存在に成長することができました。

 これは、「ひろめ市場」の経営理念である「よりやすい出店料により、よりよい品を安く提供する」が高知の風土に合致し、観光客からも愛され受入れられたものと考えています。いまでも、毎月のように投資政策銀行や研究機関、全国各地の商工関係者の視察が絶えません。

 一方で、「ひろめ市場」の土地一時使用契約による使用期限が、当初、平成15年5月31日迄となっており、その後、民間都市事業の施行に影響がでない範囲で使用可能という更新条項により、昨年4月1日から1年ごとの更新になりました。

 しかし、出店店舗側から見ると経営の長期的な維持が見込めないところから、退店者が増加傾向を示しつつあり、また、特に設備投資が多額になる飲食部門の新規出店者募集が難しくなってきています。

 「ひろめ市場」には、平成16年5月現在、1階64ブースの内、60店舗が出店しています。1階店舗の出店料売上高(賃料)は、年間91百万円(4年間平均、以下、平均という)です。店舗の年間売上高は、推計ですが10億50百万円、直接雇用は193人、間接部門を入れると約300人が「ひろめ市場」の仕事に携わっています。

 また、2階駐車場は年間利用台数24万1000台(平均)、年間売上高1億32百万円(平均)となっています。
これらを合計すると「ひろめ市場」の年間売上高の推計は、12億73百万円(平均)になります。

 もちろん、改めていうまでもなく、ご利用の方々を始めとして地元商店街、出店者等も「ひろめ市場」のできるだけ長期の存続により、安定的な維持利用と中心商店街の発展を願っています。

 こうした状況に対処するためにも、当社におきましては、関係各位のご理解とご協力を頂きながら、この事業が存続隆盛することにより、高知市中心商店街の活性化(再生)に微力ながらも寄与して参りたいと存じます。


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