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仙波山のたぬきばやし

仙波山のたぬきばやし

ひろめ市場のひみつ(その5)

 結局、工事の遅れを回復することができず10月17日オープニングセレモニーの最中でも、場内ではまだ工事が続行中でした。

 ひととおり工事が完成したのは、セレモニーのテープカットを終えて、県知事や市長などの来賓が入場する直前という、関係者としては、実に笑えない話でした。

 オープニングセレモニーから約2ヶ月の期間で来場者が100万人を超えました。これは、高知市の人口が約32万人であり、高知県人口が80万人であることを考慮すると大変な集客力です。そして、当時の建設省から「街づくり」表彰を受けることができました。



 この事業のコンセプトは、テナントの出店料負担を低減することにより、安くてよい品を消費者に提供してもらい、利用者の利便性を喚起して、それが商店街全体の発展に寄与していくというものです。

 もっと言えば、どこまでも自由に、そして新鮮さとここだけの味を追求することにより、感動と活気を呼び起こし、単に買い物だけでなく、楽しさや懐かしさ、新しい物に触れる喜びなど「時間」の消費を楽しめるような場所や空間をテナントと利用者が協力して作り上げたいというのが、運営者としての願いでもあります。

 このコンセプトを実現する為に、4坪1コマの月額出店料は、店舗の立地条件に関係なく、65,000円に設定しました。この出店料に共益費5,000円を加算したものが出店の基本料金であるとして、最初の説明会を実施しました。

 出店契約締結には、解約時にも返還されない協力金1ヶ月分及び償却のない保証金1ヶ月分という構成で、当時の中心商店街の賃料としては、破格の内容でした。

 出店説明をテナント毎に詰めていくと、当初、予定をしていなかったエアコン設置や電気・通信設備、水道施設等の要望が急増して新規負担が増えました。

 また、飲食業が中心になったことでフードコートをより広げ、6人掛けの木のテーブルや椅子を増やし、この共有スペース維持管理費のためなどの費用を増額せざるを得なくなりました。こうした共有スペースや照明、テナントの出店割付は店舗デザイン設計の隆芸が一元的に担当して、統一感を出しました。

 最終的な1コマあたりの出店経費は現在、毎月11万円ほどになっています。

 また、協力金や保証金も新規入店者には、2ヶ月分ずつ負担をして頂いていますし、事務手数料も1ヶ月分負担して頂いています。
 
 これは、説明会場費や資料作成費、公正証書作成費などの一部に充当し、あるいはやむを得ずテナントの出店料などが期日遅れとなる事態に対処する為の処置であり、ひろめ市場運営者のキャシュフローを改善するためでした。

 ピロティでは、毎週、公共的なものからバザールのような企画にも利用され、その収入と1年間、1社100万円でオフィシャルスポンサーを募集して、それが運営会社の収益に寄与することになりました。

 オフィシャルスポンサーには、コカコーラ、麒麟麦酒、高知広告センターが、後にはアサヒビールがそれぞれ協力を申し出ました。

 広告効果のほかに、オフィシャルスポンサーの具体的なメリットは、飲料メーカーについては出店者への採用推奨と自動販売機設置の許可、広告会社についてはピロティの使用優先権と収入の分与ということになります。






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