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鎌倉橋残日録 ~井本省吾のOB記者日誌~

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2016.12.14
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カテゴリ:ロシア
日ロ首脳会談が15日に安倍首相の地元である山口県長門市で開かれる。しかし、安倍首相とプーチン・ロシア大統領との話し合いで北方領土交渉が進展すると期待したが、どうやら日本の経済協力だけ「食い逃げ」して領土は返さない、という以前から懸念されていた「やらずぶったくり」になる危険が高まってきた。

やはり日本は外交下手、とりわけロシア相手ではいつも損する話にしかならない。「ロシアとは純商売ベースで当たれ、北方領土を話題にするな」とは日下公人氏の持論だが、ロシアを見限った知恵を感じさせる。

純商売ベースの意味はキャッシュオンデリバリー(代金引換払い)の徹底だ。
現金で代金を支払ったら商品を渡す。あるいはこっちが欲しいと思う商品をこちらの望む条件で運んできたら、その場で代金を支払う。これほど確かな商売はない。手形や小切手などで後で支払ってくれればいい、などとやったら、焦げ付いて大損することにもなる。ロシア相手ではその危険が大きい。

日本政府は「8項目の経済協力」などを出して前のめりになっているが、これこそ取られっぱなしになる危険大である。

日本経済新聞(10月1日付け)によると、ロシアへの経済協力プランはてんこ盛りのお土産ぶりだ。短命なロシア人の寿命を伸ばす先端医療の提供、日本郵便の持つ郵便システムのノウハウ供与、ウラジオストックやハバロフスクなど極東の港湾、空港の整備、植物・水産加工場など産業拠点の建設などを盛り込んでいる。国際協力銀行(JBIC)などの出融資、日本の予算など必要資金も提供する。日経は「1事業あたりの規模が6000億円に膨らむ事業も含み、2国間の経済協力としては異例の手厚さだ」と書くほどだ。

領土問題に気を使って、手の内をさらけだし前のめりの協力をしてしまうのが日本政府、とりわけ外務省や経産省の愚かさである。ロシアは長年の経験で日本のその姿勢をよく知っているから、北方領土を最大限に活用して、日本から資金や技術を引き出そうとする。

大体、外交的な名誉、メンツと元島民の心情を度外視して考えれば、日本にとって漁業を中心に北方領土の経済価値は知れている。もとよりロシアにとって広大な領土から見れば小さな北方領土なんて本当は大して価値はない。


しかし、プーチン大統領も自国民へのメンツのため、「北方4島は自国の領土」という公式見解を崩したくはない。プーチン氏は以前は「引き分け」と言っていた。だが、最近の態度の変化を見ると、日本が前のめりになるのなら、1956年の日ソ共同宣言に明記された「歯舞、色丹島の返還」により歯舞、色丹島だけを思いっきり高く売りつけようということなのだろう。


それなら「北方領土交渉はしない」に限る。すでに以前から主張している通り「北方領土は日本の領土だ。返還せよ」という態度を一切変えずに、改めて主張しないという姿勢を貫けばいい。

それは「北方領土と経済協力は政経不可分、北方領土を帰さないのなら、経済協力は一切しない」という外務省の姿勢でもあった。それでいいのである。それで日本は損しないからだ。


だが、ロシアは困るだろう。ウクライナ危機から、ロシアは欧米の経済制裁を受けている。そしてロシア最大、というか事実上唯一の輸出商品であるエネルギーの価格が低迷している。最近はOPECの減産が奏功し、エネルギー価格は上昇傾向だが、OPECの結束は弱いし、価格が上がれば米国でシェールガスなどが豊富に出回りだしてまた価格が下がる可能性は十分ある。

今や資源国の価格競争力は下がり、ロシアの優位性もなくなっている。プーチン大統領はイライラが募り、焦っている。日本としては大きく構えて、向こうが好条件を出すのを待っていればいい。こちらから積極的にロシアに経済協力する必要なんてないのだ。

しかし、商売を知らない外務省はそこから先の民間ベースの商売まで細らせたままにしておく悪癖があった。 

ロシアには「日本と付き合って損はない」ということをわかっていない保守派の政治家や官僚が多い。だが、極東ロシアは安定したロシア社会をつくって雇用の場をふやし、中国との国境警備を強化する必要がある。

その際、純商売ベースのきちんとした日本との取引が広がれば、ロシアにとっても必ず利益が出てくる。取引が増え、技術やノウハウがロシア企業に広まり、雇用が拡大して行く。

ロシア側はそれに気付いて、だんだん取引を増やそうとするはずだ。その結果、サハリンやウラジオストックだけでなく、「北方領土のビジネスでも日本が一緒にやってくれ」「日本が事業を買ってくれ」「投資してくれ」となる可能性は小さくない。結果として北方領土の経済は日本が主導する形に変わって行く。その際も、事業は徹底して商売ベースで行い、甘い態度で補助金などは出さない。これまで不当に日本の領土を占拠していたんだから、「弁償金を出せ」と主張するのが正しい。

こうした事を理解していないのは外務省や経産省を中心に商売を知らない日本政府で(安倍首相も怪しい)、もっと民間企業の商売を前面に押し出し、ロシアを取り込んでゆく。その姿勢が長い目で見て、北方領土問題の解決につながって行くと考えた方がいい。

だから、安倍首相は今回の交渉が頓挫しても、悠然と構えるべきで、間違っても外交的な成果を挙げようなどとは考えないことが大切だ。チャンスはこれからも来ると。

安倍・プーチンの関係が良好だったことから、「今回の交渉を逃したら今後100年、日ロ平和条約なで実現しない」などといった声が保守派にも多く見られる。だが、それこそロシアの思うツボにはまる、と心得たい。






Last updated  2016.12.14 19:10:32
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2016.11.28
カテゴリ:技術
今日(28日付け)の日本経済新聞の経済教室に大西隆・日本学術会議会長が「安全保障と学術の協力」を書いている。「安全保障に役立つ基礎的科学研究は必要」としつつ、「防衛秘密に関する研究避けよ」と説いている。

要するに、自衛目的ならいいが、侵略的、攻撃的な軍事力の研究はお断りだ」と言っているのである。他国を侵略したり、一方的に攻撃する軍事力を拡充する研究をしないのは当たり前であり、そんな研究は世界的に批判されている。そして「自国は防衛的な研究だけをしている」と各国の為政者は語る。

だが、それはいずれもタテマエなのである。攻撃と防御は裏表の関係にあり、防衛的な兵器はいつでも攻撃になりうる。そういうことの方が多い。従って、いかに攻撃的に使わないかが、その国のあるべき政策なのだ。

その点を冷静に踏まえ上で、「悪魔の所業」となりうる軍事兵器の長所、短所を正確に研究し、改善点を探らなければならない。なぜか。

日本という国を敵の攻撃から守るには、敵の攻撃力を正確に把握し、それに対処できる能力を身につけねばならないからだ。米国に守られていたときはいいが、トランプ次期米国政権になるにつれ、日本自身の独立した防衛力を求められてくる。それを踏まえて集団的自衛権の行使容認や、軍事力の充実論が登場しているのである。

大西氏はそうした東アジアの「いまそこにある危機」への認識が極めて薄弱、ないし欠如している。だから、日本をどう守るか、そのための核術研究は何かという視点が乏しいのだ。彼の姿勢は次の文章に表れる。

<日本学術会議は1950年と67年に「戦争を目的とした科学の研究を行わない」という趣旨の声明を出している。筆者は日本国憲法の戦争放棄、軍隊不保持・交戦権否定の条項を支持している。従って憲法前文の記述を踏まえ、近隣諸国を含む諸外国との友好関係の構築に努め、相互の信頼と尊重の下で平和を維持することを目指すべきだと考える。……この観点で、日本学術会議の2つの声明も堅持すべきだと考える。>

<しかし一方で、現実論としては、国連憲章にも明記されている自衛権に基づき自衛組織を保有することは国の安全保障にとって避けられないと考える。そのためにいわば戸締まりとして、自衛隊やその装備が必要となる。従って自衛隊の存立を認め、大学などの研究者がその装備のための研究開発をすることを認める。>

これは集団的自衛権を意見とする憲法などリベラル左翼派の学者の典型的な矛盾である。「戦争放棄、軍隊不保持・交戦権否定の条項を支持している」のなら、自衛組織として自衛隊が必要だと思っても、憲法9条を守って自衛隊の存在を認めるべきではない。自衛隊が必要と思うなら、憲法9条を改正すべきと主張すべきだろう。

こんな矛盾を露呈したまま、現状追随の形で自衛隊を認めるのは国民の大半が自衛隊は必要と思っているからであり、消極的であっても、これを認めざるをえない。大西氏はそれを「現実論」という。

こんないい加減な考え方で憲法を読んでいる小中学生を説得できると思っているのだろうか。いくら大西氏たちが「自衛隊は軍隊ではない、憲法違反ではない(王様は裸ではない)」と言っても、5兆円もの予算をつけて活動している自衛隊を見て子供たちが「王様は裸だ(自衛隊は軍隊だ)」と言ったら、どうするつもりか。

大西氏は「自分はつねに国家の軍事的な行為に目を光らせている平和で清潔な研究者である」
ことを訴えるために、矛盾を平気で認めてしまうのだろう。

「戦争を目的とした科学の研究を行わない」「諸外国との友好関係の構築に努め、相互の信頼と尊重の下で平和を維持することを目指すべきだと考える」などというのは、理想論というより、現実を知らない学者の書生論、空想論である。そういうと「危険な軍事拡張論だ」などとトンチンカンな反論をしてくるが、現実の各国の動きを見て、なぜそう思わないのか。やはり「自分は平和論者なんだ」と周囲に認めさせる事にのみ考え、国家の安全保障を無視している。保身だと言っても良い。

だから、大西氏は自衛隊を認めても、極めて消極的である。

<自衛目的に限定して、大学などの研究者が将来の装備品開発に役立つかもしれない基礎的な研究をすることを可能とする条件について考えてみよう。最も重要なのは、研究目的が自衛装備の範囲内であることの説明責任を、研究資金を提供する側、研究実施者、さらに実施者が属する機関がそれぞれ果たすことだ。
 同時に研究成果がすべて論文や特許として公開され、広く社会に還元されることも欠かせない。防衛秘密を使ったり、防衛秘密を生み出したりする研究ではないことが肝要だ。留学生が研究に参加できる制度であることも国際化を進める大学では必須だろう。>

 一見、平和敵な考え方と思うだろう。だが、中国や北朝鮮は虎視眈々と日本の先端技術を狙っている。日本は今までも多くの技術が盗まれている。

日本の安全保障を考えるなら、一定のレベルの研究は公開せず、留学生の参加も認めない姿勢が重要だ。

先端技術の秘密保持は中国やロシア、北朝鮮はもとより欧米でも当然のこととしてやっている。ネットのサイバー技術や宇宙空間の研究が国に安全保障の死命を制するようになっているいま、そこを考えずに、平和的に対処しようなどと考えているとすれば、現在の国際社会の動きを全く見ていない、と言わざるをえない。

日本学術会議とは誠に困った存在である。







Last updated  2016.12.01 11:49:10
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2016.11.17
カテゴリ:マスコミ
前回、「トランプ・ショック」を「革命的な変化」と書いた日本経済新聞を大げさだと批判するブログを書いた。だが、当選決定前の雰囲気を思うと、日経の反応もやむを得なかったと、ちょっと同情している。私自身、トランプが当選する可能性は小さいと思っていたという反省もある。

それを改めて感じたのは「WiLL」12月号で中西輝政・京都大学名誉教授が坂元一哉・大阪大学教授との対談「『ヒラリー幻想』を戒める」で語った言葉だった。選挙直前の対談だが、当時の雰囲気がよくわかる。

<今や、よほどのハッピー・ルーザー(負け好きの人)でない限り、いやでもクリントンに賭けるでしょう。……とりわけ(選挙の)終盤になって、「トランプが大統領になったら、、アメリカは大惨事になる」と金切り声で叫んでいるアメリカのメディアにしてみれば、「Anybody but Trump(トランプ以外なら誰でもいい)」なんでしょうけれど。>

中西氏や坂元氏もトランプ当選は「まさか」だったのである。それには米国のメディアの雰囲気が大きく影響している。

米国のマスコミはどういう状態なのか。同誌はジャーナリストの高山正之氏と政治評論家の加藤清隆氏の対談「鼻つまみ者と嫌われ者の戦いだよ」を載せているが、その中で両氏が語っている。

<加藤 これまで中立だった「USAトゥディ」はトランプに投票するなとまで言い切っています。1996年のビル・クリントンの2期目の大統領選の時、私はホワイトハウスの取材担当をしていたのですが、アメリカのジャーナリストの8割から9割は民主党支持でした。それはいまも変わっていない。>

<高山 いまやメディアに共和党支持者は皆無だよ。「ウォールストリート・ジャーナル」も「ワシントンポスト」も、ヒラリーを選ぼうと書いている。……異常なまでのトランプ叩きは、アメリカの新聞が瀕死の状態であることの証左です。トランプが勝てばアメリカ・ジャーナリズムの敗北にほかならない。そんなのを無反省に見習って追随している日本のジャーナリズムは大バカだよ。>

まさに日経ほか日本の大手メディアは自分では十分取材せずに、米国メディアに追随していたのだった。

さて、トランプ大統領になって、日本の防衛はどうなるのか。トランプ氏は選挙戦時には「日本が防衛費を出さなければ、日本を守らない。日本から撤退する」「自分で核武装でもして自分で守れ」と言っていた。

これに対して、見方はいろいろだが、全体的には「アメリカの財政赤字は増え続けているのでいずれ在日米軍は撤退の方向に向かわざるを得ません」(加藤氏)という意見が強い。

そこで中西氏は「防衛は、アメリカを頼ってばかりでは最後の保障がないので……いくらお金がかかっても日本自身で自前の防衛力を備えなければなりません」と発言。坂元氏は「そのご意見には百%賛成で、そうなってこそ、日米同盟はますます頼りがいのあるものになると思います」と応じている。

加藤氏は「現在の防衛費は5兆円を突破しましたが、米軍が撤退すれば通常兵器でもその5倍かかると試算されています。……今回の大統領選の最大の関心事はそれだと思うんですが、国会で誰も議論しようとしない。……核の話を持ち出すこと自体、タブーになっている。>

5倍かかるかどうかについては異論もあるが、基本的には同感である。産経新聞など一部を除くと、そのことを新聞、テレビなど大手メディアが全く無視していることが危うい。それだけ現実の状況取材に踏み込んでいない。何度も書いてきたことだが、そこが問題なのである。










Last updated  2016.11.17 22:15:32
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2016.11.15
カテゴリ:マスコミ
<「革命」と呼んでもいいだろう。米国民は過激な異端児に核兵器のボタンを預け、経済と政治の変革を託した。その衝撃は欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国民投票の比ではない。>

米国の選挙でドナルド・トランプ大統領が誕生した翌日の日本経済新聞朝刊1面の企画「トランプショックの第1回目「社会分断、危うい大衆政治」と題する文章の出だしである。

何とも大げさな、と思いませんか。当日、日本の株価は1000円も下げ、円も大幅に上がった。だが、株価は1日で元に戻り、その後は上昇基調。15日の終値は 1万7646円で前日より下がったが、下げ幅はわずか27円でほぼ横ばいだ。米国株に至っては14日まで6日続伸し、3営業日連続で最高値を更新した。
 
トランプ氏がインフラ投資拡大や金融規制緩和を表明する一方、過激な発言を次々と修正しているからだ。15日の日経1面はそれをやや詳しく伝えている。

<1100万人の全不法移民の強制送還は「犯罪者か犯罪歴のある人物、ギャングや麻薬密売人ら200万~300万人が対象」と述べ、その他の不法移民の扱いは「国境を安全にし、全てが正常化してから決める」と留保した。メキシコ国境に築く「壁」はフェンスを併用すると語った。
 日韓など同盟国の核保有容認は、13日のツイッターで「多くの国が核兵器を持つべきだとは言っていない」と否定した。
 廃止を約束していた医療保険制度改革法(オバマケア)の内容も、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで新法に一部を引き継いだり、現行法を修正するなど柔軟に対処する可能性を示唆した。>

「常識」へと変わり出したのは明らかである。見出しは「新政権 まず安全重視」。メキシコ国境もコストのかかる「壁」でなくフェンスを併用するいうことだが、フェンスだって、数千キロにわたってやるかのは相当困難で、カネもかかる。どこまでやるか。時間をかけつつ、人々の批判を招かないようにしながら、一部にとどめるのではないだろうか。

 環太平洋経済連携協定(TPP)やイスラム教徒の入国禁止についても強行なようで過激な発言はストップしている。 

 <TPPは、オーストラリアのターンブル首相との電話協議の際に改めて撤退を主張したもようだが、大統領選後の対外発信はない。再交渉か脱退を言明していた北米自由貿易協定(NAFTA)やイスラム教徒の入国禁止も直接言及していない。>

冒頭の日経記事はこう締めくくっている。

<トランプ氏の公約がすんなり実現するとは思えない。だが自由で多様な米国が著しく変質し、社会の深刻な分断と民主主義の劣化を露呈する懸念は拭えない。世界は経済の縮小均衡と国際秩序の空白におびえながら、緊迫の4年間に突入する。>

書いた記者も日経も、トランプ氏の過激な公約の実現は困難だと思っている。しかし、選挙戦時のトランプ氏は真に迫った口調で、時に口汚く罵り、知性を感じさせない側面も数々あったので、「これは大変だ」と思って「革命と呼んでも良い。世界は経済の縮小均衡と国際秩序の空白におびえながら、緊迫の4年間に突入する」と書いた(書いてしまった)のだろう。

新聞は「大変だ!」と変化を大きく表現することで読者を確保しようとしがちである。驚くようなニュース、特ダネを提供しなければ新聞は売れない。それは新聞の業であり、宿命である。

だが、大げさになって事実から乖離し始めると、読者は離れる。それを知っているから、トランプ氏が大げさな発言を訂正すると、追従記事を書き、自らの「過激」な企画記事を修正して行く。トランプは負けると書いてきた誤りと、その不明を恥じる文章は書かずに。

だが、時には誠実に、謙虚に自分達の取材が甘かった点を詫びる原稿を載せた方が読者の好感を呼ぶと思う。自分が元記者だったこともあって、そう思う。

ところで、トランプ氏も相当に強かだ、当選するためなら、過激な発言も繰り返し、当選となったら、すぐに軌道修正する。それが大きな反発を呼ばないように、インフラ投資や金融規制緩和政策を投入しながら。

大体、今回の選挙は僅差そのもので、ヒラリー・クリントン民主党候補とトランプ候補の得票数は5分5分だった。その意味では米国は二分されているといえるが、それで国が分裂することはない。

分裂より一緒にいた方がいいことはわかっているからだ。従って、選挙が終われば、双方の政策は似通ってくる。ただ、トランプ氏に内向き志向が強いことは確かだし、中国やロシア、中東、そしてアジアとの外交政策にトランプ独自の色合いが出てくることは否めないだろう。

そこを見極めつつ、日本の望む方向に政策を進めるしかない。もとより日米同盟は今後も最重視せねばならないことは言うまでもない。だが、今までよりも日本の外交の自由度が高まるのならば、それは結構なことだ。






Last updated  2016.11.17 13:07:22
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2016.11.11
カテゴリ:外交・軍事
ドナルド・トランプ次期米国大統領は、選挙演説で日本の防衛努力と防衛費負担を望んでいる。

「日本は米軍が日本に駐在してほしいなら、駐留経費を全額、支払え。それがイヤなら米軍は日本から全面撤退する」と吼えている。「自分が大事ならば、日本は核武装もすればいい」とも言っている。

多くの日本人は従来、こう考えてきた。

<米国の軍事力は圧倒的に大きく、日米同盟は片務的で良い。日本の安全は米軍に任せる。軍事基地が沖縄をはじめ全国にあっても、それで安全ならいいではないか。「思いやり予算」もドイツなどに比べて多めでも、向こうに全面的に守ってもらえるならばそれでいい。>

しかも、自民党政権が防波堤になって米国との面倒な関係を処理してきた。二重の盾に守られ、自分では安全保障について真剣に考えてこなかった。それだけ怠けていられたのだ。

 だが、トランプ氏は、米国内の内向き志向に合わせ、オバマ現大統領以上に「世界の警察」の立場を降りたがっている。米軍の活動範囲を狭める可能性はある。「米軍基地はグアム、ハワイ、オーストラリア以東で十分だ」と考えているフシもある。

今や、安全保障について怠けることはできなくなった。だが、これは日本人がまともな「大人」に成長するのに好都合と考えるべきだろう。自国の安全保障を他国に任せ、考えることすらしない、というのはとても一人前と言えないからだ。

まず防衛費負担を要求されたら、これ以上は出せない、と断るべきだろう。それだけ膨大な予算を計上していることを具体的にはっきりと伝えるべきだ。

米国防総省によると、日本の米軍駐留経費の負担率は74・5%で、ドイツの32・6%、韓国の40%と比べてはるかに高い。日本の負担と基地提供なしに米国の世界戦略は成り立たない。米国防総省はそのことを十分に知っている。

さらに、日本の防衛技術やサービスの水準は世界最高であることも。

以前聞いた話だが、米国の第7艦隊の司令官は「我々は横須賀を絶対手離さない」と言ったという。なぜか? 「例えば、台湾に緊急に出動しなければならなくなった時、横須賀がないと資材・食料調達に困るからだ」。全部、自分たちで調達するのは大変な作業だが、横須賀基地で日本のスーパーに注文すれば、台湾に行く途中の鹿児島辺りで軍事物資以外のすべての資材が調達できてしまう。「これほど便利なサービスをしてくれる国は米国を含めて日本しかない。これが本当の軍事基地だ」。

食料・物資調達だけではない。戦闘機などの整備でも日本の整備サービスは抜群で、軍人たちは絶対の信頼を日本基地従業員に寄せている。

トランプ氏はそのことを知らない。日本政府職員と国防省幹部がかんで含めるように説明すれば、ビジネスマンとしての経験を積んでいるトランプ氏はすぐに理解するだろう。

それでも日本での軍事基地を減らす可能性はある。沖縄からの海兵隊の撤退などは進めるかも知れない。その際は基地を提供している地主の地代収入や日本政府による基地負担費の提供は減ることになる。

米軍基地の撤退を主張する沖縄住民は、ホンネベースでそうした事態を望んでいるのかどうか。沖縄基地の縮小も沖縄にホンネベースで「大人の対応」を迫るという点では望ましい話である。

日本は核武装を含め、自前の武装を拡充しなければならない。そのことを米国と協議することも重要だ。自立した国、国民になるためである。


日本の防衛費負担はGDPの1%ではなく、国際的には当たり前の水準である同2%とする。負担は大きいが、軍事産業の発展は日本経済の成長に貢献する。

核保有については、トランプ氏は発言を後退させる可能性が大きいが、ドイツなど西欧並みに「核シェア」を協議して行くことはできよう。

日米安保条約をより対等なものへと、日本側から言い出せるチャンスが開けるわけだ。公明党や、民進党、共産党は反対するだろうし、戦後ずっとアメリカ依存でやってきて、安全保障の自立を徹底的にさぼってきた外務省も言を左右して抵抗するだろう。トランプ当選を予測できず、当選にたじろぎ、驚いている外務省の姿はそうした長年の怠慢、現状維持にあぐらをかいてきた無残、醜悪の結果なのである。

だが、アメリカが、トランプ氏が日本に自立を要求しているのだ、となれば、日本にとって避けられない戦略、政略の整備であろう。

日本に「自立」を強いるトランプ氏の「内向き志向」を前向きに受け止めることが、今(後)の日本人にとって不可欠なのであり、望ましいことと言える。

 








Last updated  2016.11.15 17:04:11
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2016.11.10
カテゴリ:マスコミ

ドナルド・トランプ氏が米国の大統領に当選した。驚いたが、日本の大手メディアほど驚いてはいない。支持者調査では常にクリントン候補がトランプ候補を上回ってはいても、その差はほとんど2~4%程度の接戦だったからだ。

だが、米国の大半のメディア、そして日本のメデイァもこの差を決定的な格差とみて、勝つのはクリントンと決め付けるような報道して来た。それどころか、暴言が絶えず「品のない」「知性に欠ける」トランプを追い落とそうとキャンペーンを張った。左翼リベラルの偏ったメディアはヒラリー・クリントンを応援、明らかに偏向した報道が目立った。

その分、現実の米国人の感情や投票姿勢を不十分にしか取材できていなかった、ということだ。ワシントンやニューヨークなど政治と経済の中心地にだけで話を聞き、全米の草の根への地道な取材をして来なかったのだ。いい加減だったのである。

クリントン候補の支持者ばかりを取材し、クリントン擁護に腐心、トランプ候補及びその支持者の取材は大幅に少なかった。なぜトランプを支持するのか、その背景などとなると、腑に落ちる取材はほとんど見られなかった。

メディアはその不明を恥ずべである。だが、今のところ、率直な反省の言葉はほとんど聞こえて来ない。NHKなど日本のテレビでは、現地報道取材者がトランプ氏が「逆転勝利」などと評している。「逆転」とは当初負けていて、後で勝つことを意味するが、トランプ候補は負けていたわけではなかった。

事前のアンケート調査で僅差でクリントンより支持率が低かったというだけである。実際の投票では当初からほぼ一環して有利だったのではないか。

だから「逆転勝利」というのは、自分たちが勝手にクリントン候補が勝つと予想、期待していて、それが覆ったことを言っている。まったくの(間違った)お手盛り評価が「逆転」したにすぎない。事前の誤った予想を全く反省していない。

偉そうな事は言えない。かくいう私も現役記者時代、事前の予想が食い違ったことはしばしばあった。苦渋の思い。それを克服するには、何が間違ったか、謙虚に取材し直すに尽きる。
 
ヒラリークリントン候補の不正蓄財疑惑への嫌悪、メール問題。行き過ぎたグローバリズムへの白人を中心とした中低所得層の反感、危機感、その根っこへの具体的な取材である。

メディアの多くが左翼リベラル野仲、「非知性的な」トランプ候補応援者のことを報道するのは摩擦と批判が強く、報道しにくかったのは確かだろう。だが、それでも「事実を取材し、報道する」がメディアの基本だろう。

反省せよ、と書くゆえんである。 

 






Last updated  2016.11.10 10:49:20
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2016.11.09
カテゴリ:経済・産業
JBプレス9日付けで<「年末までに日経平均は2万円を超える!」
「アベノミクス第2弾の株高が始まった」と説く武者陵司氏に聞く>というインタビュー記事を掲載した。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48326

日経平均が1万7000円台に入ったが、武者氏は「これは一時的なアヤではなく、これから壮大な株価上昇が始まる」という。「8000円から2万円へと2.5倍になったアベノミクスの最初の状況と同じスケール、第2段の始まり」と、エコノミストや学者の体制とは逆の強気の見通しだ。

 「2年で2%」という日銀の物価押し上げは実現していないが、有効求人倍率年は25年ぶりの高水準、失業率も3%に低下して、低率ながら賃金が上昇。住宅家賃も上昇基調にあり、デフレ脱却の基盤は整いつつある。

 そのもとで、9月の日銀の政策決定により長期金利がゼロに固定された。現在の株式益回りは6~7%、配当利回りは2%。0%の預金金利、国債利回りとの差は著しい。借金して株や不動産を買っても損するリスクは大幅に低くなった。金融庁もリスク規制に厳しかった従来の金融政策を大転換、「リスクテイク促進」を民間金融機関に働きかけている。

 貯蓄より投資――。「政府、日銀一体となっての投資促進政策が株価を押し上げる可能性は高い。それは消費や投資を拡大し、経済成長のテコになる。2020年頃までに名目GDP(国内総生産)600兆円という政府目標の達成も難しくない」と語る。明るい見通しは不安と隣り合わせだが、当れば魅力的だ。

 詳細はJBプレスを見てほしい。






Last updated  2016.11.09 11:18:10
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2016.10.27
カテゴリ:日本・日本人

来日したドゥテルテ氏に見られるのは、政治家あるいはリーダーとしての決断力、行動力である。「アメリカはフィリピンを長く植民地とし、フィリピン人を抑圧し、虐殺もした。その米国大統領に麻薬犯の取り締まりが人権蹂躙などと言われたくない」「植民地化、侵略という過去の歴史を考えたら、上から目線でえらそうに言える身分か」。

言いたい放題で、オバマ大統領と米国政府を批判する。正直、胸のすく思いだ。憧れさえ抱く。日本もアメリカには国際法違反の東京など大都市への大空襲や広島、長崎の原爆投下を実施された。占領下では言論・報道の自由が著しく制限され、教育改革や憲法改正でも国際法違反の押し付け政治をさんざんやられた。

だが、日本のマスコミは今、私が書いた程度のことも言えない。米国はどう思うか。つねにそう考え自己規制して羊のように判断し、行動しているのが日本のメディアであり、政府である。そこがドゥテルテ氏との大きな違いである。

ドゥテルテ氏は中国の習近兵国家主席との会談では中国との協調、友好を強調しつつ、2兆5000億円の経済協力金を引き出すことに成功した。
一方で、安倍首相との会談では「両国の友情とパートナーシップの強化」を強調、習近平国家主席との会談では直接の言及を避けた仲裁判決について、「同判決の範囲外の立場を取ることはできない」と拘束力を持つとの立場を強調した。

米国に対しても、経済的、軍事的協力を否定するような大胆な話をする一方で、「米国との外交関係を断ち切るわけではない」とも語る。

要するに、フィリピンにとって必要なものは中国からも日本からも、米国からも頂く、「第一に掲げるのはフィリピンの国益だ」という点でドゥテルテ氏の行動は一貫している。その範囲内で相手が嫌がることでも「言いたいことは自由に言わせてもらう」という姿勢である。それをフィリピン人は高く評価し、同氏は圧倒的な支持を得ている。


日本でドゥテルテ氏に近い行動力を示せたのは石原慎太郎氏、あるいは、石原氏が「天才」として再評価する田中角栄・元首相だろう。角栄氏は様々な問題を解決する器量と決断力を示すことができた。

しかし、米国はその「天才」をもロッキード事件で社会的に葬り去る力を持つ。それを知っているからこそ、角栄氏ほどの実力のない日本の政治家は思いきった行動に出れない。

怖いのは米国だけではない。日本の野党であり、何よりも世論、有権者である。法的には稼働してなんら問題のない原子力発電所を動かせないのは一例だ。国民が「怖い、不安」と恐れる原発は原子力規制委員会のお墨付きがないと、動かさない。2011年の東日本大震災以来、停止している原発のムダなコストは10兆円をはるかに超えている。それがあれば消費税率を引き上げなくてやれたという規模だ。

支持率の高い安倍首相は、野党や世論の反発の強い集団的自衛権の行使容認には動いたが、それは米国の推奨していることであり、それ以上には動いていない。

好例は憲法改正だ。自民党や日本維新の会などいわゆる「改憲勢力」が衆参両院で発議に必要な3分の2 を超えたにもかかわらず、憲法論議が一向に前に進まない。

安倍首相は世論の反発で、支持率が下がることを恐れ、「各党間の自由闊達な議論をしてもらいたい」「国民からも憲法 改正を理解してもらえるよう進めてほしい」と求めるだけで、それ以上の行動には出ない。極めて慎重だ。

山田吉彦・東海大学教授は尖閣諸島への中国侵略に対抗するには今すぐにでも、尖閣に海洋開発、環境保護の責任者を送り込んで、尖閣諸島を日本主導の国際的な海洋開発の拠点にすることが大切だと説く。結果として尖閣諸島を領土として確保する有効な政策になるとして、安倍首相に一歩踏み込んだ行動を期待している。
だが、そんな動きも今はない。「今そこにある危機」に対して極めて不活発な動きしか示せないのが、日本の政治である。

フィリピンでは麻薬被害が深刻で、麻薬犯をその場で殺害するような超法規的な警備をしなければ治安が保てないという厳しい状況にある。平和な日本とは決定的に異なる。だから、ドゥテルテ氏は思いきった行動がとれる。是非は別にして、日本はフィリピンよりも政治的に成熟し、安定した国家だから、思いきったことはできないとも言える。

だが、それにしても、ドゥテルテ氏ならば、日本でもっと思いきった判断と行動をしているのではないか。それはリスクを伴う。下手をすれば、米国の離反と中国の支配を招く危険と隣り合わせの外交をドゥテルテ氏は進めている。

が、それを「うまくやる」自信と意欲が、ドゥテルテ氏にはある。そう感じさせる昨今だ。リスクは最小限にしなければならない。だが、ある程度のリスクを覚悟しなければ、米国の軍事外交力が低下し、「Gゼロ」と言われる現在の国際社会を乗り切れない。

今一歩、踏み込んだ政治外交を、安倍首相に望みたい。






Last updated  2016.10.31 22:21:26
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2016.10.22
カテゴリ:外交・軍事
中国の習近平国家主席とフィリピンのドゥテルテ大統領は20日、北京で会談し、南シナ海の領有権争いについて、対話で解決を探ることで一致したという。

習氏はインフラ建設などでフィリピンを支援すると表明した。それをテコに領有権争いを「一時棚上げ」しようというのが中国の考えだ。

フィリピンの提訴による国際仲裁裁判所での裁定は南シナ海問題での中国の言い分を全否定、フィリピン側に味方しているいる。だが、ドゥテルテ大統領は裁判所の裁定を「紙くず」とした中国寄りに動いた形だ。
 
「国際法の支配」よりも「力による支配」のもとに、外交を展開しようというのである。
 
そう思ってみれば、東アジアにおいて、法による支配などはお寒い限りである。中国、北朝鮮、ロシア、そして産経新聞記者を訴追するなど、数々の非民主主義的行為の目立つ昨今の韓国を見ても、人治であり、力による支配が濃厚である。

力で動かなければ、自らの地位が危なくなり、場合によっては抹殺、暗殺されてしまう地域なのだ。 

例えば、プーチン大統領は、未然に阻止されはしたものの、明らかになっているだけで過去5回、暗殺が試みられた。逆に、2006年にロンドンで起きたロシアの元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏の毒殺事件について、ロシアのプーチン大統領が殺害を「おそらく」承認していたとする調査結果を、イギリス内務省が発表するなど、対立者への「暴力の行使」も聞かれる。

中国のウィグル、チベット、南モンゴルへの侵略、弾圧は様々に批判され、その力の行使は今も続いている。北朝鮮の人民弾圧は言うまでもない。

フィリピンのドゥテルテ大統領も、大統領就任前から麻薬撲滅のために厳しい態度で臨んでおり、麻薬犯罪に関わる容疑者を裁判にかけることなく逮捕の現場で射殺する事件がわずか1ヶ月余りで1800件が発生したという。

「まさに人権蹂躙だ」との批判は、アムネスティ・インターナショナルや国連が繰り返し警鐘を鳴らし、オバマ米大統領も人権侵害をやめるよう発言した。これにドゥテルテ氏が反発したことが、今回の同氏の中国接近への1つのきっかけにもなっている。
 
力の支配が望ましくないことは言うまでもない。だが、東アジアでそんなことをのんびり言っていられるのは日本だけだ、とも言える。

国際社会はフィリピンの人権無視を強調するが、開発途上国や新興国では、人権よりも治安を優先せざるをえないことも少なくない。

フィリピンでは麻薬犯罪が横行し、また麻薬を資金源とした反政府系組織による暴動も起き、生ぬるい手法では国を維持しがたい。

ドゥテルテ氏は超法規的、強引とも目される手法ながらダバオ市長時代に麻薬犯罪と真剣に向き合ったことから、麻薬撲滅と治安の安定が得られた。それが住民に強く信頼されて長く市長を続けられ、今日、大統領にも選ばれた。

オバマ大統領の人権無視批判に対し、ドゥテルテ大統領は、「米国が比国を占領していた時には人権無視も甚だしく、虐殺をやってきたではないか」と反論する。

「法の支配」を説く米国も偉そうにはいえない。過去、国際法を無視した虐殺を多大に展開してきた歴史がある。

余裕がなければ、古今東西、むしろ「力による支配」の方が圧倒的に多かった。

ここで言いたいのは東アジアでは、それが今も続いている、ということだ。背景には相対的に米国の力が落ち、内向き志向となり、米国に頼りっきりでは安全とは言えない厳しい状況がある。日本も安心できない状況だ。フィリピンが主権の奪還、維持を図るには、中国に近寄るぞと見せかける必要もある。ドゥテルテ氏の中国接近はそうした高等戦術なのである。


中国側によると、今回の会談でドゥテルテ氏は、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)による融資などフィリピンへの経済支援に期待を表明。会談後、鉄道などフィリピンでのインフラ開発のほか経済貿易、麻薬犯罪対策、テロ対策など13分野の協力文書に署名した。製鉄所の建設や鉄道・港湾の整備で協力する。比大統領府によると、中国は麻薬中毒者の更生事業などに90億ドル(約9300億円)超を融資すると約束した。

むろんこれでフィリピンの思う通り、実利を確保できるかどうかは不透明だ。中国は甘いエサを与えてドゥテルテ氏を取り込んで、かつての中国が尖閣諸島についてそうしたように、南シナ海問題を「一時棚上げ」し、自分たちが有利な状況になったら、一気に占拠しようというハラである可能性も大きい。

米国や日本との関係が冷却化すれば、それは中国の望むところだろう。だが、行き過ぎれば、フィリピンにとっては大きな国益の損失となる。かつて米軍航空基地を追放してし中国の進出、脅威を招いたように。

ドゥテルテ氏もその点を勘案して虚虚実実の駆け引きを展開するのだろう。
重ねて言いたいのは、日本もノウ天気に構えていられる余裕はない、ということだ。

「国際法による支配」重視は当然だが、その奥では「力による支配」がうごめいている。米国の内向き志向で、東アジアは「力重視」に傾いている事を再認識したい。日本は「力の支配」の行方を今まで以上注視していかねばならない。

そういう厳しい状況が強まっている。






Last updated  2016.10.25 11:45:22
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2016.10.20
カテゴリ:外交・軍事
本日(20日)付けのJBプレスに<尖閣諸島を日本の海洋研究の拠点にせよ! 山田吉彦氏に聞く「東シナ海で中国を撃退する戦略>というインタビュー記事を載せた。

中国の尖閣諸島への攻勢が強まり、今にも奪われない勢いだ。だが、日本政府は「断固、抗議する」と言いながら、具体的な対抗措置をとらない。海上保安庁による受け身の警備に依存しているのが実情だ。

大手メディアはこうした「今そこにある危機」を小さくしか取り上げない。だが、「このままでは中国は本気で尖閣に上陸するのではないか。竹島を韓国に取られたのと同じことにならないか」。
国民の間にはそんな不安が広がっている。国境問題研究の第一人者である山田吉彦・東海大学教授は、「今不可欠なのは、尖閣諸島に海洋環境の国際的な研究機関を設置し、日本の領土であることを世界に知らしめることだ」という。

 同時に、尖閣上陸をめざす中国軍に対抗するには「海保内に海上自衛隊の艦船とともに自衛隊員を出向させ、中国に対抗できる力を持たせることだ」と提言する。海上自衛隊に海保を組み込む従来の考え方とは逆転の発想だ。

 山田氏に「尖閣諸島で中国を撃退する戦略」を聞いた。詳細はJBプレスのインタビュー記事を読んでいただきたい。






Last updated  2016.10.20 06:49:59
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