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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2012.11.25
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カテゴリ:歴史
 もう1回、ベトナム人餓死の問題を書かせてください。

 ウィキペディアの「ベトナム戦争」を引くと、「ベトナム大飢饉とベトミン」の項にこうある。

 <1944年末から1945年にかけてのベトナム北部で大飢饉が発生し、20万人以上、ホー・チ・ミンの主張では200万人が餓死する事態が発生する。コミンテルンの構成員であったホー・チ・ミンを指導者とする「ベトミン(ベトナム独立同盟)武装解放宣伝隊は「飢饉は日本軍の政策によるもの」と主張し、民衆の反日感情が爆発した。またフランス政庁も反日感情をあおるために保有米を廃棄するなどした。この飢饉がベトミンの勢力拡大の決定的な機会となった>
 
 日本は1945年3月にフランスを追い出し、ベトナムの独立を導いた。フランス支配下にあって王朝を維持していたベトナム帝国(阮朝)のバオ・ダイ皇帝は涙を流しながら、「戦争終了後は友邦日本とともに苦難を越えて共同してゆきたい」と語り、3月11日にはベトナム帝国樹立を宣言した。

 だが、ベトナム革命をめざすホー・チ・ミンはそれでは困る。日本によるフランスの追放は革命の好機だ。今こそ民心をベトミンに集め、阮朝をも倒していく必要がある。

 そこで、当時飢餓に苦しんでいた民衆に、飢餓の規模を大げさに語るとともに、「その責任は日本軍にある」と宣伝したのだ。「悪い日本軍を追い出し、ベトナムを救えるのは我々ベトミンである」というわけだ。
 
 これが効果を発揮し、民衆の反日感情が高まる。それを見越して劣勢だったフランス政庁までもが反日感情をあおろうと保有米を廃棄したことも重なって、「飢饉がベトミンの勢力拡大の決定的な機会となった」。
 
 共産勢力の宣伝力の見事さ、したたかさ、ずるがしこさがよくわかる話だ。
 
 ホー・チ・ミンは今のベトナムで革命の英雄、救国者として絶大の尊敬を集めている。だが、ホーにはこんな逸話があると、昨日紹介した高山正之氏が著書「ジョージ・ブッシュが日本を救った」(新潮文庫)の中で書いている。

<ホーの没後、フランスの小さな街で植民地官吏大学院に(若いころ――引用者注、以下同じ)彼が出した願書がみつかり「ベトナム人の私にできることは多い」と自薦の言葉が書かれていた。何のことはない、彼は虎の手先(「虎」はホー・チ-・ミンがフランスを批判的に指した言葉)になることに一生懸命だったわけだ>
 
 共産国家の「偉大な指導者」にまつわる伝説、賛歌の裏側にマイナスのエピソードが張り付いていることはよくある。スターリンも孫文や毛沢東、金日成も同様だ。いや、民主主義国家の指導者も含め、あらゆるカリスマには偶像破壊のエピソードに事欠かない。日本やアメリカでは少しでもスキャンダルめいたことがあれば、マスコミが徹底的にたたき、権力の座から引き摺り下ろそうとする。民主主義、言論の自由の行き過ぎとも言われる。
 
 前回も書いたことを再度記せば、世界の日本批判には裏がある、つねに自国の国益を増進させようという策略があるということだ。歴史の書き方もそうで、誇張や捏造が随所に見られる。そこを見破ることが必要だ。
 
 同時に再確認したいのは、人のやること、政府のやることに完全無欠はないということだ。日本の過去の歴史に問題点がないということはない。相当にあると言ってもいい。しかし、当時なりに、必死に生きてきた結果でもあるのだ。

 ホー・チ・ミンらベトミンが「餓死者の発生が日本に全責任がある」ように宣伝したのも、自らの革命を成就しようと必死で、何でも利用しようとしたのだろう。

 日本が他国である仏印に進駐したのも日本の自衛と国力維持のためであった。ベトナムに断りなしに、という批判があるが、当時はフランスの植民地だったのだから、フランスに断って進駐したことに国際的な問題は生じなかった。また、フランスを追放し、独立の手助けをしたのも確かだった。

 今、日本人(特に外務省やマスコミ)に必要なのは、ベトナムや中国や韓国や、さらにアメリカやロシアまで各国が宣伝のために書いている「日本を悪者にする」歴史記述の誤りを粘り強く正す努力だ。

 時代は完全な情報戦になっているからだ。中国は数十年前から、その方針で日本人を萎縮させ、諸外国を中国寄りにすることを狙っている。「従軍慰安婦」問題をでっち上げて日本をゆさぶる韓国も同様だ。

 日本の若者が誇りをもって日本の歴史を見るようにするためにも各国の繰り出す歴史のウソを暴いて行かねばならない。歴史のウソをいつまでも続けている朝日新聞などへの批判も怠ってはならない。





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Last updated  2012.11.25 12:00:27
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