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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2012.12.16
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カテゴリ:マスコミ

 元NHK政治部記者である渡部亮次郎氏がメルマガ「頂門の一針」(15日付け)で「監視される中国特派員」と題する記事を書いている。

 <中国に多少通じる人と会うと、「北京や上海の日本人記者は碌な記事を送ってこない」「中国に批判的な記事は1行も書かない」と非難する。だが、事情を知れば、この非難は的外れだ。日中間には「政治三原則」遵守を義務付けられた「日中記者交換協定」と言うものが存在し、中国における日本人記者の取材活動を縛り、監視しているのである。
しかも、それを暴露すれば直ちに「国外追放」が待っている。追放されたら2度と中国へは入国できない。彼ら彼女らは片時も自由を得られず怯えながら取材をしているのである>

 昨日、私のブログでこう書いた。

 <新聞の場合、海外支局を置いている外国で政府からの有形無形の圧力があったり、記者クラブを置いている行政や、広告がからみがちな企業との様々なしがらみがあったりなど、突っ込んだ記事が書きにくいうらみがある>

 中国が取材の自由の乏しい国であるのは有名な話だが、その分、ネットよりも有益な記事が少なく、はっきり書くネット情報に読者を奪われることになる。

 渡部氏は「中国語習得を売り物に入社した記者は殆ど中国にしか用事が無い。中国に入国できなくなれば商売上がったりだ。だから滞在中は中国から睨まれないよう萎縮して取材するしかない。それを評して『まともな記事を送って来ない』と非難するのは的外れでは無いか」と書いている。

 新聞、テレビ局側の言い分は「中国に記者がいなければ間接的な中国情報しか書けない。取材活動に制限があっても中国にとどまり、監視の目をかいくぐり、また表現を工夫して、行間を読ませるような記事を書くことで少しでも読者に真実を伝えたい。また、経済、文化、芸術、自然など政治三原則に触れないような情報で日本の読者が求める情報もたくさんある」といったものだ。

 しかし、それも程度問題だろう。渡部氏の言い分もわかるが、「まともな記事がない」と判断されれば読者は減って行くだろう。ネットでは中国人で反政府活動などをしている人間が多くの有益な情報を書いている。そちらの方が情報価値が高いと思われつつあるのだ。

 中国報道に限らない。欧米、中東、ロシア、アジアでも同様のことが起こりつつある。否、外国報道に限らない。政治、行政、企業経営、あらゆる分野でネットの攻勢が広がっている。

 そうは言っても、多くの記事について新聞の信頼性はまだ一定の水準を保っている。だからこそ取材制限のある国や企業、政治についての情報は、今まで以上にギリギリの取材、表現の工夫が必要となっている。「監視」をかいくぐる努力だ。困難でもやるしかない。





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Last updated  2012.12.16 06:25:20
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