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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2013.01.07
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カテゴリ:日本

 大前研一氏のメルマガ「ニュースの視点」にこんな趣旨のことが書いてあった。

 <週刊ポストによると、世界人口2%に満たない日本人 保険料は世界約18%のシェアで、「自分が契約している保険の内容を覚えていない加入者が驚くほど多い」という。また、12月10号のBloomberg Businessweek誌は「日本は人口が米国の2.5分の1に過ぎないにも関わらず、保険料は米国と同じ額」だとして、「日本のリスクに対する恐れが危険なレベルにまで達してきている」と指摘している> 
 
 日本人は貯金が世界一で、年金支払いも多く、さらに保険料も大量に払っているのである。 なぜそこまでやるのか。大前氏は「政府が信頼されていないからだ」と指摘している。

 そういう面もあると思うが、以前指摘したように、それ以上に日本人は、中でも70-80代以上の高齢者は戦前からの「貧乏哲学」が染み付いていて、「ぜいたくはいけない」「節約第一」と考えてきたからだと思う。 同時に、最近は危険を極端に恐れ、とにかく安全第一と考える風潮が強まっている。だから、貯金し、保険をかけておけば「いざ」というとき、なんたかなると思っているのだ。
 
 「脱・原発」の声が今も根強いのは、「危険なことはとにかく止めたい」という気持ちからきているように思われる。それは原発、軍事強化、食品の安全、医療、学校での水泳教育、遠足、体育祭などあらゆる分野に見られる。

 川や池には「危険」の注意書きとともに、危ない箇所に鉄条網が張り巡らされたりしている。日本人を子供並みに扱い、いつまでも自立させない行政が蔓延している。

 まさにBloomberg Businessweek誌に「日本のリスクに対する恐れが危険なレベルにまで達してきている」と指摘されても仕方がない面があるのだ。
 
 しかし、貯金や保険が多少減っても、つまり多少のリスクをかけても、やりたいこと、楽しみのためにお金を使った方がいい。そういう人が定年後の世代に広がりつつあるのを歓迎したい。

 同時に、脱・原発の風潮も、「脱原発」に慎重な自民党が選挙に勝利したように、一時よりは弱まっているのは望ましい。原発の危険度を最小限に抑える努力を続けながらも、化石燃料を持たない日本では少なくとも現存する原発は再稼動させた方が国家の損失を少なくできる。

 自衛隊も国防軍にした方が独立自尊の気風を浸透させ、長期的に安全性が高まるし、国民の精神衛生上もいい。

 子供もある程度のリスクを承知しつつ自然の中で育てる。それがいたずらに危険を恐れなくても済むような心身の堅固な人間に育てることになる。

 リスクをとりつつ(抑えつつ)、やりたいこと、やれること、やるべきことを進める。今年はそんな年にしたい。
 





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Last updated  2013.01.07 19:23:44
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