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カテゴリ:震災・行政
昨日のブログで、「被災地企業の復興は自力でやるしかない」と書いたが、9日の日本経済新聞に好例が出ている。温泉レジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」(福島県いわき市)を運営する常磐興産だ。
同社は東日本大震災直後に来場者が落ち込んだが、着実に回復し、2013年3月期の施設来場者は177万人超と、計画を4万人以上増える見込みだという。売上高は前期比59%増の471億円。連結最終損益は19億円の黒字(前期は88億円の赤字)になる見込みで、従来予想を4億7000万円も上回る。 昨年開業した新ホテルが好評で企業の宿泊・宴会需要などが増えているからだが、魅力的な施設とイベントが顧客の心をとらえたことは間違いない。 同社のハワイアン事業は、創業の炭鉱事業が斜陽化したことから始まり、成功させたものだ。炭鉱で厄介物扱いされていた地下から湧き出る豊富な温泉水を利用して室内を暖め、当時の日本人にとって憧れだったハワイをイメージしたリゾート施設にしたことが奏功したのだ。 その後、好不況の波に乗り、業績は紆余曲折をたどったが、温泉を取り入れるなど、時代のニーズに合わせた施設の拡充とイベントにより、集客力を維持してきた。映画「フラガール」でも有名だ。 およそハワイとは縁遠い福島県でハワイをイメージしたリゾートを成功させる。知恵と努力の賜物だろう。同じことは震災地のどこにも言えることだ。 日経は同日の紙面で、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)が2012年11月~13年1月期連結決算で、経常利益が前年同期比25%増の40億円だったことを報じている。 沖縄県・尖閣諸島をめぐる対立で日中間の渡航需要は停滞したが、欧州・ハワイ方面の航空券販売やツアー商品が伸びて収益を押し上げたことに加え、グループのテーマパーク、ハウステンボス(長崎県佐世保市)が好調だったことも増益を後押しした。 ハウステンボスは赤字で経営が行き詰っていたが、同社はこれを傘下に組み入れ、様々なアイデアで再建を進めた。その苦闘が実り、今回の好業績となった。季節ごとに花やイルミネーションをテーマにしたイベントが好評で、入場者が4割近く増え、連結利益全体の4割近くを稼いでいる。 やはり自力更生に優る経済再生、経済成長はない。役所が口とカネを出す「大きな政府」路線は再生を遅らせるばかりか、経営悪化を深め、財政悪化を拡大する結果となる危険が大きい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.09 11:03:40
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