1116287 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

鎌倉橋残日録 ~井本省吾のOB記者日誌~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

kmrkan

kmrkan

Calendar

Rakuten Card

Favorite Blog

文春新書『英語学習… Izumi Yukioさん

Comments

与那嶺@ Re:「日米開戦 陸軍の勝算」を読む(10/26) すばらしい。目が覚めました。軍トップは…
名無し@ Re[1]:ロシアとは純商売ベースで当たれ(12/14) 山路 敬介さん >最近更新がありませんが…
山路 敬介@ Re:ロシアとは純商売ベースで当たれ(12/14) 最近更新がありませんが、お体でも悪くさ…
par@ Re:「断固排除」--領海侵犯に一歩踏み込んだ発言の重要性(08/20) 尖閣についてはあらゆる事態を想定し、い…

Freepage List

Headline News

2013.03.12
XML
カテゴリ:震災・行政

 12日付けの日本経済新聞は「東日本大震災から2年たったが、人手不足が復興の壁になっている」という特集記事を載せている。

 人手不足のもと、人件費や資材価格の高騰で入札が不調に陥り、復旧・復興工事が思うように進まないという。

だが、被災者に対して冷たいようだが、記事を読んだ感想は「やむをえない」だった。

<復旧・復興工事の遅れでは建設作業員の不足が深刻だ。……建設作業員の1月の有効求人倍率は岩手が2.72倍(震災前の11年1月は0.69倍)、宮城3.92倍(同0.75倍)、福島は3.51倍(同0.73倍)に跳ね上がった>

<人手不足で工事の入札は落札業者が決まらず、不調になる例も目立つ>
 
<人件費や資材の高騰も復興工事の遅れや停滞に影響している。「入札の予定価格では人件費や資材の高騰で利益が取れないという建設会社も多い」(福島県入札監理課)>
 
 どうすれば、解決するか。賃金を大幅に上げれば全国から人はやって来る。資材費も予算を大盤振る舞いすれば、集まる。要するに、政府がもっとカネを出せということになる。

 だが、財政悪化のもと、復興予算には限度がある。だから、そんなに出せない。「時間がかかっても待ってほしい。天災の結果なのだから、やむを得ない」。政府や自治体の役人はそう口から出掛かっても、被災者に向かってはっきりとは言えない、というところだろう。だが、役所側の問題もある。

<土地区画整理や公共事業の発注は専門知識が必要だが、被災自治体はノウハウを持った職員が少ない。全国の自治体から応援職員を受け入れているが、新年度の4月に引き揚げる例もある>
 
 少し疑問だ。現役の専門家が必要なら、役所や建設会社のOBを全国からかき集めればいいはずだ。その努力が不足してはいないか。

また、専門知識と称しながら、杓子定規の規定に縛られてはいまいか。緊急時である。多少の不備に目をつぶって事業を断行する対極的判断はできないものか。
 
 さらに言えば、建設作業員も国内で不足しているなら、アジアなど世界各国から集めればいいではないか。言葉や風俗習慣の違う人々を管理できる自信がない。と言うより面倒がかさむ仕事をやりたくない、そもそもヤル気がないという役人の無気力が影響してはいないか。

 民間企業では、そうした努力により工場や事業所を復旧・復興させている例が多いからである。だから、復興事業も規制緩和により、もっと民間に委譲する仕組みにしたらいいのである。役所の権益保持の姿勢やタテ割り行政の弊害がありはしないか。

記事は「土木関連の復興事業以外でも人集めは厳しい」とも指摘している。若手中心に県外に流出した働き手が戻らないうえ、企業と住民が求める職種のミスマッチが続いているためだ。

だが、街の魅力が薄れて、人口が流出するのもやむをえない。8日のブログで書いたように、人の移動は自由だ。それを引き止めるのは街の魅力を維持するために、自治体がどれだけ工夫をするかである。その中には、有力企業を引き付けるような規制緩和や減税政策なども入る。

記事は「被災者の働く意欲が回復していないのも深刻だ」と指摘している。

<仮設住宅で暮らし住宅再建など自身の生活の将来像が見えない被災者の中には、働こうという気を起こせないまま立ち止まっている人も多い>
 
 被災者でないとわからない苦痛と寂寞とした空虚感が働く意識を奪っているのだろう。だが、これも厳しい言い方になるが、「立ち止まって」いられるのは、働かなくてもいいだけの資産を保有しているのでなければ、自治体から補助金や手当てが出ているからである。

 補助金漬けで毎日のようにパチンコやカラオケ、居酒屋に行く人々も少なくないという声を、被災地に詳しい人からしばしば聞く。

 復興で最も重要なのは、自身の手で復興させようという強い意思である。役所にはそれを促す政策が必要だ。働きたくなるような民間企業の誘致、規制緩和による育成策も大事だ。

 ガレキの山がなかなか無くならない。それは確かだろうが、戦後の焼け跡も同じ状況だった。その中から復興の槌音が広がって行き、働く場が確保され、徐々に焼け跡は整備されて行った。地道で大変なイバラの道ではあるが、今回もその道をたどるしかあるまい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.03.12 16:51:42
コメント(0) | コメントを書く
[震災・行政] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X