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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2013.04.20
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カテゴリ:外交・軍事
 産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏がオンライン雑誌「JBプレス」に、「北朝鮮が真っ先に日本を攻撃する理由 最悪事態を想定した危機管理を急げ」という論文(17日付け)を掲載している。

 論文の下敷きは、ワシントンの民間の国際安全保障研究機関「外交政策イニシアティブ」が先ごろ発表した「北朝鮮に関する米国と日本のウォーゲームからの教訓」と題する報告だ。
 この「ウォーゲーム」(模擬戦争演習)のシナリオは「北朝鮮が次の朝鮮戦争を始める場合、最初は米国や韓国ではなく、まず日本に攻撃をかける」というもの。

 <北朝鮮が日本国内の特定の無人地域を狙って弾道ミサイルを撃ち込む。死傷者は出さないものの、その標的の地域には命中し、次は人口密集の日本の都市に同様のミサイルを撃ち込むと脅す、との想定だ>

 北朝鮮が、韓国や米国ではなく、まず日本を攻撃する理由は「日本は自国領土にミサイルを撃ち込まれても、軍事的になんの反撃もできない」「全面戦争に至らずに米韓日との外交交渉を引き出せる」という読みが前提になっている。
 
 要するに、日本はなめられているのである。物理的な軍事力のみならず、戦闘意欲という面までも見透かされている。
 
 北朝鮮が求める「外交交渉」の「戦利品」は野心的だ。米国や日本との外交関係樹立、経済援助の獲得、そして在韓米軍の撤退、さらには在日米軍の撤退……。
 
 同報告のこの後を要約すると、米国側の対応はこうだ。

 米国政府は中国政府に接触して、北朝鮮の意図を探り、情勢の安定化に努める。同時に日本も加えた軍事力を「誇示」、韓国の協力も得て、北朝鮮のさらなる軍事行動への反撃の構えを見せる。

 だが、同報告は日本の軍事行動の限界も認識している。

 米国と共同でも日本側の北朝鮮への反撃能力が決定的に欠け、北朝鮮の第2次対日攻撃用のミサイルの破壊などの軍事的な反撃をしようにも独自にはできず、その作戦を米国に委託しなければならない。

 一方、中国との協議は、日米同盟への日本側の信頼性を失わせる。他方、中国は日米の対北朝鮮についての軍事的協議の強化に反発し、中止させようと、強い圧力をかけてくるだろう。

 同報告は、日本の対応策を次のようにまとめている。 
 
 <米日合同の北朝鮮空爆能力の確保はいまの日本の軍事能力では難しいが、F35戦闘機を自衛隊が導入すれば可能となる。日本は現在はその種の合同作戦には空中給油と情報収集や偵察の能力しかない>

 <北朝鮮による2010年の韓国の大延坪島への砲撃事件では、米韓合同の反撃計画が明らかとなり、北朝鮮が韓国への同種の限定攻撃を断行する確率は大幅に減った。だが日本にはその種の反撃計画はないので、北朝鮮は日本攻撃の誘惑に駆られる可能性が高い。米国は日本との共同の反撃態勢を築くべきだ>
 
 以上、ここから得られる私の結論は、日本は今からできるだけ早く、F35級の戦闘機を含む北朝鮮空爆能力を持つべきだということだ。同報告に見るように、北朝鮮が日本を攻撃する可能性は絵空事ではない。

 一方で、この報告に見え隠れする米国の「真意」は、自分が前面に出て、本気で日本を防衛する意欲はないということだ。韓国や中国の協力を得ようとしたり、日本にF35を買わせたり、要すると、北朝鮮のミサイルが米国本土に打ち込まれない限り、北朝鮮と全面戦争する気は乏しいと見るべきだ。

 日本自身が独力で北朝鮮と戦う姿勢をとらなければ、米国の軍事的な支援、共同作戦もないと考えた方がいい。日本がその姿勢を鮮明にして始めて、米国は北朝鮮の攻撃に対する反撃計画に参加してくるだろう。つまり、反撃計画は日本主導で策定することが肝要だ。

 また、そこまで真剣な防衛計画を持たねば、北朝鮮に親近感を持つ反日勢力を多数抱える韓国は、日本との防衛計画に協力する気にはならないだろう。もっと厳しく見れば、韓国自身が北朝鮮の前面攻撃にさらされることが明確にならない限り、対北朝鮮防衛で韓国は本気で日本には協力しない、と見た方が得策だ。

 中国の協力も限定的だし、北朝鮮に経済面だけでなく軍事面で協力することさえ、十分考えられる。中国の軍事力が高まり、米国の極東への軍事展開が衰えれば、北朝鮮だけでなく、韓国も中国の勢力圏内に入り、日本への攻撃勢力に変わる可能性もある。

 日本は今、そうした厳しい局面にあると考え、防衛予算の拡充と軍事力の強化を不退転の覚悟で推進しなければなるまい。

 日本の軍事強化を抑えようとする勢力は中国や韓国のみならず米国議会内にも根強い。日本の軍事的自立が日米同盟と自由民主世界の持続にとって不可欠なのだということを、安倍政権は粘り強く米国に説得して行く必要がある。





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Last updated  2013.04.20 21:16:36
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