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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2013.11.18
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カテゴリ:生活・人生
 ドイツに住み始めて30年という川口マーン恵美さんの書いた「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」(講談社)を読んだ。

 一番、驚いたのはドイツ鉄道のサービスの悪さ、というよりサービス精神がないという話だ。例えば、脱線事故を起こした場合。乗客が原因や振り替え輸送などの対策を聞いても駅員は「わからない」の一点張り。「申し訳ありません」の一言もない。切符の払い戻しを要求しても「今日は混んでいるから、明日来た方がいい」とすぐにやってくれない。

 日本でそんなことをしたら、乗客の怒号の嵐に見舞われ、新聞やテレビは一斉に鉄道会社をたたくだろう。事故があったら、職員総出で乗客の世話をし、切符の払い戻しや振り替え輸送の情報提供について懇切丁寧に説明するのが普通だ。

 それがドイツにはないという。技術大国ドイツ、故障なんてしないだろうというイメージが日本にはあるが、どっこい、エアコンの故障はしょっ中。真夏の特急では窓が開かないため、車中の温度が60度に達したことがあった。それでも列車を止めないため、乗客が次々に倒れ、気を失い、呼吸困難に陥る人まで出てやっと停車する始末。冷たい空気を入れるために窓を叩き割る乗客が出るほどだったという。

 これまた日本では考えられない。エアコン故障で呼吸困難に陥る乗客が出れば、鉄道の責任者は減俸、一時停職、悪くすれば解任されるだろう。

 しかし、ドイツ鉄道ではそんなことはない。第一、時間通りに走らなくても当然という雰囲気だという。国鉄時代の日本もそんなサービスの悪さが指摘されたが、時間の正確さだけは抜群で、時間厳守はJRに変わる以前の方が徹底していた。

 今では人身事故などでしばしば遅れるが、それでもドイツよりは格段にいい。ドイツ鉄道は「10分ぐらいは遅れではなく、ピッタリ帝国だと皆が感動する」。

 <もうひとつ信じられないのは、ホームで列車を待っていると、突然、「次の列車には六号車が接続していません。六号車の指定券をお持ちの方は、他の号車で空席を探してください」……というビックリ放送が流れることだ>

 これまた日本では考えられない失態だ。

 サービスが悪いのは鉄道に限らない。ドイツでは閉店法があり、日曜と祝日は聖なる休息日として年4回程度の例外を除き、すべての店が閉じている。24時間、年中無休のコンビニがある日本と大違いだ。

 どっちがいいか、もちろん、サービス大国の日本の方がいいに決まっている。

 ただし、あまりに便利な日本の繁華街はいつも騒然としていて、日本に帰ると便利さを喜ぶ反面、ドイツの日曜の静けさが懐かしくなると、川口さんは書いている。

 ドイツだけでなくヨーロッパは全体に日本よりもサービスは悪い。と言うより、日本のサービスは世界一と言ってもいいだろう。それは誇っていいが、川口さんの言うように、店舗の年中無休というのは行き過ぎているように感じる。

<日本の快適さはとても心地良いが、月に一日ぐらい、日本にあるすべての店を休業日にしたら、私たち日本人は結構元気になって、おまけに、省エネまで勝手についてくるような気もする>

 同感である。月に一度が無理なら、せめて正月の元日と2日ぐらい閉店し、初売りは3日からとしたらどうだろう。ずいぶん静かな穏やかな正月となり、来し方行く末を考える日々となって、日本人の精神生活が豊かになるのではないだろうか。

 最近の元日からの初売りは明らかに行き過ぎである。働く側も休みたいと思っている人が多いだろう。





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Last updated  2013.11.19 04:11:14
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