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カテゴリ:外交
前回紹介した日下公人氏の新著「日本と世界はこうなる 日下公人が読む2014年~」(WAC)に外務省批判が載っている。
<外務省(は)内向きには威張っていても、外に出るとからっきし弱い。……まさに滑稽なほどである。私は、外務省は即刻解体すべきであると主張し続けてきたし、いまもそう思っている> <外務省が海外でほんとうに日本人のために働いているのかは疑問である> その証拠に今年1月にアルジェリアでイスラム系武装組織によるテロ事件があったとき、情報の不備でそうした事件発生の可能性がほとんどわからず、日揮などの日本人駐在員に多数の死傷者を出した。 大使館が駐在員の安全にかかわる重要な情報を収集していないからだ。日本企業の現地法人にトラブルが発生しても「民間のことは民間で」と、逃げてしまう。 それどころか危機が起こる(起こりそうになる)と「民間人を置き去りにして、大使や大使館のスタッフが真っ先に逃げてしまう」と日下さんは憤る。 逃げるだけではない。付近で武力衝突や爆破事件などが起こると、大使館の門をすぐに閉ざして、日本人の駐在員や旅行者が避難しようとしても、なかなか中に入れてくれないことがしばしばある。2001年9月11日にニューヨークで起こった世界貿易センターへの飛行機突入事件の際も、多くの日本人が日本大使館に入館を拒否された。自分たち外交官のことしか考えていないと批判された。 要するに、日本の大使館は法人保護、安全保障の情報収集という基本をやっていないのだ。「やるのは日本から来た政治家や大企業首脳の接待と旅行代理店業務」と、やゆされている(ただし一部に有為な人材はいて奮闘している)。 まして、イザ危機というとき、在留邦人や旅行者を飛行機や船でその国から安全に退避させるための作戦も準備体制もまったくと言っていいほど、できていない。米国をはじめ通常の先進国では整備されているのに、だ。 日下さんは安倍首相を評価、支援しているが、それは国家安全保障会議(日本版NSC)の設置や秘密保護法の制定などを実現し、通常の先進国並みの安保体制と外交体制の整備をめざしているからだ。 先に外務省にも一部の有為な人材がいると書いたが、安倍首相はそうした人材の登用も進めているようだ。 外交は武器を使わない戦争と言われる。外国人と堂々と渡り合える人材の活用をどしどし進め、外務省を改革してもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.22 11:23:21
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