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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.02.02
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カテゴリ:科学
今年最大のニュー・ヒロインが生命科学の世界に誕生した。新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」作製に成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の研究ユニットリーダー、小保方(おぼかた)晴子さんである。

 今や新聞、テレビ、雑誌で注目の的だ。「リケジョ」(理系女子学生)の星として話題沸騰の趣である。なにせ脚光を浴びる要素がそろいすぎている。

 まずは画期的な発明の成果。細胞は受精卵から皮膚や筋肉などの細胞にいったん分化すると、元には戻らない。これが生物学の常識(だった)。ところが、小保方さんらはマウスの細胞を弱酸性の溶液に浸すだけで元の受精卵状態に戻る、つまり「初期化」することに成功した。初期化した細胞がSTAP細胞である。
 
 「過去何百年の細胞学の歴史を愚弄している」。いかに常識破りだったかは、小保方さんがを昨年春、この研究成果を世界的に権威のある英科学誌ネイチャーに投稿した際、こう酷評され、掲載を却下されたことに表れている。

 画期的な発明、発見とは数世紀にもわたる過去の常識、定説を覆すものであるからだ。

 万能細胞には、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞(人口多能製幹細胞)がある。iPS細胞は皮膚などの細胞に人工的に遺伝子を入れて作成するが、STAP細胞は外部からの刺激だけで細胞を万能化できる点が特徴だ。

 iPS細胞のみならず、STAP細胞という第2の万能細胞まで日本人が作り出したことがすばらしい。医学などを飛躍的に発展させる細胞科学で再びノーベル賞受賞者が出る!

 そう期待させるだけでも話題十分なのに、それが30歳という若い女性の手によってなされたこと。しかも、これが科学者は地味なスタイルという「常識」を覆す、おしゃれな衣装と装身具に身を包んだ明るく、魅力的な、カワイイ女性だということがビックリなのだ。

 私及び私の周辺でSTAP細胞発表のテレビニュースを見た人々は、いずれも「なに、あのコ?」「大先生の研究成果を発表するだけのキャスター、司会者?」「キャスターがやるはずないから、じゃ、助手なの?」といった反応だった。

 ニュースを見るうちに、このチャーミングで親しみやすい女性がリーダーとなって仕上げた大仕事と知って半信半疑ながら驚いた、という人が多かったのではないか。

 若い天才的女性が発明した、という例はいくつもある。でも、もっと鋭い眼光で人を寄せ付けず、衣服は地味、堅実な雰囲気というのが「常識」だ。

 小保方さんはその常識も簡単に覆してしまった。発表会見ではファショナブルなミニスカートの衣装に、英ファッションブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の大きな金色の指輪を光らせていた。付けまつげをつけ、化粧も十分目立つ。

 正直、学者というよりホテルやレストランのスタッフ、美容師、ブティック(高級既製服)の店長といった趣なのだ。それも、「おもてなし」を心得た明るさ、親切さを備えている。だから、親しみが持てる。

 第一、小保方というめったに聞かない名前からして面白い。学生時代にはラクロスというマイナーなスポーツをやっていたというのも、ほほえましい。

 実験で着るのが一般的な白衣ではなく、祖母から譲り受けた「かっぽう着」という姿も親しみが持てる。そして、実験室の模様替えをして、壁をピンク色に塗り替えたり、好きなムーミンなグッズやステッカーを張っている。ペットのスッポンまで飼っており、話題には事欠かない。

 もちろん大変な研究熱心で、「お風呂のときもデートでも四六時中、研究のことを考えてきた」という。

 どんな男性が彼女を伴侶として射止めるのか。そんな研究とは別のことに世間の関心が集まるのも、若い、魅力あふれる女性ゆえ。

 案の定、その辺を狙った週刊誌やテレビの取材が殺到しているようで、彼女は先月末、「これでは研究に支障を来す」と、苦情とお願いの言葉をホームページに掲載した。

<報道関係者の皆様へのお願い 

 ……研究発表に関する記者会見以降、研究成果に関係のない報道が一人歩きしてしまい、研究活動に支障が出ている状況です。また、小保方本人やその親族のプライバシーに関わる取材が過熱し、お世話になってきた知人・友人をはじめ、近隣にお住いの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しい毎日を送っております。真実でない報道もあり、その対応に翻弄され、研究を遂行することが困難な状況になってしまいました。
 報道関係の方々におかれましては、どうか今がSTAP細胞研究の今後の発展にとって非常に大事な時期であることをご理解いただけますよう、心よりお願い申し上げます。……>

 言われる通り、研究活動を遠くから静かに見守って行ってあげたい。そう思いつつ、これまでとは違う、いい意味で型破りなタイプの女性だけに、研究とは別の個人的な出来事にも関心を持ってしまうのが、庶民の罪なところだ。





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Last updated  2014.02.02 17:04:49
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